ホラー映画の金字塔『ゾンビ』出演のケン&ゲイランと“ゾンビ大好き俳優”磯村勇斗の特別鼎談!
ホラー映画の金字塔『ゾンビ』。日本公開から40周年を記念して、「米国劇場公開版」「ダリオ・アルジェント監修版」 「ディレクターズカット版」とも異なる幻の「第4のバージョン」=日本劇場初公開版が現在全国の劇場で上映中です。
11月末には『ゾンビ』出演俳優のケン・フォリーさんとゲイラン・ロスさんが来日。ファンイベントを行いました。今回は、大のゾンビ好きで、特にジョージ・A・ロメロを敬愛する俳優の磯村勇斗さんとお2人による特別鼎談が実現! 磯村さんから様々な質問が飛び出しました。
――本日は宜しくお願いいたします。大好きな『ゾンビ』に出演しているお2人とお会いしていかがですか?
磯村勇斗:もう嬉しくて、感激です。敬愛するジョージ・A・ロメロ監督と一緒にお仕事をされたお2人で、僕がこれまで作品の中で観てきた方とお会い出来るなんて思わないじゃないですか。
ケン・フォリー:僕も嬉しいよ! ありがとう!!
ゲイラン・ロス:私も本当に光栄よ!
――磯村さんが『ゾンビ』をご覧になったきっかけは何だったのでしょうか?
磯村勇斗:ケンさんも出演されている『ドーン・オブ・ザ・デッド』を最初に観たのですが、それが『ゾンビ』のリメイクだったんだと後から知って観ました。今の時代って「ゾンビ」という言葉ってもう当たり前の様に浸透していますが、『ゾンビ』を製作した当時はソンビの映画を作るなんて異端だったと思うんです。お2人は当時どの様な気持ちでオファーを受けたのでしょうか?
ケン・フォリー:仕事がもらえるだけで嬉しいという気持ちだったよ!(笑)でも、正直にいってこの『ゾンビ』という映画はアメリカでは公開されないのではないかと思っていた。カラーでショッキングなシーンも鮮明だし、南米で公開されるくらいかな?と。アメリカは「SAG」という俳優の組合が強いのだけど、この作品は組合の作品では無かったから、バレたらまずいなっていう気持ちもあったよ(笑)。
ゲイラン・ロス:私はそれまでロメロ監督のことも何も知らなかったの。『ゾンビ』が初めての映画出演なのだけど、でもロメロは監督は私が映画初出演ということを知らなかったの。これまでにもたくさん経験がある様に経歴を詐称していたから(笑)
磯村勇斗:ええっ、それはすごいですね!(笑)
ゲイラン・ロス:結構みんながやっていることなのよ(笑)。演技経験の無い私がゾンビという作品に出ることは確かに勇気がいったし、女として大変な現場だろうなとは思っていたの。磯村さんがおっしゃった様に当時はゾンビなんてジャンルを誰も分からないから、当時の演技の先生に「今度ゾンビの映画に出るんです」と言ったら、「ゾンビ?ゾンビって何?」って感じ。その先生には「シェイクスピア」作品を習っていたんだからしょうがないわよね。
磯村勇斗:やはり、そうですよね。でも今では、ロメロ作品はシェイクスピア作品と同じくらい有名になりましたよね。たくさんあると思うのですが、『ゾンビ』の撮影で印象的な出来事は何ですか?
ケン・フォーリー:毎日毎日新しいシーンの度に面白い出来事はあったよ。でも一番は、銃を買いに行ったり、銃を身につけれた事が本当に感激したよ。子供の頃から憧れていた、ジョン・キャスリーとかアクションヒーローになれた気分だった。
ゲイラン・ロス:ケンは銃のシーンを本当に楽しんでいて、私にも色々教えてもらったわ。ある時カメラマンが悲鳴をあげたんだけど、私カメラに弾を当ててたのよね!(笑)「誰か彼女に銃の(正しい)使い方を教えなかったのか!」って驚いてたわ。
磯村勇斗:何ともすごくて恐いエピソードですね(笑)。『ゾンビ』の、ショッピングモールにこもるシーンもゾンビ映画の印象を決定づけたものだと思います。宝石とか銃とか「俺のものだ!」ってかき集めるシーンは一瞬の幸せを感じて大好きなシーンなんです。お2人がショッピングモールにこもることになったら、どんな物を手にいれたいですか?
