ボンドにキャプテン・アメリカに…超豪華キャストが集結! 名作ミステリ愛にあふれた『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』:映画レビュー

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ニューヨークの郊外に建つ古い館、犬の遠吠え、不気味なヴァイオリンの調べ・・・・・・。本日1/31より公開の『ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密』は、ミステリファンの心をグッとつかむオープニングで幕を開けます。

館の主人は大御所ミステリ作家で大富豪のハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)。出す本すべてがベストセラー、世界中の売り上げが8千万ドルという桁はずれの人気を誇る彼は、85歳の誕生日を迎えた翌朝、書斎で死体となって発見されます。通報を受けてかけつけた警察は前夜に館にいた家族全員の事情聴取をしますが、その部屋の隅に静かに彼らを観察する一人の男が・・・・・・。そう、彼こそが、知る人ぞ知る名探偵ブノワ・ブラン(ダニエル・クレイグ)! 見た目はもっさり、頭脳は明晰。数多くの難問を解決してきた彼が来たら、もう事件は解決したも同然だ!と思ったのもつかのま、そういえば、一体誰が、なぜ彼を呼んだのか? 

さてここからは、犯人探しと動機の解明をすべく、探偵ブランは一癖も二癖もある容疑者たちの周到な嘘と対決することとなります。しかしこの映画のすごいところは、その豪華すぎるキャスティング! 一族だけでも、ジェイミー・リー・カーティス(『ハロウィン』)、ドン・ジョンソン(『特捜刑事マイアミ・バイス』)、クリス・エヴァンス(『アベンジャーズ エンドゲーム』)、トニ・コレット(『ヘレディタリー 継承』)、マイケル・シャノン(『シェイプ・オブ・ウォーター』)、キャサリン・ラングフォード(ドラマ『13の理由』)、ジェイデン・マーテル(『IT/イット ”それ”が見えたら終わり』)と、まさしく誰が犯人でもおかしくない! 

さらに、事件の鍵を握る看護師のマルタを演じるのは『ブレードランナー2049』のアナ・デ・アルマス。彼女はなにやら秘密を抱えており、あっと驚く習性の持ち主で、それが事件とどう関わってくるのかが重大なキーポイントに。

しかし本作の配役で最も驚いたのは、なんといってもダニエル・クレイグ! こんな彼は今まで見たことがない! いかにも時代遅れのツイードのスーツにくたびれたドタ靴、おまけにシャツはしわだらけ! スタイリッシュでゴージャスな007とは正反対の探偵役を、とても楽しんで演じているのがスクリーンのこちら側にも伝わってきます。さらにはあの有名な探偵の口ぐせまで出てきて、至れり尽くせりです。

監督と脚本は『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』のライアン・ジョンソン。『ナイル殺人事件』や『シーラ号の謎』といった名作ミステリ映画のファンだという彼がこの映画のために作ったオリジナルストーリーは、大好きなアガサ・クリスティーにオマージュを捧げつつ、キャラクターや動機に現代性を持たせ、観終わった時、謎解きのカタルシスとともに、ある重要なメッセージを観客の心に残します。

ミステリを読みなれた人にも、出演俳優のファンの人にも自信を持っておすすめできる、楽しさいっぱいのミステリ映画。名探偵ブランよりも先に犯人を当てることができるでしょうか。そうそう、ミステリの世界では「犯人は執事だ」という定番ジョークがありますが、この映画には執事は出てきませんので、あしからず・・・・・・。

【書いた人】♪akira
翻訳ミステリー・映画ライター。ウェブマガジン「柳下毅一郎の皆殺し映画通信」、翻訳ミステリー大賞シンジケートHP、「映画秘宝」等で執筆しています。

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