底辺の経済論:徴兵制度はニート問題を解決できるか問題(ブロガーひとり会議:だいじんのブロマガ)
今回はだいじんさんのブログ『ブロガーひとり会議:だいじんのブロマガ』からご寄稿いただきました。
底辺の経済論:徴兵制度はニート問題を解決できるか問題(ブロガーひとり会議:だいじんのブロマガ)
割とネット界隈を中心に「徴兵性になれば自衛隊の人手不足もニートも解決できて一石二鳥」みたいな意見が出される。
さて、本当にそうなのか?
ここでは「だって当たり前じゃん」というイメージだけでは論じない。
以前の記事でも書いたように「ホームレス直前の雇用形態は実は『正社員』」みたいなことだってありえるのが実態経済なのです。
各国のニート率について
出典:ニート比率の国際比較をグラフ化してみる(最新)ガベージニュースより
「ニート比率の国際比較をグラフ化してみる(最新)」2019年2月14日『ガベージニュース』
http://www.garbagenews.net/archives/2399936.html
あれ、韓国なくね?と、思ったので韓国のニート率を外部ニュースから引用
韓国でも5人に1人がニート、悪いのは社会だ :四角い世界を丸くするより
「韓国でも5人に1人がニート、悪いのは社会だ」2017年10月14日『四角い世界を丸くする』
http://shikaku-maru.com/news/they-donot-want-be-neet/
韓国の場合、25~29歳のニートの割合は22.8%とのこと。
日本も7人に1人がニートって、それはない気がするが、実数値ではなく「海外との比較」においては十分参考になりえる数値だと思う。
(例えば、就職する気の「あるなし」も含めたりすると、色々と数値は変わる)
年齢については「15~24歳」はまぁ、「就職に苦労してるんだなぁ感」があるので、ちょっとさすがに年齢考えると……な「25~29歳」を選択した。
(上位国は、他年齢もそんなに変動ないけど)
ついでにいえば、25~29歳でいえば、徴兵制度がある国においては、徴兵経験がある年齢帯となる。
もし徴兵が働く機会を与えて問題を解決するのであれば、この年代のニート率は徴兵制のある国で優位に低くなるはず、と仮説を立てた。
徴兵制とニート率の相関性について
25~29歳そろそろニートはやばいだろ人口比率20%以上を、上位国と認定すると下記の通り。
そして、それぞれ上位国と徴兵制の有無について調べる。
ギリシャ(徴兵制あり)
トルコ(徴兵制あり、良心的拒否も禁止)
イタリア(徴兵制なし)
メキシコ(徴兵制あり)
スペイン(徴兵制なし)
スロバキア(徴兵制なし)
韓国(徴兵制あり)
フランス(徴兵制なし)
結果は、5分5分。
徴兵制度はニート解決には関係がないようだ。
では、志願制の場合はどうなのだろうか。
アメリカ:退役軍人のホームレス問題
割と世界中で戦争しているアメリカで、退役軍人のホームレス問題が良くニュースになっている。
アメリカのホームレス 4人に1人が退役軍人(2007年の記事)
「アメリカのホームレス 4人に1人が退役軍人」2007年11月12日『エコノミスト*練習ちょう』
http://econotes.cocolog-nifty.com/syugyo/2007/11/41_ffbb.html
イラク戦争とかアフガン戦争の終結後辺りね。
アメリカ退役軍人省によると、2013年1月のある1晩だけで、57,849人のホームレスの退役軍人*1 が路上に寝ていた。
「彼らはかつて英雄だった」ホームレスになった退役軍人たちの肖像(画像集)*2(2014年の記事)
*1:「Office of Public and Intergovernmental Affairs」『VA.gov』
https://www.va.gov/opa/pressrel/pressrelease.cfm?id=2499
*2:「「彼らはかつて英雄だった」ホームレスになった退役軍人たちの肖像(画像集)」2014年06月17日『HUFFPOST』
https://www.huffingtonpost.jp/2014/06/16/they-may-have-been-heroes_n_5498326.html
とのこと。
割と現在も根深い問題になっている。
また、あくまでアメリカの調査結果のため、他国では不明。
以前、ホームレスの雇用形態*3 について自分の記事で書いたが、その資料に「自衛官」という項目もなかったため、日本ではそういう事態が発生していないと思われる。
*3:「底辺の経済論:ホームレス直前の雇用形態は正社員!調査結果から」2019年2月17日『ブロガーひとり会議:だいじんのブロマガ』
https://ch.nicovideo.jp/daij1n/blomaga/ar1732535
とはいえ、少なくとも「徴兵を失業などの雇用問題の解決策として提示するのは安直」とだけは言える。
経済は本当に実態を見ずにイメージだけで語られることが多い謎。
執筆者プロフィール
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執筆: この記事はだいじんさんのブログ『ブロガーひとり会議:だいじんのブロマガ』からご寄稿いただきました。
「底辺の経済論:徴兵制度はニート問題を解決できるか問題」2019年3月4日「ブロガーひとり会議:だいじんのブロマガ』」
https://ch.nicovideo.jp/daij1n/blomaga/ar1737181
寄稿いただいた記事は2019年6月28日時点のものです。
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