ケン・フォーリー:映画と一緒だよ!
ゲイラン・ロス:マネー、マネー、マネー!
ケン・フォーリー:マネーに宝石、銃に食べ物……何でも手に入るなんて最高だよね!
ゲイラン・ロス:キャラクター達がショッピングモールを去るというのも、素晴らしい演出よね。「理想郷は長くは続かない」というロメロのメッセージを感じるわ。
磯村勇斗:エンターテイメントでありながら、現代にも通じるメッセージが素晴らしいですよね。あとお聞きしたかったのが、ゾンビを撃つのと、襲ってくるバイカーを撃つのでは感覚が違うのか、どの様に演じ分けをしているのか、ということです。
ケン・フォーリー:バイカー達は自分たちで”悪いこと”を選択しているので撃つ時に全く躊躇しない。逆にいうとゾンビには意思が無いから可哀想だよね。
ゲイラン・ロス:そうね。ゾンビは本能で動いてしまっているけど、バイカーは自分たちの意思で悪い事をしているからある意味自業自得とも言えます。ゾンビがバイカーを襲撃するシーンでは観客は「やったー!」という、ゾンビの方に爽快感を感じるのよね。
――その深さがゾンビ作品の大きな魅力ですよね。この『ゾンビ』が起源となって、たくさんのゾンビ作品が作られ、日本でも人気の作品がたくさんあるわけですが、お2人が今好きなゾンビ作品はありますか?
ゲイラン・ロス:う〜んと、無いわ!(笑)
ケン・フォーリー:意識して観ることは今はないかな。『ショーン・オブ・ザ・デッド』あたりまでは観たよ。『ショーン・オブ・ザ・デッド』は公開前に何かのパーティで、知らない男性に会ったんだけどその人は僕を観たら逃げちゃったんだ。実はそれは『ショーン・オブ・ザ・デッド』のエドガー・ライト監督で、後日コンタクトをとってきて挨拶してプレミア上映に招待してくれたんだよ。あと『28日後…』は面白かったね!
磯村勇斗:『28日後…』は僕も大好きな作品です!
――ゾンビ界の大先輩すぎて、エドガー・ライト監督も緊張しちゃったのかもしれませんね(笑)。
磯村勇斗:すごいお話がたくさん聞けて本当に楽しくて、贅沢です。最後に、今この世界にゾンビが蔓延してしまったら、お2人は何をしますか?
ケン・フォーリー:良い質問だね!そういう脚本を書いたこともあるんだ。やっぱり映画と同じでまずは武装かな?
ゲイラン・ロス:島に逃げて閉じこもる、とかも良いわよね。あなたはどお?
磯村勇斗:僕はもちろん、すぐショッピングモールに行きます!
ケン・フォーリー:そうだ、それが最善だね! 日本だと、どこのショッピングモールに行けばいいかな? 今すぐ一緒に行こう!
磯村勇斗:光栄です!ぜひ!(笑)
磯村さんのゾンビ愛に全力で応えてくれたケン・フォーリーさんと、ゲイラン・ロスさん。最後まで笑いの耐えない素敵な鼎談となりました。ケンさん、ゲイランさん、磯村さんありがとうございました!
日本公開40周年!『ゾンビ 日本初公開復元版 』公式サイト
https://www.zombie-40th.com
撮影:山口真由子
こちらも素晴らしいのでチェック→【動画】磯村勇斗がゾンビ映画について語る!「きのう何食べた?」ジルベール役で話題|CRAZY CULTURE|ELLE Japan
https://www.youtube.com/watch?v=ZlE9iPHcN8U [リンク]
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