スベリヒユがウマすぎるのでたくさん料理してみた(東京でとって食べる生活)
今回はトモさんのブログ『東京でとって食べる生活』からご寄稿いただきました。
スベリヒユがウマすぎるのでたくさん料理してみた(東京でとって食べる生活)
もっとも優秀な野草はなにか?
と問われたら、私はスベリヒユだと答えるでしょう。
こちらがスベリヒユ、多肉植物の一種
入手難易度…入手しやすい、
食べやすさ…下ごしらえ不要、
食味…とてもうまい、
どれをとってもトップクラス。
それでいて健康にいいω-3脂肪酸を代表とした栄養もたっぷり。
すばらしく完成度の高い植物です。
今回はそんなスベリヒユの話をさせて下さい。
スベリヒユとは?どこでとれるの?
日本全土に自生する植物です。
生命力が強く、日当たりのいい場所なら何処にでも生えます。
多肉植物で、緑色で楕円形の葉っぱと、紅色の匍匐茎が特徴的
馴染みのないカラーリングであり外来の植物っぽさにあふれるのですが、調べてみると史前帰化植物という微妙なポジション。
それでちょっと浮いた見た目をしてるわけですね。
スベリヒユの花(園芸種のハナスベリヒユ)花期は夏。花が終わるとタネをつけ枯れてしまいます@写真AC
山形県ではひょうとも呼ばれ、山菜のひとつとして食されるんだそう。
とはいえ日本では一般的に八百屋に並ぶことは無い食材です。
パリッとした多肉植物の風貌がふだん食べている野菜とはあまりにも違いすぎるために食欲がわかないのは唯一の欠点か?
さて、スベリヒユは空き地でも道路のワキにだってどこにでも生えるのですが、
特に多いのが農地。
光合成のしやすい地肌がむき出しになった場所を好むようです。
東京都近隣の農園、雑草のように地面に生えているのは…
もちろんスベリヒユ、踏み固められた硬い土でも生育できるよう
もちろん畑の中にもバンバン生えてきます。
畑のワキに群生しているのを発見
ちょっと放置しているとワサワサワサワサと生えてきて地表を覆い尽くしてしまうため、畑をやってる側からすれば迷惑な雑草なのだそう。
それならばとって食べてやりましょう!
採取した立派なスベリヒユ、除草する場合は根っこから取り除きましょう
ということで農家の方に許可をいただいて採取。
こちらはうまい野草をゲットできて、農家は草むしりをやってもらえる、これ以上ないほどのWIN-WINな関係。
ここぞとばかりにバイクのバックパックがパンパンになるまで採取!
スベリヒユを料理してみる
とってきたスベリヒユを調理していきましょう。
採取したものは、農薬や虫がついている可能性がありますのでよく洗っておきます。
続いて、軽く湯通しをします。
生のまま食べても問題ない植物なのですが、どのような管理をされてきたかわからない野生の個体。念の為にやっておいて損は無いはずです。
食感を損ねないよう、熱湯にサッとくぐらせるだけ。
茹であげるとパリッとした多肉植物の質感はなりをひそめ、食べやすそうな見た目にシフトしてくれるのも嬉しいところ。
あとはそのままドレッシングをかけるだけでウマい。
とてもお手軽な食材なのです。
ちなみに、根っこに近い茎の太い部分はやや硬いので少し長めに茹でるとなおよし。茹でるとお芋のような食感になってほろほろうまいです。
ン…?
さっきスベリヒユを茹でた茹で汁になんか浮いてる…。
ギャーッ!!!
気づかず一緒に茹でちゃったようです。ごめんね
あああっ芋虫サン…!
芋も虫も平気なのですが、芋虫サンはちょっぴり苦手。
芋と虫が合わさり最恐になる…。
茹でておいて正解でした…。
でもごめんよ、なむなむ。
さて、気を取り直して料理をやっていくのですが、スベリヒユは万能選手。どんな味付けでも美味しく食べられます。
スベリヒユのおひたし(雑なタッパーの写真でごめんなさい)
こちらは茹でたスベリヒユをシンプルにめんつゆで和えたもの、
スベリヒユはやや酸味のある食味をしており、めんつゆだけでポン酢をかけた風のおひたしに変身します。
食感もややヌメリがあってご飯にあうかんじ。ウマいですね。
スベリヒユの油炒め
続いて油炒め。
多肉植物のなせるワザなのか、炒めにしても食感が損なわれないのも評価ポイント。ニンニク・しょうが・しょうゆなどで炒めて鶏肉などと合わせるとご飯がすすむおかずに早変わり。ウマい。
キムチ和え、やっぱりタッパーの写真。スベリヒユは生活の一部と化しております
ナムルっぽい見た目だから、ということでキムチ漬け。
酸味とキムチの相性がとてもよい、トロリとしたキムチ味のお漬物になりました。
飲み会で出したらあっというまにソールドアウト。ウマかったのでしょう…!
スベリヒユラーメン。トッピングだけでなくスープにもたっぷり
最後はスベリヒユラーメン。
みじん切りにしてつけ麺のスープに加えてみました。
酸味と旨味がスープに溶け込んで独特の風味が生まれるのですが、これがヌメりも相まってラーメンと合うのです。
麺にからむスベリヒユのメンマかモヤシのようなジャキジャキ食感が心地よい。
ノリでやってみたのですがここまで相性がよいとは…。
砂糖を少し加えて甘酸っぱい味付けにしたのも正解。
これ売れるのでは!?というレベルでウマい…!
どうやってもうまい、スベリヒユ最高です。
ごちそうさまでした。
まとめ
スベリヒユは野草のくせして、便利でウマいすごいやつです。
都内でもワリとそこらに生えているのでぜひ試していただきたい。
郊外にお住まいの方は豊富に採取できるはず。食べないともったいないですよ!
スベリヒユ(滑莧)
スベリヒユ科スベリヒユ属の一年草。地中海地方ではサラダにして食べ、中国では馬歯莧と呼ばれ薬草として親しまれ、沖縄ではニンブトゥカー(念仏鉦)と呼ばれ重宝される、などなど各地で食用とされる優秀な野草。
【採取時期】梅雨明け~夏
【採取場所】畑や空き地など
【おまけ料理レシピ】スベリヒユラーメン
【材料】
スベリヒユ x1~2束
ひき肉 x50グラムくらい、なくてもよし
市販のラーメン ※つけ麺タイプがおすすめ【作り方】
1.
スベリヒユを採取する。
枯れた部分の少ない綺麗なものを採取、汚い部分はちぎって捨てておく。2.
スベリヒユを下茹で、沸騰したお湯に10~20秒ほどくぐらせひきあげる。3.
スベリヒユは荒いみじん切りにしておく。
一部、柔らかい茎をトッピング用に残しておくとよい。4.
ラーメンを普通に作る。
スープを作る際に水分をやや減らし、3のみじん切りのスベリヒユとひき肉を加え、軽く煮立てる。
※好みで、砂糖・しょうゆ・めんつゆなどを加えて味を調整5.
盛り付け、よけておいたトッピング用のスベリヒユを乗せて完成。
スープまでうまい…!
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執筆: この記事はトモさんのブログ『東京でとって食べる生活』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2019年11月5日時点のものです。
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