村まるごと美しい廃墟!ドイツにある旧ソ連軍の基地「フォーゲルザング村」

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ドイツ旅行と言えばベルリンの壁に、美しいお城や教会、ドイツビールにソーセージ……。今回ご紹介する「フォーゲルザング村」は、そんな王道の観光地からはかなり外れた、ガイドブックには絶対に載っていない少々マニアックな場所です。

一言で言うと廃墟がある村なのですが、人目を避けるかのように森の奥にひっそりと眠る建物は、ある意味フォトジェニック。廃墟に興味が無い方も、この記事を読むとちょっと行きたくなるかもしれませんよ!
■補足事項
現地の人によると、この廃墟は取り壊しが決定しています。立入禁止などの看板は見かけませんでしたが、壊れた建物が多いので、建物内部へ入る際には充分に注意をし、観光は自己責任でお願いします。

 

森に囲まれたフォーゲルザング村の廃墟とは

photo by SHIHO

フォーゲルザング村はドイツの首都・ベルリンから北へ約65kmの場所に位置します。

この村には森の中に隠して造られた、旧ソ連軍の「フォーゲルサング軍事訓練所」の跡地があります。訓練所がいつ造られたか、正式な文献は見つかりませんでしたが、大体1946年頃と言われています。

その規模は大きく、当時は15,000人もの人が住んでいたそうで、軍事施設以外にも商店や娯楽施設、病院や学校もあり、一つの小さな村だったと言います。

現在はそこに住む人はおらず、森の中に村ごと打ち捨てられた広大な規模の廃墟となっています。

 

ベルリンからフォーゲルザング軍事訓練所までのちょっと楽しい道のり

photo by SHIHO

ベルリンからフォーゲルザング村までは電車で約1時間20分。電車は1時間に1本しかない上に、降りる駅の前で「降車ボタンを押す」という、電車なのにバスのような変わったシステムです。

もちろん、ドイツの一般的な電車は日本と同じように毎回駅で停車するので、この時点でかなり田舎へ向かっているであろうことがわかりますね。

フォーゲルザング駅は完全な無人駅なので、電車の切符は車掌さんに渡します。

photo by SHIHO

駅からはひたすら森に向かって歩きます。訪れたのは2月で、まだ寒い時期だったため、雪も少し残っていました。

車も人もいなく、木の葉や雪を踏む音しか聴こえない静寂な森は、これこそ私のイメージする「ドイツの森」だなぁと感じました。

村の名前である「フォーゲルザング(Vogel sang)」は「鳥の歌」という意味。冬だったせいか鳥の鳴き声はあまり耳にしませんでしたが、春や夏には多くの鳥が歌ってそうですね。

 

森の奥にひっそりと佇むレーニンの壁画

photo by SHIHO

森の中をどんどん歩くと、ちらほらと廃墟となった建物が現れます。さらに奥へと進むと、突如現れるロシアの革命家・レーニンの壁画!

現代社会においてロシア外でのレーニンの印象は悪いため、こういった壁画がロシア国外で見られることはほとんどなく、非常に貴重です。廃墟マニアはテンション上がること間違いなし。

photo by SHIHO

レーニンの壁画の横には、ここがかつて軍事基地であったことを象徴するような兵士の絵と共に、共産党のシンボルマークである鎌と槌(つち)と赤い星が描かれています。

壁画にある文字は読むことはできませんが、ロシアで現在も使われているキリル文字というもの。

photo by SHIHO

廃墟の中に落ちていたこちらの看板もキリル文字。あとでロシア人に聞いてみたところ「兵士達へ。食堂の食器を持ち出すことは、固く禁じています」という内容でした。

この看板があった建物はかつて食堂だったそう。文字が分かると当時の生活がよりリアルに感じられますね。

広大な集落がまるごと廃墟!時が止まった美しい建物たち

屋根の形が珍しい当時のカフェ photo by SHIHO

レーニンの壁画からさらに進むと、ガラスが割れたり落書きされた、多くの廃屋が点在しています。

photo by SHIHO

こちらはかつての劇場跡。観劇などで盛り上がっていたのでしょうか。

photo by SHIHO

学校もあり、壁には可愛らしい絵が描かれています。

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バスケットゴールが残る立派な体育館もありました。

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また別の建物にあったのは、真っ赤な壁紙が少し怖い、小さな部屋。赤色は共産党のシンボルカラーでもあります。

photo by SHIHO

この部屋には、爆弾や核兵器を思わせるような、物騒な雰囲気のイラストが描かれた看板が落ちていました。

photo by SHIHO

崩れた屋根の隙間から降り注ぐ光が、神秘的な雰囲気をつくる屋根裏部屋。

photo by SHIHO

森の奥には映画に出てきそうな、レンガ造りのかわいい家も。

photo by SHIHO

屋内はボロボロですが、廃墟好きにとってはこの建物がだんだんと苔が生えていく感じがまた萌えポイント。集落の中には、室内の壁に当時のイラストが残る建物もいくつかありました。

