賛否両論! 大阪のディープゾーン「新今宮」は星野リゾート進出でどう変わる? 街の声は

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駅前や駅構内には海外からの観光客がいっぱい(写真撮影/吉村智樹)

山谷(東京都上野)、寿町(横浜市寿町)と並んで大規模な簡易宿泊所街と言われた往時の面影は、もはや確認できません。新世代の経営者たちが2005年、外国人旅行者向けに「大阪国際ゲストハウス地域創出委員会(OIG)」を起ち上げて転換をはかったのがそのきっかけだったそうです。

行政も新今宮のイメージアップに起ち上がった

新今宮駅前のイメージアップに、行政も新たな動きを見せています。

西成区役所総務課は2019年(令和元年)8月7日、「新今宮」駅前南側一帯のリノベーションを促進させ、民間主体のにぎわいを創出する「Shin-Imamiya R Project(仮称)」と、空き店舗等の改修経費の一部として大阪市からの補助金を交付する「提案型地域ストック再生モデル補助金交付事業」の発足を発表しました。

このふたつのプロジェクトは、西成区「新今宮」駅周辺の地域イメージを向上させ、来訪する人たちを歓迎する取り組みです。また、新今宮で活動をしたい人、お店づくりをしたい人、事業を始めたい人、住みたい人などを将来的に増やすことを目指しているのだそう。

「Shin-Imamiya R Project(仮称)」はすでにスタートしており、違法な壁の落書きをなくすため、海外のアーティストが「公式」のウォールペインティングをほどこすなど、街のいたるところで官民一体となった催しが開かれています。西成のウォールアートプロジェクト「西成ウォールアートニッポン」(略称:西成WAN)(写真撮影/吉村智樹)

西成のウォールアートプロジェクト「西成ウォールアートニッポン」(略称:西成WAN)(写真撮影/吉村智樹)

「365日、三角公園に通う男」から見た新今宮の今昔

「新今宮」駅の線路沿いを歩き、リノベーションの進展をひしひしと感じました。しからば、街の人々は時代の移ろいをどのような気持ちで受け止めているのか。新今宮にゆかりが深い人々にお話をうかがいました。

訪れたのは、「三角公園」の愛称で親しまれる萩之茶屋南公園。南海「新今宮」駅から約700 m真南に位置する、言わば西成区のセントラル・パーク。定期的に炊き出しが行われ、小屋を建てて住んでいる人も少なくはありません。1964年に園内に設置された「街頭テレビ」が、今年2019年4月に復活したことでも話題となった公園です。「三角公園」の愛称で親しまれる萩之茶屋南公園。年に一度の音楽フェス「釜ヶ崎ソニック」開催中(写真撮影/吉村智樹)

「三角公園」の愛称で親しまれる萩之茶屋南公園。年に一度の音楽フェス「釜ヶ崎ソニック」開催中(写真撮影/吉村智樹)

訪問日はおりしも、毎年10月に開催され今年で8年目を迎える音楽の祭典「釜ヶ崎ソニック」の真っただ中。あいりん地区は、旧来からの地名「釜ヶ崎」と呼ばれる場合もあるのです。「のど自慢」タイムでは、ほろ酔いでごきげんなおじさんたちが自慢の喉を競い合っています。生演奏に合わせ、自慢の歌声を披露するおじさんたち(写真撮影/吉村智樹)

生演奏に合わせ、自慢の歌声を披露するおじさんたち(写真撮影/吉村智樹)

ここに、「一年365日、たとえわずかな時間でも毎日この三角公園にやってくる」という芸人、山田ジャックさんの姿がありました。「毎日欠かさず三角公園を訪れる」という山田ジャックさん(写真撮影/吉村智樹)

「毎日欠かさず三角公園を訪れる」という山田ジャックさん(写真撮影/吉村智樹)

三角公園へ通う生活を20年以上にわたって続け、街の人々の写真を撮る。それが彼のライフワーク。

「僕の感覚では、新今宮駅の周辺は5年前に大きく様変わりしました。『天王寺』駅前に日本一高い『あべのハルカス』ができて(2014年に開業)、ひと駅隣りの新今宮駅周辺も一気に雰囲気が変わりました。ホテルが相次いで新装オープンし、観光客でいつもにぎやか。以前はあった『怖い』『薄暗い』といった印象は、もうないんじゃないかな」(山田ジャックさん)新今宮駅前からも見える日本一高い「あべのハルカス」(写真撮影/吉村智樹)

新今宮駅前からも見える日本一高い「あべのハルカス」(写真撮影/吉村智樹)

ひたむきにこの街を観察し続けたジャックさんは、新今宮の遷移をそう顧みます。

新今宮は、1990年に勃発した第22次「西成暴動」の様子が全国にテレビ中継され、長い間、バイオレンスなイメージを拭えずにいました。暴動の現場となった阪堺線「南霞町」駅は放火により建物が消失。危険な街という印象を与えてしまっていたのです。しかし2014年に「南霞町」駅は「新今宮駅前停留場」に改称し、JR・南海「新今宮」駅との乗り換えに至便であるとアピール。印象の刷新に取り組んでいます。2014年に「南霞町」から改称した「新今宮駅前停留場」(写真撮影/吉村智樹)

2014年に「南霞町」から改称した「新今宮駅前停留場」(写真撮影/吉村智樹)

「新今宮は、ある意味で“若者の街”」

やはり2014年は、新今宮にとって大きな転機の年であったようです。しかし、山田ジャックさんは、こうも続けます。

「でもね、新今宮駅から南へ道一本渡ったら、街の雰囲気は、いい意味で昔のまんま。昭和の風景がそのまま残っています。20年前に撮った写真と見比べても、風景はほとんど変わらないですから。住む人の顔ぶれも、ほぼ同じ。街ですれ違う人の名前も言えるくらい。なぜ、街が変わらず元気なのかというと、住民の気が若いからだと思います。さっき、のど自慢に出ていたおっちゃん、『高校三年生』を歌っていたでしょう。演歌ですらない青春歌謡ですよ。高齢化が問題になっていると言われているけれど、感覚が昭和の高校三年生のまんまなんですよ。だから、ある意味でここは“若者の街”なのです。気が若いから、街にずっと活気がある」(山田ジャックさん)街には元気が出るメッセージがあちらこちらに見受けられる(写真撮影/吉村智樹)
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