ケータイからもニコニコさせたい!『ニコニコ動画』モバイル開発インタビュー 後編

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前回は8月3日より始まった『ニコニコ動画モバイル』(以下ニコモバ)の新機能について、開発をしているニワンゴ様に直接インタビューをしました。今回は引き続き、今後のニコモバの展望をお聞きしたいと思います。

<ニコニコ動画スタッフ>
齋藤光ニ ニコニコ事業本部 副本部長
宮本卓 研究開発部 第四開発セクション ニコモバG
野田明日香 ニコニコ事業本部 第二企画開発部
河原聖也 ニコニコ事業本部 第二企画開発部

<用語解説>
『ニコニコ動画』…… 動画に直接コメントができる動画コミュニティサービス
『ニコニコ生放送』…… インターネット経由で生放送をすることができるサービス
『ニコニコ動画モバイル』…… ケータイでも『ニコニコ動画』を楽しめるサービス
『ニコ生モバイル(仮)』…… ケータイでも『ニコニコ生放送』を楽しめるサービス

ガジェット通信(以下ガジェ): 次々に新しいサービスが発表される『ニコニコ動画モバイル』(以下、ニコモバ)ですが、開発はどれくらいの人数でやられているのですか?

ニコニコ動画様(以下ニコ動): 現在のところ企画8人と実装10人の18人で開発しております。『ニコニコ動画』というと多くのスタッフで開発をしていると想像されるかと思いますが、『ニコモバ』については現在は少数精鋭で開発をしています。

ガジェ: その人数でNTTドコモ、Softbank、auの3キャリアに対応をしつつ、新しい機能やサービスを続々追加されているのですね。『ニコモバ』で今後追加していく予定の具体的な企画を少し紹介して頂いてもよろしいですか?

ニコ動: 『ニコニコ動画』のパソコン版にはニコニコチャンネルというものがあります。こちらは政治、テレビ、音楽、スポーツ、アニメ、お笑い、グラビアなどなど、ニワンゴと提携している企業・団体等から提供された動画を公開している公式のサービスなのですが、ニコニコチャンネルの動画は現在ニコモバで見る事ができません。アニメチャンネルなど一部の動画についてはニワンゴが個別ページを作り公開しているものもありますが、ニコニコチャンネル自体に課金されているものや個別課金の動画があり、ただ全てをそのまま公開するわけにはいかないんですね。

これらを『ニコモバ』でも将来的に見られるようにしていきたいのですが、まずは『ニコモバ』内でニコニコチャンネル動画のセレクションページをつくって、公開していきたいと考えています。

ガジェ: 確かにニコニコチャンネルの動画には企業の公式動画などが多くあり、それらがモバイルで楽しめるようになるのはとても楽しみです。ガジェット通信の動画も是非選ばれるように、良い動画を作っていこうと思います。他に『ニコモバ』ならではのサービスはあったりするのでしょうか?

ニコ動: パソコンに追随するだけではなく、モバイルならではのサービスを増やしていきたいと考えています。先日『ニコぷれ』というプレミアム会員向けのサービスをスタートしたのですが、ここでは携帯ならではということでオリジナルの携帯コンテンツを配布しています。現在は定期的に限定待受画像や待受GIF動画を配布していますが、今後ここで簡単なFlashゲームなどを公開したいと考えています。

ガジェ: ケータイならではの楽しみができるのはとても嬉しいですね。パソコンのニコニコユーザーも『ニコモバ』を楽しむきっかけになるのではないかと思います。それではキャリア別の問題などは関係なく、今現在は現実的じゃないとしても、今後やりたい企画というのはありますか?きっといっぱいあると思いますので敢えてその中で3つお願いします。