photo by SHIHO

年代を感じる、レトロな雰囲気の猫とねずみのイラストは、一周回って何だかオシャレ。

photo by SHIHO

ロシアの民族衣装を着て楽器を演奏する人々の絵は、当時の面影を残しています。

photo by SHIHO

この夜空のようなイラストは、正面からは分かりませんが、よく見ると絵の部分だけ立体的に盛り上げて描かれています。

photo by SHIHO

かなり凝った装飾です。

photo by SHIHO

これは管制塔でしょうか。

photo by SHIHO

天井の高く、ほとんど骨組みだけの簡素な造りの倉庫のような建物も見られます。

photo by SHIHO

帰り道は、雪が固まってアイスバーンになっていたため、歩く時に非常に気をつけて歩かなければなりませんでした。訪れる時期は雪が積もっていない春から秋がおすすめです。

 

田舎すぎる!電車の乗り方がバスと同じ

photo by SHIHO

フォーゲルザング駅で降車する場合、降りる手前で降車ボタンを押さないと電車が止まりません。逆に、駅から乗る場合はどうするのかというと、なんと、手を挙げて電車を止めるんです!

駅に着いたのは16時くらいでしたが、電車は1時間に1本しかなく、駅の街灯もほとんどありません。

冬場で日が落ちるのも早く、電車が来る時間帯は暗くなり、手を挙げても見えないのではないかと心配になりました。

 

そこで、ちょうどベルリン方面から来た電車の車掌さんに、次に来るベルリン行きの電車に乗りたいという旨を伝えてみたところ、無線で連絡を取ってくれたのか、手を挙げなくても電車はちゃんと駅で停まり、無事に乗車することができました。

日本の田舎でも乗客の有無に関わらず、駅に電車が停まるためには乗客がいないといけないというところがまた大変であり、面白くもあります。

 

フォーゲルザング軍事訓練所の詳細情報

photo by SHIHO

「フォーゲルザング(Vogelsang)」は、同じ名前の町がドイツ国内にいくつかあるようなので注意が必要です。

 

フォーゲルザング軍事訓練所へのアクセス方法

フォーゲルザング村へはベルリンから電車で約1時間20分。ベルリン等ドイツ市内から電車でTemplin行き「Vogelsang(Gransee)」駅下車します。

フォーゲルザング駅には券売機がないので、あらかじめ往復で買っておくか、忘れた場合は車内でも購入できます。往復共に電車は1時間に1本なので、帰りの時間帯は決めておいた方がいいかもしれません。

 

ちなみに私は9:47出発、16:46の電車で帰ってきました(帰りは時刻表を確認していなかったため、40分ほど電車を待ちました)。電車の時刻表はドイツ鉄道ホームページで確認できます。

フォーゲルザング駅から軍事訓練所までは、徒歩で片道約40分です。
■詳細情報
・名称:フォーゲルザング軍事訓練所(Vogelsang Military Training Area)
・住所:Vogelsang, 16792 Zehdenick, Oberhavel, Brandenburg
・地図:

・オススメの時期:春~夏

 

フォーゲルザング軍事訓練所へ行く際の注意事項

photo by SHIHO

訓練所には人通りが全く無いので、絶対に一人では行かないようにして下さい。駅からも遠いので、暗くなる前に帰りましょう。さらに、フォーゲルザング村には飲食店などは見当たりませんでした。飲料水や食べ物は予め用意しておくのが良さそうです。

そして、建物は取り壊されることが決定しているそうなので、この記事に掲載している建物がずっとあるとは限りません。ご了承下さい。

 

廃墟好き必見!フォーゲルザング軍事訓練所

photo by SHIHO

フォーゲルザング軍事訓練所は、廃墟好きにはぜひおすすめしたい場所の一つです。そもそもドイツ在住の友人が教えてくれた場所なので、地元の人しか知らないどころか、地元の「廃墟好きしか知らない」というくらいのマニアックな場所。

当初「森の中に秘密裏に造られた軍事施設」と聞いていたのですが、思っていたよりも広大でした。こんなに規模が大きいと、当時も周囲にバレバレだったのでは?と思わずにはいられません。

美しいドイツの森も散策できるので、廃墟好きでなくとも、ガイドブックにある王道観光地ばかり巡るのも飽きたな~という方にもおすすめです。

ひょっとするとこの地をきっかけに、廃墟の良さに目覚めてしまうかもしれませんよ。

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