Interview with black midi /ブラック・ミディ来日インタビュー

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モーガン「ただ、それだけ知らないバンドの名前が引き合いに出されるってことは、それだけいろんなところから自分たちでも気づかないうちに影響を受けてるってことじゃないかな。無意識下に影響がどんどん蓄積されていくみたいなね。だから、どこの何に影響を受けてるとか特定できないし、本人たちだって把握しきれてないくらいなんだから。それが自分でも気づかないうちにダダ漏れになってるという」

――いろいろと引き合いに出されるバンドのなかで、「まあ、これは納得できるかな」という名前を挙げるとするなら?

モーガン「バトルスとか、トーキング・ヘッズとか……そのへんはさすがに知ってる(笑)」

マット「あとスワンズに喩えられてることもあったかな。それはなんかわかるような気がする。あと、スリントとかも言われてたことあったっけ?」

――その納得できるポイントというのは?

マット「コード進行とか、曲によっては構成が似ててたりするんじゃないかな。ただ、今言ったバンドにそこまで影響を受けてるかって言われたら、そうでもないんだよなあ」

――ちなみに、僕がブラック・ミディを聴いて真っ先に思い浮かんだバンドはディス・ヒートだったんですね。

マット「なるほどね」

――ディス・ヒートのチャールズ・ヘイワードは、作曲と即興――構築と解体と言い換えてもいいと思いますが、そのふたつが重なり合うところにこそフレッシュで刺激的な音楽が生まれることにとても自覚的でした。そこはあなたたちにも通じる部分だと思うのですが、いかがですか。

モーガン「そうそう、ディス・ヒートもよく言われるよね。で、たしかにいま君が指摘した部分については共通してるかもと思う」

マット「いま言ったようなやり方が、一番簡単かつ生産性の高い音楽の作り方だと思ってるんで」

――『Schlagenheim』がリリースされて少し時間が経ちましたが、自分のなかで改めて消化できた部分、あるいは理解が深まったところなどありますか。

モーガン「いや、ようやく自分たちの中でも落ち着いたっていうかね。アルバムを出して、人々の反応が返ってきて、しかも自分たちの想像をはるかに越えるくらい良い反応が返ってきて。1年前は日本でソールドアウトのショウをするなんて想像すらしてなかったし。とりあえずこうして最初のアルバムを出して、世間に対して自分達の存在をアピールできたってだけでも大満足だよ。これを最初のきっかけにして、ここからどういう展開になるかはわからないけど、これまで通りに自分達のやりたいことをやってくまでだよね。アルバムがリリースされるまでは、自分達のやってる音楽について説明するのに苦労したりしたけど、今はそれがアルバムとして実際に形になったわけだからね。アルバムが出たからってとくに気負うでもなく、普通に今まで通りというか……とりあえず、最初の一歩は踏み出したし、この先もただひたすら前進あるのみ、みたいな感じかな」

――ブラック・ミディの曲はどの曲も展開が目まぐるしくて、ひとつの曲の中にいくつもの曲が折り畳まれているかのようにバンド・アンサンブルは複雑に変化していきます。一体どのようなプロセスをへていまのスタイルにたどり着いたのか、とても興味があります。

モーガン「ただ、始終面白い曲にしようってことは心がけてたね。インスト部分の面白さにしても、サウンド的な面白さにしても、ペダル使いだとかドラムの演奏だとか、楽器の扱い方っていうところにしろ。あとは曲の構成なんかもそうだし、1曲の中でいくつものセクションに分かれてたりして……曲の構成とか結構重要だよね。曲の構成が普通じゃないと、聴いて『おっ』ってなるじゃん。実際、フランク・ザッパとか、キャプテン・ビーフハートとか、これもよく引き合いに出されるんだけど、曲を聴いているうちに同じ曲の中でまた新たな展開が開けていったりするからね。そのときそのときで生まれる波を毎回確実に捉えていくってことかなあ……曲が行きたい方向にスムーズに流れていけるようにね。自分がちょっとでも気にかけてることがあったら、とりあえず全部叩き台に上げてみる。と同時に、何も考えずに、思いつくままやっていて、そこから何か面白い展開が起きないかなってノリもあるよね。なんか、そうやって自然な流れに乗っかって楽しんじゃえるとこがある意味、自分達の才能と言えば才能なのかもしれない」

マット「うん、自分もまさに同じことを言おうとしてた。自分たちにとって面白いかどうかが一番重要なんで。自分がいままさに鳴らしてる音に自分自身がコネクトして一体化することを目標としてる……だから、正直、他人の意見っていうのは、そんなに関係ないっていうか、あくまでも自分たちのためにやってることなんで。ただ、アルバムとライヴは違うんだってことは意識してたよね。ライヴで4人だけで音を出すとどうしても限界があるけど、スタジオならいくらでも音を重ねたり、たくさん機材を使ったりできるからね。その一方で、スタジオだとライヴのエネルギーを音に還元するのが難しかったりする面もあるんだけどね。だから、スタジオとライヴを切り離して考えた方が、意識が切り替わって新鮮で楽しいってこともあるし」

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