昨今話題の後付けできる『踏み間違い事故防止装置』の気になるアレコレを販売店に聞いてきた
オートバックスが販売する急発進防止装置「ペダルの見張り番」(左)と「ペダルの見張り番II」(右)。先日、小池都知事がA PIT オートバックス東雲店を訪れてその実力を体験したことでも話題になった
相次ぐ高齢者の事故で問い合わせが殺到中
高齢者によるアクセルとブレーキの踏み間違い事故が相次いでいる。軽自動車にもいわゆる自動ブレーキ機能が標準装備されるようになったとはいえ、まだまだ街を走る多くの車に備わっていないのが実情だ。
そんな最新安全機能を搭載していない古い車でも、踏み間違いによる事故を防ぐ後付け可能な装置が人気を集めている。そのひとつがオートバックスで販売されている「ペダルの見張り番」と「ペダルの見張り番II」だ。
お話を伺ったのは、オートバックスセブンのIR・広報部、鈴木政和さん。小池都知事の訪問がニュースに流れて依頼、各所から問い合わせが絶えないという
――「ペダルの見張り番」と「ペダルの見張り番II」の違いはなんですか?
鈴木さん:2016年から販売している「ペダルの見張り番」は、最もベーシックな急発進防止機能を備えたタイプです。そこに機能キャンセルボタンを追加したのが、2019年から発売を始めた「ペダルの見張り番II」です。
――機能キャンセルボタンを追加した理由は?
鈴木さん:例えば側道から大きな通りへ合流したいときや坂道を上るときなど、10km/h未満からでもアクセルを踏み込みたい場合もあるでしょう。こういう場合は踏み間違いではなく「意思をもって」踏み込むわけです。その意思を、いわば「ペダル見張り番II」に伝えるようにキャンセルボタンを押すことで、装置のない車同様に加速させることができます。
――キャンセルボタンを押すと、ずっと機能がストップしたまま?
鈴木さん:いえ、1回押してアクセルを操作したら、急発進防止機能はすぐに復旧します。ですからドライバーとしては「踏み込みたい」と思うたびにボタンを押す必要があります。つまり踏み込みたい意思がないときは装置が急発進を防いでくれます。
――対応する車種はどれくらいありますか?
鈴木さん:現在210車種以上に対応しています。いずれもアクセル操作を電子制御で行う車で、クラシックカーなどワイヤー式制御の古い車には対応していません。また輸入車はアクセルのセンサーの仕組みが日本車と異なるため、やはり対応していません。
――価格はおいくらなのでしょう?
鈴木さん:いずれも取り付け工賃込みで、「ペダルの見張り番」が3万円+消費税、「ペダルの見張り番II」が4万円+消費税です。
――取り付け作業はどれくらいかかりますか?
鈴木さん:製品の使い方のご説明と取り付け作業を合わせて、約2時間とお考えください。
――店頭で購入してレジでお願いすればいいのですか?
鈴木さん:オートバックスでは、取り付け作業の予約が必要になります。購入の際、店頭取り付け作業の予約をすることができます。また車種によって取り付け部品が異なるのですが、人気車種の場合は欠品していることもあります。その場合、入荷後の作業となります。
――この装置を付けたまま車検は通りますか?
鈴木さん:はい、何も問題なく。車検対応です。
――購入後しばらくして別の車に乗り替えたくなったら、取り付けた車から外して取り付けることはできますか?
鈴木さん:はい、大丈夫です。その際は車種に合わせたハーネス(配線)が必要となるため、店舗で適合の確認などが必要です。
――この装置が備わっている中古車を探したい場合、見た目で分かりますか?
鈴木さん:残念ながら装置自体はスッキリ隠すので、見た目では装着しているかどうかは分かりません。「ペダルの見張り番II」はキャンセルボタンがどこかにありますが、ボタン自体小さいので……。
先述したように、今や軽自動車にも先進安全機能が備わる時代。そのため、いずれは後付け装置が不要になるだろう。これは、そのときまで手軽に安全を守る装置といえる。
それに好みの車が中古車にしかないという人だってたくさんいるはずだ。東京都ではこの装置を含む踏み間違い防止の後付け装置の補助金制度を検討しているが、施行までもう少し時間がかかりそう。
待っている間に事故を起こしてしまったら元も子もない。お気に入りの愛車や、高齢のご両親の車にすぐにでも装着してみてはいかがだろう。
文/ぴえいる、写真/篠原晃一
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