斎藤工さんら“映画祭ツウ”が愛情たっぷりに選出! 「映画秘宝が勝手に決める! 東京国際映画祭“裏”グランプリ2019」

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先日開催された「第32回 東京国際映画祭」。今年のコンペ部門には115の国と地域から1804本が応募され、14作品が正式出品。最高賞にあたる東京グランプリは、フラレ・ピーダセン監督によるデンマーク映画『わたしの叔父さん』が受賞しました。

そんな中、雑誌『映画秘宝』が「映画秘宝が勝手に決める!東京国際映画祭‘裏’グランプリ2019 with斎藤工!」としてトークイベントを実施。斎藤工さん、三留まゆみさん、岡本敦史さん、岩田和明編集長が独断と偏見で選出した受賞作を発表しました。

グランプリ:『リリア・カンタペイ、神出鬼没』
監督賞:ヨン・ファン『チェリー・レイン7番地』
審査員賞:『タイトル、拒絶』
最優秀屁賞:『喜劇 愛妻家物語』
子役がんばったで賞:新津ちせ『喜劇 愛妻家物語』『ミセス・ノイズィ』
女優賞:神野三鈴『フォークロア:TATAMI』『37セカンズ』
男優賞:ジョン・ホークス『人生、区切りの旅』

「居酒屋でわいわい話している感じで楽しく決めたので、これから観る作品の参考にしてください」と斎藤工さんが話すとおり、和やかな雰囲気でそれぞれの映画の魅力を語りながら決まった受賞作たち。

『リリア・カンタペイ、神出鬼没』について三留さんは、「フィリピンのお化け役専門の女優さんが、決して裕福でもないけれど頑張っているのだけど、大きな映画賞をとれるかもしれないとなる。その受賞スピーチを考えてそわそわ落ち着かないという、モキュメンタリーです」と解説。斎藤さんは「俳優という仕事は自分を否定し続けるものなので、賞をもらうとすごく嬉しいんですよ」と俳優ならではの視点でコメント。「日本版を片桐はいりさんで撮ってほしい」と話しました。

そんな斎藤さんイチオシなのが『タイトル、拒絶』。伊藤沙莉さんらが出演し、デリヘル嬢たちの心情を描いた本作を「山田佳奈さんという監督さんなのですが、女性にしか撮れない作品だと思いました。内田英治さんがプロデューサーに入っていたりして、Netflixの『全裸監督』にも通じるアツいパッションを感じました」。「スプラッシュ作品はどうしても“低予算だから許してね”という作り手側の気持ちを感じることも正直あるのですが、この映画は無いです」「キャスティングも素晴らしいですし、日本の女性のキワとキワを描いている」と絶賛しました。

監督賞に輝いた、『チェリー・レイン7番地』のヨン・ファンさんは、御年72歳の香港の監督。「アニメに興味が無い」という香港映画界の名匠が、記憶の探求を独創的かつ甘美な映像で実現するアニメーション『チェリー・レイン7番地』は、大学生の青年は英語教師のバイトで通う家の少女とその母のそれぞれに特別な感情を抱くというストーリーで、「映像美と耽美さが素晴らしい!」と岩田編集長も絶賛。「ハリウッドのアニメーションとは対極のとても静かな絵作りで、芸術的。あと娘の絵が玉城ティナにそっくり!」と見所を解説しました。

神野三鈴さんが女優賞に輝いた『フォークロア:TATAMI』は、齊藤工さんの監督作品。北村一輝演じる主人公の作家が実家で秘密の扉を見つける所から家族の秘められた過去を知るというサスペンス・スリラーで、岡本さんは「廃墟のシーンが素晴らしくてもっと観たかった」と称賛。「壁にかかったカレンダーが1998年で、時空が歪んでいる感じがして怖かったです」と齊藤監督自身も話します。

『blank13』『MANRIKI』、そして『フォークロア:TATAMI』と監督として作品を作り続けていることに関して齊藤さんは、「日本の俳優さんで映画を撮る方は多いのですが、リスクが大きいので途中で辞めちゃうんですよね。でも僕は、例えばスマホで撮影などどんな撮り方でも続けていきたい」と、今後の映画製作へも意欲を見せました。

その他、受賞作品には選ばれませんでしたが、岡本さんオススメの『ジャスト6.5』にも注目。イラン警察とドラッグ組織の対決を描いた作品で、「カメラの動いと役者の動きがダイナミックでオヤジたちの顔が素晴らしい。本当に完成度の高い作品」と大絶賛。これらの作品が今後日本で無事公開されることを楽しみに待ちましょう!

『映画秘宝』オフィシャルサイト
http://www.eigahiho.jp

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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