食パンのグリホサート残留調査(農民連食品分析センター)

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7:Pasco超熟
消費期限:2019.3.30/食パン/記載なし/
敷島製パン株式会社(Pasco)
/0.07/検出せず

8:Pasco超熟 国産小麦
消費期限:2019.3.28/食パン/国産/
敷島製パン株式会社(Pasco)
/検出せず/検出せず

9:本仕込み
消費期限:2019.4/1 /DZ/食パン/不明/
フジパン株式会社
https://www.fujipan.co.jp/
/0.07/検出せず

10:朝からさっくり食パン
消費期限:2019.3.29/食パン/不明/
株式会社神戸屋
/0.08/痕跡

11:パン 国産小麦
消費期限:-/食パン/国産/
まるまぱん
/検出せず/検出せず

12/有機食パン
消費期限:2019.4.10/食パン/記載なし/
有限会社ザクセンW(東都生協取り扱い)
/検出せず/検出せず

13/十勝小麦の食パン
消費期限:2019.4.10/食パン/国産(北海道/十勝)/
有限会社ザクセンW(東都生協取り扱い)
/検出せず/検出せず

14/アンパンマンのミニスナック
消費期限:2019.4.1/KD/菓子パン/記載なし/
フジパン株式会社
/0.05/検出せず

15/アンパンマンのミニスナックバナナ
消費期限:2019.4.2KQ/菓子パン/記載なし/
フジパン株式会社
/痕跡/検出せず

※裏面表示画像は元記事にて
「食パンのグリホサート残留調査」2019年4月12日『農民連食品分析センター』
https://earlybirds.ddo.jp/bunseki/report/agr/glyphosate/wheat_bread_1st/index.html

考察と補足

・グリホサートは、検査を実施した15製品中、11製品から検出されました(定量下限値以上が10製品、定量下限以下、検出限界以上が1製品)。グリホサート代謝物AMPAは、1製品で痕跡の結果となりました。

・全粒粉を使用している4製品で、グリホサートの数値が高い傾向が見られます。これは、前回の小麦粉製品の調査でも示されているように、プレハーベスト処理の影響を大きく受ける外皮側に近い部分を含む全粒粉を使用すると、完成製品中の残留値が高くなることを示していると考えられます。

・国産小麦を使用している製品すべてで、グリホサートは検出されませんでした。これは、国内では、グリホサートによるプレハーベスト処理が行われていないためと考えられます。グリホサートの摂取が気になる場合は、現状なら、国産小麦を選択することで対応ができると言えるでしょう。

・12番は、JAS有機認証を取得した小麦粉で製造された食パンです。小麦粉の産地については記載がありませんでしたので、国内産小麦か、JAS有機を取得した輸入小麦を使用したかについては、確認ができていません。

・大手メーカーの製品からの検出が目立つように見えますが、大手メーカーがグリホサートの残留する小麦をあえて選んで生産していると言うことではなく、輸入小麦で製品を作るかぎり、大手でも個人経営店でも傾向は変わらないと考えられます。

・日本の食品衛生法のグリホサートの残留基準値*1 には、パンに基準は設けられていません。このため、まず一律基準の0.01ppmを当てはめて検出値を考えることになります。この場合、いくつかの検体では、超過に相当することになりますが、実際には、それぞれの製品の加工係数を考慮し、原材料の小麦に戻した場合、小麦の基準値を超過するかどうかで判断を行います。小麦から小麦粉、パンへの加工係数は、小さいと考えられるうえ、小麦の基準値自体が30ppmという、大幅緩和(平成29年厚生労働省告示第361号/2018年12月25日公布*2 )によって、大きな数字が設定されているため、加工係数を大きめに考慮したとしても、今回の結果からは、基準値を超過する小麦を使用して製造された製品があった可能性は低いと考えられます。よって、検出が認められた試料は、いずれも食品衛生法上の判断では、問題はなく安全であると評価される仕組みにあります。

*1:「残留農薬基準値検索システム」『公益財団法人 日本食品化学研究振興財団』
http://db.ffcr.or.jp/front/

*2:「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について」『厚生労働省』
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/1225-2.pdf

・参考までに、玄米のグリホサートの残留基準値は、0.01ppmとなっています。この基準値と今回の結果を比較すると、小麦と玄米の基準値の差に不安を感じてしまうかもしれません。なお、残留基準値は、食品衛生法上で、流通および食べられるかどうかの適正性を判断する基準ではありますが、その設定の仕組みとしては、生産現場での効果のある使用を満たせるかを、基準にして、ADIや摂食量、などを加味して策定されていくものです。小麦では、30ppmという基準値が設定されていますが、このぐらいの残留を見越した使用が、生産には必要であるという現場から求められた結果の数字であるとも言えます。おそらく、プレハーベスト処理を行いたいという生産現場からのニーズが、反映されたうえで設定されている数字なのではないでしょうか。一方、玄米では、0.01ppmという小麦に比べ小さい数字が設定されているのは、米の生産において、それほどの残留を見越したグリホサートは必要ないことを示しているとも言えます。

・日本の、小麦の自給率は14%ほどで、その多くをアメリカ、カナダに依存しており、私たちの身の回りにある小麦製品の多くは、そうした国で生産した小麦によってまかなわれていることになります。米よりパンへの支出が増えている世帯があることが報告されており、このような世帯では、グリホサートを経口摂取する機会と量が増えると考えられます。
裁判で発がんに影響したと判決がだされたケースでは、散布による高濃度なグリホサート暴露による影響が基点になっています。この人体影響についての判断と、今回の検査結果とを合わせて見ることは難しい条件があると考えられますが、そうであったとしても、パンで検出されたような小さい濃度のものを、恒常的に食品として摂取したときの人体への影響については、今後、より研究とメーカーなどから情報提供が進められることを期待したいです。

・今後、菓子パン、市販のビール製品、学校給食パンの調査などを進めていく計画です。調査には、調査研究資金とサンプル収集に支援が必要です。みなさんからの研究募金などの支援をお願いいたします。

修正履歴

2019/04/15  一部、製品重量についてのメモが書きが残ったままになっていた部分を修正しました。

2019/09/07 関連リンクのリンク先ミスがありましたので修正をしました。また、NHKニュースの小麦関連製品値上げに関するニュース記事が、リンク切れしたため、日本経済新聞の同様の記事を関連リンクとして加えました。

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寄稿

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