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政策オーディション その4「日本におけるオープンガバメントの推進についてー予算執行の情報公開ー」

新しい霞ヶ関を創る若手の会(NPO法人プロジェクトK)

日本におけるオープンガバメントの推進について(資料)

予算執行における行政の課題について
従来の行政機関の予算の場合、予算要求を行なうことが行政官にとって最も時間と労力を費やしてきた仕事です。予算を拡大して行くことが行政官にとって人事評価やポストへ反映し、予算を拡大することにインセンティブが働く仕組みになっています。行政は一般的に縦割りで各行政官は予算を拡大して行こうとするところにインセンティブがあります。かつての高度経済成長時代であれば一般の国民にとって、国民生活の質をあげるということと予算の拡大ということは、パイが増えて行くことで一致していたため良い時代でした。しかし、昨今においても予算自体の規模が縮小している中で行政官は相変わらず予算を拡張させようとし続ける状態が続いています。
予算の拡大にインセンティブが働いている状態で、一方では予算を削減しなくてはならない。そこで、予算を要求する側は、予算を削減しづらい政策と一緒に予算要求を行います。たとえば復興関連予算とかの理屈付けのなかで別途で予算要求をしたり、有力な政治家の後ろ盾をもって予算要求をしてみる。あるいは、総務省の行政評価局がこういう評価をしているのでこういう予算付けをしなくてはならないといった評価を逆手に取った形で予算要求をする。こういう形で予算を減らされない努力をしてきているのが現状だと思います。
要求した予算に対して財務省の主計局が査定をして削って行くわけですが、各省がいろいろな勉強をして予算を要求している中で財務省は査定しなくてはならないのですが、マンパワー的にも中身を勉強している度合いによっても濃さが違っていて、結局なにが国民にとって必要な政策、質が高い政策なのか、査定する側も本当の必要性が難しくてわからない。そのため、結局シーリングであったり、今まで要求してきたものを通すのであれば削減しますといったスクラップアンドビルドをとったりという形でしか予算削減することが難しくなってきています。
予算要求に対して予算を執行した後どうなのかというと、これまで予算要求自体にインセンティブが働いてきていたため、執行がどうだったかということが放置されているままであったりします。例えば国会でも「予算委員会」は花形で注目されますが「決算委員会」は注目されなかったりします。
それを監視、審査する機関としては会計検査院があります。会計検査院にしても各省がいろいろな予算要求を行なってきているものを、現マンパワーをもって全てを査定し続けるというのはなかなか難しい。
何が問題か?それは、予算を要求することにインセンティブが働いている現状の制度が問題です。予算を詰め込むインプットベースの制度が問題何か、そして予算をどのように使ったか?ということに頭を切り替える必要がある。実際に予算がいくら付いても、国民生活の質や、政策の質が上がらなければ意味が無い話であり、実際に予算がどう使われたかに関して関心を持つアウトプットベースの政策に切り替えて行くことが必要だと思います。
我々行政官はなぜ最初からそうしないかと言うと、我々としては一生懸命仕事はしているのですが、現在の制度は予算要求にインセンティブが置かれるインプットベースの制度となっており、。これをアウトプットベースの制度にすれば我々行政官はより政策の質の向上のために仕事ができるようになると考えます。我々は今の制度の中で頑張ると、予算を要求するという方向にどうしても進んでしまっているという現状が問題なんだと思います。

インプットベースの行政からアウトプットベースの行政へ向けて方向転換をするのであればどのような具体的な政策、対策を考えれば良いかというのを我々検討しました。そのことについて簡単にご説明します。
我々は「オープンガバメント」を提案します。「オープンガバメント」とは、行政の持つ情報を広く公開してそれを国民がいつでもどこでも自由にチェックすることが出来るいわゆる「国民参加」といった考えが元になります。それらを同時に担保するということが重要になります。アウトプットベースへの転換ということでは、日本でもすでに取り組みがあります。
行政刷新会議で行政事業レビュー、行政刷新会議自体は事業仕分けで非常に有名になりましたが日本の事業を5000ほどに分けてその事業を評価するといったものが行政事業レビューというものです。これは公開プロセスといったプロセスもあってそれ自体は国民に開かれた形で議論がされている。また文科省では教育の施策を中心にインターネットを活用して国民的な議論、これを熟議と呼んでいますが「熟議カケアイ」と言った形でメディアを通じた国民的議論を醸成する取り組み。それから経産省にも熟議カケアイの元になっている、「アイデアボックス」といって独自の施策に関する意見募集や意見交換を行なう取り組みがあります。あとは外務省やJICAが行なっている政府開発援助に関して、ODAの見える化、といった取り組みが具体的にはあげられます。オープンガバメントとは政府を開くことが重要になるわけですが、そのツールとして非常に普及してきているインターネットを活用してゆくというわけです。
既存の枠組みの中で活用出来るものがあるのではないかといったことを考えた上で、一番最初に申し上げた「行政事業レビュー」をインターネット上で「レビューシート」といった様式に落とし込む形で公表しています。我々はそれを深化させるといった形でこのオープンガバメントの実現に資することを考えました。次のページに行きます。この行政事業レビューですが我々行政官にとってもこのような取り組みは、始まるまでは前代未聞で、事業を見直したり、事業の効果を検証したりといった所では非常に効果があったのですけれども、それを深化させることで、より目指すべきオープンガバメントに近づけることを考えました。行政事業レビューによる効果ですけれども、それは国で実施されている事業の契約状況やお金の使い方をインターネットベースでオープンにしたということです。その資金の流れとかも丸投げしているのではないかとの議論もあるのですが、その資金の流れもレビューシートで追いかけられるようにしました。場合によってはインプットベース、職員が予算を取るためにインセンティブがあるわけでそこに労力をかけていた部分があり、まことに恥ずかしながらその部分にのみ力が入っているせいで執行状況がしっかり理解されていないといことが分かりました。業務のあり方に対して疑問を呈してそのやり方を改める、というスキームを導入したということが行政事業レビューの一つの大きな効果といって良いと思います。今後の課題として行政事業レビューは事業単体の予算の流れについて書いているのですが、民間企業で事業の効果やパフォーマンスを出すためにそこにかかる人件費だとか、我々役人のなかでは庁費と呼んでいますが、いわゆる事務経費のようなものが全て計上されているわけではない。トータルの事業費が国の予算と合致しない問題点があります。また、レビューシートは公表されている状況になっているわけですが、それがPDFの形式になっていて二次的分析だとかデータを加工する、事業の善し悪しの検証というのがなかなか難しいという状況になっています。我々政策評価というので政策の善し悪しというのを評価されているわけですが、そことの関連性がレビューシートだけでは不明瞭という状況になっています。我々は翌年度の予算を要求してゆくということなんですが、その際に生データを公開するという形を取ることによって全省庁で統一的なシステムを作る。それが皆さんに情報公開し、国民の参加をもっと盛り上げていくというオープンガバメントを実現するために、それが一番重要なことだと考えています。データをオープンにした上でその出口、アウトプット、その部分に行政官の視点を向けさせる。その部分でパフォーマンスを評価するという形に持って行く。それが投入資源に対する政策効果としっかり関連付けることで行政官の目をそち
らに向けさせることが必要だと思います。経産省等でもやっているインターネットベースで議論する「アイデアボックス」を活用することによってレビューシートの評価だとか事業そのものの改善と言ったものを国民的に議論していただく、そういった機会を実現するような企画をやりたいと考えています。

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