ある夏の不思議な出来事を描く短編ノベルゲーム『未来に舞う蝶の色は』 もし、あの”悲劇の現場”に戻れたら……何をしますか。

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千坂和歌(ちざか のどか)には一つ年上の兄、大和(やまと)がいた。
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本が大好きで頭も賢く、それでいて未来が見えるという不思議な能力の持ち主でもある大和のことを、和歌はとても慕っていた。だが夏のある日、自らの不注意が招いた事故によって大和は致命傷を負い、帰らぬ人となってしまった。

さらに身体が弱く、治療も兼ねて転地していた母もそのショックで、後を追うかのように亡くなってしまった。
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以来、後悔と自責の中で生き続けた和歌は16歳になった。
当時、住んでいた町から引っ越し、高校生活を送る和歌だったが、あの時の罪悪感は拭えず、唯一の家族である父親も出張で家を空けることが多くなり、疎遠になってしまった。

そんなある夏休みの日、部屋の掃除をしていた和歌は、かつて兄と一緒に何かを隠した「宝の地図」を発見する。そして、誰かに導かれるように和歌は以前、暮らしていた町へと向かい、あの事故が起きた森へと足を踏み入れた。

その時、不思議なことが起きた。
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『未来に舞う蝶の色は』は2019年5月2日、「ティラノスクリプト」製ノベル&アドベンチャーゲーム配信サイトの「ノベルゲームコレクション」にて公開された短編ノベルゲーム。作品ページにてWindows、Mac版の無料ダウンロードほか、ブラウザ版をプレイできる。

「昔、隠した宝物を見つけるため、久々に訪れた悲劇の現場で……」

内容はオーソドックスなノベルゲーム。自らが招いた事故で兄を亡くした過去を持つ主人公の和歌となって、当時、現場となった森に隠したとされる「宝物」を見つけ出す物語を追っていくというものだ。
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これと言って、システム周りに特徴的なものはない。最初から最後まで、物語を読み進めていくことに徹する王道の作りである。ノベルゲームにおいては定番とも言える、選択肢も用意されている。

ただ、数はごく僅か。それでいて、大きな決断をする場面に限って出現する、絞り込んだ仕組みになっている。例によって分岐もあるが、明確に変化するのはエンディングだけ。基本は一本道で進んでいく作りだ。

そのため、全体としては最後の結末を見届ける部分を根幹としたノベルゲームに完成されている。エンディングの種類は三つで、その内のベストエンドへの到達がプレイヤー、及び和歌にとっての最終目的だ。

その最終目的とは……兄を救うこと。

「……私は亡くなった兄に出会った。そして、決意した。」

故人であるはずの兄をどうやって……と、その答えは先に紹介したストーリーの続きにある。
一体、森に足を踏み入れた時、和歌に何が起きたのか。
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7年前へとタイムスリップしてしまったのである。
しかも、日時は兄の大和が事故に巻き込まれる数日前。なので、和歌の目の前にはあの頃の元気なままの大和が姿を現す。事故のショックで急逝した母親も健在なのだ。
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だが、和歌は容姿こそ9歳の時と変わらないが、記憶は16歳時のものを引き継いでいた。つまり、これから大和にどのようなことが起きるのかが分かる。
よって、彼女が取ろうとする行動は……
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大和を救うこと。
かくして以降は、悲劇の回避に向けた和歌の奮闘が描かれていくのだ。

そんな彼女の奮闘が描かれ始めてからの展開が、本作の物語における屈指の見所になっている。例によって、何が起こるのかは割愛するが、悲劇を回避するため行動するなら、行き着く先はやはり……と想像するかもしれない。
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詳しくは言及しないが、いい意味でも悪い意味でも、その想像はひっくり返されてしまうだろう。また、いざという時に現れる選択肢に対し、迷いが生じて無難なものを選ぶ判断を下すかもしれない。そして、まさかの事態に口が開いたままとなり、場合によっては物語を最初からやり直すことにもなる。

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