間もなく冬到来!純愛の季節にみるラブストーリー『雪の華』で「三代目JSB」登坂広臣は時空を超える!?

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間もなく冬到来!純愛の季節にみるラブストーリー『雪の華』で「三代目JSB」登坂広臣は時空を超える!?

中島美嘉の同名曲にインスパイアされた珠玉のラブストーリーが綴られる映画『雪の華』。主人公美雪役を今旬の女優中条あゆみが好演し、「三代目 J Soul Brothers」のボーカル・登坂広臣が相手役の悠輔を熱演した。本記事では、“俳優”としての登坂広臣の魅力に迫りたい。

■エンタメ集団「LDH」の底力

間もなく冬到来!純愛の季節にみるラブストーリー『雪の華』で「三代目JSB」登坂広臣は時空を超える!?

(C)2019 映画「雪の華」製作委員会

2002年に「EXILE」のリーダーであったHIROによって立ち上げられた芸能事務所「LDH」。「L=Love:愛」、「D=Dream:夢」、「H=Happiness:幸福」をモットーにした活動はここ数年でめざましい展開をみせており、そのエンターテインメント事業の飛躍的拡大にますます目が離せない。
2015年から始まったHIROのプロデュース企画『HIGH&LOW』は、映画作品、テレビドラマ、音楽アルバム、ライブパフォーマンスなど、多様なコンテンツが同一の世界観を共有しながら展開する「総合エンターテインメント・プロジェクト」として現在まで大きな成功を収めている。それは、マーベル・コミックスやDCコミックスがそれぞれの世界観の中でこれまで生み出されてきたキャラクターたちを集結・競合させる「ユニバース化」の流れを汲んだものとして位置づけられるだろう。日本でいち早くユニバース化のオーガナイズに挑んだHIROの先見の明は確かなものだ。
しかし、そうしたLDHの戦略の基盤には人気グループ「EXILE」を筆頭にした一連の音楽パフォーマンスと適材適所のキャラクター配分という“広告的”な発想があるため、映画芸術としての表現力に疑問を持つ見方も多いのではないだろうか。おそらくHIROはこのような事態も念頭に置いて、映画やドラマを見据えた“演技”に特化した「劇団EXILE」を早くも2007年に組織している。「劇団EXILE」は他のグループに比べると遅れをとった印象があるが、現在では町田啓太、鈴木伸之や佐藤寛太などの人気実力派イケメン俳優を輩出している。
さらに2010年に結成された「三代目 J Soul Brothers」は迫力ある音楽パフォーマンスに加えて、メンバーそれぞれの個性を活かしたソロ活動としての“俳優業”にも当初から力を入れている。中でもパフォーマー担当の岩田剛典と山下健二郎の演技力の高さは特筆すべきものだ。本作『雪の華』で主演を務めた登坂広臣もこのグループのメンバーで、メイン・ヴォーカルを担当している。もう一人のヴォーカル、今市隆二も最近では俳優活動に意欲的で、「三代目 J Soul Brothers」はLDHグループ全体でみても粒ぞろいの“演技派グループ”と言える。

■俳優・登坂広臣の“呼吸”

