『ターミネーター:ニュー・フェイト』のT-800は「機械でありながら子育てを経験し、サラから何を奪ってしまったのか感じられる様になった」
「ターミネーター」の生みの親であるジェームズ・キャメロン制作、『デッドプール』のティム・ミラーが監督を務める『ターミネーター:ニュー・フェイト』が現在大ヒット上映中です。
リンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーが28年ぶりにカムバックしたことでも超話題の本作。ガジェット通信では、T-800役の“レジェンド”アーノルド・シュワルツェネッガーと、リンダ・ハミルトンご本人にお話を聞いてきましたよ!
――ーまずはリンダさん、カムバックありがとうございます! 本作への出演の決め手は?
リンダ:本当はサラ・コナーは2度と演じないと思っていたの。ただ今回の話が来たとき、「この28年で彼女はどう変わったのか、どんな風に成長したのか」好奇心が湧いてきたの。(出演を決めた)1番の理由はそれね。
――アーノルドさんは、リンダさんのサラ・コナーが戻ってきたシーンを見ていかがでしたか?
アーノルド:最高だったよ! 「ついにサラ・コナーが戻ってきたな」と感じたし、一言でいえば鳥肌ものだったね。彼女の表情から感じるみなぎる自信も、たたずまいも、武器の扱い方も、全てがあまりにも素晴らしかった。実際にリンダと現場で会ったとき、「仕上げてきたな」とすぐに分かったよ。彼女は完璧主義なんだけど、彼女がどれだけのものを犠牲にして撮影に挑んだのか、一瞬で感じ取れた。『ターミネーター2』で成し遂げた女性ヒーロー像をさらに進化させているんだ
――本作は『ターミネーター2』の続編ですが、お2人が演じられたT-800とサラ・コナーが、切なさや悲しさを内包していたと感じました。
リンダ:強さもあり、弱さもあるキャラクターはとても魅力的だと感じます。サラが、自分の気持ちを森の中で話すシーンがありますが、私の中の一番悲しい気持ち、暗い気持ちを掘り下げて演技しました。撮影のため、5時間くらい木に座っていたんです。芝居というのはそういうものなのですけど、大変でした。
アーノルド:今回演じたT-800は、ある瞬間は機械的で、違う瞬間はとても人間的で、演じていて楽しかったよ。T-800はサラが自分の家に来た時に、自分がしてしまった事の悲しさに気付くんだ。(T-800)自身も機械でありながら子育てを経験し、サラから何を奪ってしまったのか感じられる様になった。
――アクションもとても格好良い作品ですが、そこにある人間ドラマも本当に見所ですよね。改めて、お2人にとって「ターミネーター」とはどういう存在でしょうか。
リンダ:35年前にこの役と出会って。その時はここまで付き合いの長いキャラクターになるとは思いませんでした。私の女優人生を決定づけてくれました。もう(サラ役には)戻らないと思っていたけど、「サラは空白の時間をどう過ごしていたんだろう?」とずっと興味があって、今回の脚本を読んで戻ったんです。
アーノルド:リンダは3本、僕は5本(シリーズに)出演していますが、自分のキャリアにとってとても重要な作品。一作目の時は世間的には低予算のアクション映画と思われていた。しかし、予想に反して素晴らしい監督の仕事のおかげで商業的にも批評家にも支持された。タイムスリップものであり、近未来的なアクションでありながら、考えさせられる作品なんですよね。一作目が終わった時全てのアクション映画のオファーがきて、2以降はさらにキャリアが上昇したんだ。
――世界中でこの質問をされているかと思うのですが、アーノルドさんはまたシリーズに出演してくれますか?
アーノルド:あはは、それは観客次第かな。自分が100歳になっても、誰かが骸骨をお墓から掘り出して使うかもしれないけどね(笑)。
撮影:オサダコウジ
【ストーリー】メキシコシティの自動車工場で働く21歳の女性ダニーが弟のミゲルとともに、ターミネーター“REV-9”に襲われる彼らを守ったのは、同じく未来から送り込まれた強化型兵士のグレースだった。
かろうじて工場から車で脱出するダニー、ミゲル、グレース。執拗に追いかけてくるREV-9を、ハイウェイで待ち構えていたのは、サラ・コナーだ。ターミネーターを宿敵として人生を送ってきた彼女は、REV-9とも激しい死闘を繰り広げ、「アイルビーバック」と言って、その場を去っていった。
再び合流したサラは、ターミネーター情報の謎のメールが誰かから届くと告白。グレースはその発信元がテキサス州のエルパソだと突き止め、3人はメキシコからの国境越えを決意する。しかし、国境警備員になりすましたREV-9が彼らを指名手配していた。
そしてエルパソで、サラやダニーを待っていたのは、あの男だった……。
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