「HOYA MW10 HiKARI」を使った広島平和記念資料館の観覧イベントレポート
8 月 24 ~ 25 日に広島で開催された、夜盲症の方のための暗所視支援メガネ「HOYA MW10 HiKARI」の体験イベントに参加してきました。
本記事では、イベント内容や MW10 が暗い屋内での展示物見学においてどのくらい役立つのかを一人の MW10 ユーザーとしてレポートします。
本イベントは、広島市視覚障害者情報センターと MW10 の販売元である HOYA が主催し、「MW10 を使って平和記念資料館を観覧しよう」という目的で開催されました。
私は MW10 を購入してからずっと、MW10 の価値を見出すには体験会といっても実生活の中で使用すべきだと考えており、その意味において、今回の広島イベントは限りなく実生活に近い使用環境に身をおくわけですから、MW10 を試すには絶好の機会だったと評価しています。
こうしたイベントが全国各地で開かれるようになると、たとえそれがたった一日限りの体験イベントだったとしても、夜盲症の当事者は限られた時間の中で効果的に MW10 の実力を把握することができ、体験者のクチコミなどもあって MW10 の認知度アップに大きく貢献すると思いました。
今回のイベントは広島の団体が主催したので、イベント会場は広島平和記念資料館でしたが、同館は一般の美術館や博物館、他の展示施設と作りが似たり寄ったりなので、本記事で紹介している感想等は他の施設の場合でも通ずる部分が多いと思います。
また、例えば「かねてより見学してみたい施設が近くにあるけど、暗いから尻込みする」、こんな懸念を抱く施設が付近にあったとして、MW10 を使えばどう見えるのかを予測するには本記事の内容は参考になるかもしれません。
それではこれより平和記念資料館の中で MW10 を使用した感想をお伝えします。
まずはじめに、MW10 を使っていない時の私の見え方をお示しします。
平和記念資料館へ行かれたことのある方ならお分かりと思いますが、館内には照明が少なく、照明といっても間接照明やスポットライトが殆どでした。
照明が直接当たった展示物は私の目でもある程度視認できましたが、見えるのは一部の展示物だけで、館内の構造や人の量などは周囲が暗くて殆ど見えず、一人で館内を縦横無尽に歩き回ることは到底不可能。
そういう感覚です。
上で説明したような見え方の私が MW10 を使うとどうなったでしょう。
肉眼ではうっすらと明るく見える展示物がスマホ画面を見ているかのごとく明るく見え、展示物だけでなく、展示物の置かれた台や展示物を覆っている透明ケース、館内の壁や柱など、より多くの物が見えるようになりました。
意外で自分でもびっくりしたのが館内を巡っている他の来場者の姿や様子もある程度見えたことです。
肉眼だと館内はとても暗いので、他の来場者は暗がりと同化して殆ど見えませんでしたが、MW10 を使うと私の前を歩いている人の後ろ姿や服装、それが男性なのか女性なのか、大人なのか子供なのか、若者なのか年配なのか、一体どのくらいの人がいるのか、といったことも大体分かりました。
それはまるで、照明が多くて私でもある程度普通に身動きをとれるデパートやショッピングモール内を歩いているのに近い感覚で平和資料館内を巡ることができました。
今回の体験イベントを通じて、広島平和記念資料館のような屋内展示施設では MW10 の威力は絶大なものでした。
展示物を自分の目で見て知識や情報を得たり、何かを感じる。
そうした日常のよくある一コマをより充実したものにしてくれるのが MW10 です。
ここまで MW10 をべた褒めしていますが、MW10 をもってしても上手くいかないことがありました。
それは、館内を単独で歩き回ったり、晴れた日の昼間に外を散策するかのごとく素早く周囲を認識することができなかったことです。
こう思ったのは私の視力が低かったり視野が狭いなど、元々の目のスペックが低いことが主な要因なので、MW10 の性能が足りないとかそういうことではありません。
私の目だとここまでが限界といった感じです。
Source : HOYA MW10 HiKARI 公式 HP、広島市視覚障害者情報センター
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