ニコ動: そうですね、やりたいことは本当にたくさんありますので選ぶのは難しいのですが、是非やりたい事を申しますと、

・3キャリア全部で生放送視聴及びコメント対応
・モバイルサイトでの外部プレーヤー対応
・『ニコモバ』から直接の動画アップロード

ですね。現状では大変なところではありますが、やっぱり『ニコ生モバイル(仮)』を3キャリアに対応させたいというのは、今一番やりたいことですね。是非キャリアに協力をお願いしたいです。次に、外部プレーヤー対応です。パソコンの『ニコニコ動画』は外部プレーヤーを使って外部のサイトから動画を見る事ができます。それをケータイサイトでもやりたいですね。

3つめは『ニコモバ』から直接の動画アップロードです。ケータイで生放送を配信するのはまだまだ難しいところがありますが、たった今ケータイで撮影した動画をすぐに『ニコニコ動画』にアップして、すぐに視聴者の反応を得る事ができるようにしたいです。ショートムービーで、編集もなく、即時性のあるものがアップされる事を期待しています。

ガジェ: 3つともすごく夢が広がるサービスですね!それができると『ニコモバ』ユーザーはものすごく増えると思います。特に直接動画がアップできるのは大変嬉しいです。

ニコ動: 『ニコニコ動画』が行っているイベントなどでも、そのイベントの生放送をケータイで見て会場にいながらにしてコメントを投稿できたり、それ自体を生放送はできなくてもその場でユーザー視点から録画した動画をすぐにアップしてそのコメントを楽しめるようになればいいなぁと思います。どこかの国家の情勢が大きく変化したときなど、情報規制により市民に情報が伝わらないときにはインターネットがメディアになる例が増えてきました。『ニコモバ』もそういう場所になったら面白いですね。

ガジェ: なるほど、『ニコモバ』がメディアになる日も遠くはなさそうです。『ニコモバ』を今後開発していく中での展望を教えてください。

ニコ動: パソコン版の追随だけでなくモバイル単体としても強いサービスにしたいですね。モバイルならではの広がりをしていきたいです。所謂「ニコ厨」と呼ばれる『ニコニコ動画』大好きと言っていただけるユーザーだけでなく、一般の方へも『ニコニコ動画』を知っていただき、『ニコニコ動画』を誰でも聞いた事あるというような一般化をモバイルが果たしていきたいと考えています。

ケータイは今や一人一台持っていて、メールやインターネットをしたり動画を見るということが日常化している現在、電車の待ち時間などの暇つぶしや今見ている話題の動画を友達に見せるなどの状況が発生しやすいんですよね。百聞は一見にしかず、説明するよりも実物を見せる、ということが『ニコモバ』で気軽にできるようにしたいです。

ガジェ: 一般化という言葉が出ました。これは『ニコニコ動画』においてPC版でも言われている事で、公式のニコニコ生放送ではテレビで活躍する芸能人を起用するなど、「ニコ厨」だけでなく一般のネットユーザーに『ニコニコ動画』を知ってもらう試みをやられていますね。最後になりますが、今後モバイルとして一般化を進めていく中でやりたいことを教えてください。

ニコ動: 『ニコモバ』アプリがプリインストールされたケータイを、ケータイのキャリアや開発会社と協力して出したいです。Softbankケータイの一部では既にモバイルウィジェットという待受画面上で動作するミニプログラム機能でプリインストールされているモデルもあるのですが、それをほかのキャリアでも実現していきたいです。また、それに合わせてケータイキャリアのプロモーションなども行っていきたいですね。

ガジェ: 『ニコモバ』のアプリもケータイキャリア公式でプリインストールされるとなると、全く『ニコニコ動画』を知らなかった人にも目にとまり、新たなユーザー獲得、一般化への道が広がっていきますね。今後がとても楽しみです。このたびは誠にありがとうございました。

さて、第2回では『ニコ生モバイル(仮)』の新サービスの予定や実現したい企画を中心に、今後の展望についてお聞きしました。キャリアの問題などもきっと今後ケータイの開発が進むに連れて、時間が解決していくのではないかと思います。広がっていく将来がとても楽しみな『ニコモバ』、是非チェックしてみてください。

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