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(C)2019 映画「雪の華」製作委員会

すでに演技力に定評のある岩田と山下は、「ここしかない!」という瞬間に画面にピタリと収まることが出来るタイプの俳優たちである。彼らは本能的な“フレーム感覚”を持っている。それはまさにダンス・パフォーマーとしての反射神経が桁外れで、ステージ上でステップを踏むように映画の画面上でもイン・アウトを繰り返しているようだ。彼らの演技は自然とビートを刻んでいく。それに対してヴォーカル担当の登坂の演技をみると、フレームを意識しているという感じではない。彼の持ち味は物語の空気感を瞬時に摑み取り、撮影現場でその都度調整していく“即興性”にある。彼が演じる人物からは登坂自身の“呼吸”が生々しく伝わってくるのだ。
映画初主演作である『ホットロード』(2014)で三木孝浩監督は登坂のこの特徴を活かして、忘れがたく印象的なシーンの数々を演出している。本作の橋本光二郎監督は加えて、自ずと画面に映える登坂の顔にも注目。弟妹と暮らすアパートのベランダからふと外を眺める表情ひとつとってみても、ここしかないというキャメラのアングル、フレームのサイズ感、照明の調節具合というふうに三拍子揃った瞬間の“キメ顔”に男女問わず思わずドキッとさせられる。それをいかにも自然にやってのけてしまうのが登坂広臣という俳優の潜在的可能性を物語っている。さらに付け加えると、登坂はハンバーガーを頬張る姿がとにかく似合う男としても記憶される。いずれにしてもその存在感に観客は圧倒される他ないだろう。

■俳優としての葛藤

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(C)2019 映画「雪の華」製作委員会

『ホットロード』以来、5年ぶりの映画主演となった登坂だが、映画作品への出演オファーにはどうやら消極的であったようだ。その理由を次のように答えている。

実は今回のオファーをいただいたとき、すぐに引き受けることができなかったんです。少なからず映画の世界を経験して、芝居の難しさを知ったからこそ慎重になりました。撮影が終わったいまも、自分が役者だとは到底思えません。
                    
                   
出典元:『女性自身』掲載のインタヴューより

そう赤裸裸に語る登坂はおそらく撮影現場でも相当悩んでいたはずだ。その葛藤が如実に現れている場面がある。それは物語のクライマックス、美雪について思わぬ事実を知らされた悠輔が病院を飛び出して、愛する人の元へひた走るところ。この大きな見せ場で登坂は何を思って演技をしていたのだろう。
演技者としての登坂の苦悩というのは、演じることと今自分が実際に走っているという現場でのリアルな感覚(呼吸)とのせめぎ合いとしてあったはず。演技の本質に関わる葛藤として演者自身が、根気よく調整を繰り返したからこそ、観客はこの場面で慣れない雪道に足を取られながらも懸命に走り続ける悠輔とその役を演じる登坂自身とを二重写しにしてみることが出来たのだ。「撮影が終わったいまも、自分が役者だとは到底思え」ないという謙虚さは、俳優という職業の奥深さを思わず吐露している素直な心境として受け止めるべきだろう。

■“推進力”となる躍動の瞬間

間もなく冬到来!純愛の季節にみるラブストーリー『雪の華』で「三代目JSB」登坂広臣は時空を超える!?

(C)2019 映画「雪の華」製作委員会

登坂の場合、自分を“俳優”とした時、演技上の迷いや葛藤を誰よりも敏感に感じていたことが、演技の本質を自ずとあぶり出していた。本作の脚本は実際、登坂の人柄を意識して執筆が進められたそうだ。クライマックスではすべての要素が彼に味方し、大きな感動を生み出している。
画面上ではとにかく走って走って走り抜く。その運動がさらに運動を駆り立て、気づけば日本から恋人のいるフィンランドに再び飛んでいる。二人で行った旅行の時には移動シーンも楽しみの一つとして描写されているが、ここでは省略され、カットが切り替われば時間も場所も一瞬のうちに変わっている。これは映画表現の約束事としては当たり前のことだし、物語上も当然の流れとして追っていけるものなのだが、そういった見方では到底説明のつかない感動がこのシーンには漲っている。それは悠輔というキャラクターを演じる登坂の疾走が時空を超えていくからだ。言わば、登坂の走りがこの映画の大きな“推進力”となって視覚的なレヴェルで距離を踏破してしまっているのである。
とは言え、ヴォーカリストとしてのソロ活動も本格化してきている登坂にとって、今後、映画作品への出演オファーはますます受けにくい仕事になっていくのではないだろうか。しかしだからこそ、数少ない主演作のひとつひとつが貴重な記録となり、画面上の躍動の数々が、多くの観客たちの心に確かな“記憶”として焼き付けられていくのだ。


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