『アイリッシュマン』に見るディエイジングのVFX技術

コンピューターの進化と共に歩んできたVFX技術ですが、豪華俳優陣の若い姿が話題にもなった『アイリッシュマン』では“ディエイジング”というテクノロジーが使われています。

How The Irishman’s Groundbreaking VFX Took Anti-Aging To the Next Level | Netflix(YouTube)
https://youtu.be/OF-lElIlZM0


Netflixがこのテクノロジーにフォーカスした動画、「『アイリッシュマン』に見られるデジタルディエイジングの進化」(The Evolution of Digital De-Aging as seen in The Irishman)を公開しています。

『アイリッシュマン』では1949年から2000年という時代設定で撮影が行われました。マーティン・スコセッシ監督が抱えていた問題は、過去のシーンを演じるロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシといったベテラン俳優陣の顔を若く見せること。

VFXを担当したのは、ディズニー傘下のインダストリアル・ライト&マジック(以下、ILM)です。

俳優陣のディエイジング用に使用された特殊カメラ。

俳優陣の若い頃を再現するのではなく、彼らが演じるキャラクターの若い頃を再現するように努めたそうです。

年代ごとに少しずつ変化していく俳優陣の顔。

ILMのMEDUSAという顔の表情をキャプチャーするソフトを使い、何パターンもの顔の表情を記録。1フレームごとに顔のデータを組み合わせることで複雑な表情変化にも対応しています。

Fluxというソフトを使って、陰影や質感、さらにはしわなどの細かい顔の表情の変化を調整していきます。

結果、こういった形でディエイジングが完了することになります。左が普通に撮影されたアル・パチーノの顔で、右がディエイジング処理されたアル・パチーノの顔です。

今後もコンピューターの進化すれば、映像技術もそれに伴い進化していくのでしょう。最終的には俳優という仕事そのものを、コンピューターや人工知能が奪ってしまうのかもしれません。

※画像:YouTubeより引用
https://www.youtube.com/watch?v=OF-lElIlZM0

(執筆者: 6PAC)

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 『アイリッシュマン』に見るディエイジングのVFX技術
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。