お家で手軽につくれる「ひとりぶんのスパイスカレー」の極意 レシピ公開
スパイスカレー、食べたことはありますか? 最近は大手カレーチェーンでもメニューに加えているようですから、カレー好きなら1度くらい試したことはある感じでしょうか。
では、スパイスカレー、家でつくったことはありますか? 「普通のジャワカレーとかディナーカレーとかなら割とつくるけど、スパイスカレーはさすがにお店で食べるものでしょ」。うんうん、わかります、スパイスの選び方とか調合とか複雑そうだし、ましていつも忙しい一人暮らしの自分なんかじゃ無理無理! と、普通は思いますよね! でも、そんなことはないのです。
そこで今回は、日本テレビ『マツコ会議』など各メディアに引っ張りだこの若きカレー研究家、印度カリー子さんが書いた、『ひとりぶんのスパイスカレー』のノウハウにそって、「スパイスカレー=面倒」の思い込みをに吹き飛ばしてしまおうと思います。明日から、あなたの“おうちカレー”の常識がひっくり返りますよ。
基本はグレイビーづくり
この本に書かれているスパイスカレーづくりの基本は、グレイビーソース。グレイビーとは本来、肉汁が入っている、デミグラスソースの親戚のようなものですが、この本では、細かくした野菜とスパイスと塩だけで炒めた、ペースト状のものをグレイビーと呼んでいます。小麦粉が使われている市販のルーに代わるものですが、これはパソコンやスマホで言うOSのようなものです。ざっくり言えば、このOSに当たるグレイビーに、肉や魚、野菜といった“アプリ”をインストールして、お好みのカレーに仕上げていくというわけです。
グレイビーのつくり方は超簡単。玉ねぎ1個、しょうが1欠片、にんにく1欠片をみじん切りにしてサラダ油で炒め、途中からトマト1個を細かく刻んだものを加え、さらにスパイスと塩を加えてさらによく炒める。手順はこれだけです。調理時間は下ごしらえも含めて30分そこそこでしょうか。
使うスパイスは3種だけ
気になるのは「スパイス3種」ですが、ここで使うのは、色付け用のターメリック、香り付け用のコリアンダーとクミンの3種類。いずれもちょっとしたスーパーで手に入るものばかりです。これらを小さじ1(5ml)ずつ加えればOK。「一体どんなレアなスパイスを使うのか」と身構えていたあなた、拍子抜けしましたか?
なお、「オレは激辛カレーしか認めねえ」という猛者の方は、この3種の上に、チリペッパーやブラックペッパーを好きなだけ加えてください。ただし、あまり入れすぎるとせっかくの薫り高いスパイスカレーの上品さが損なわれてしまう恐れがありますので、ご注意を。
上記の分量でつくったグレイビーはだいたい2人前。1人分をつくる場合は、残り半分は保冷用の容器やジップロックに入れて冷蔵庫に保存しておきましょう。冷蔵でも1週間以内なら問題ないので、突然カレーが食べたくなったらいつでも簡単につくることができます。
普通の市販のルーからつくるカレーの場合、1人だと、パッケージの都合などで4人分くらいをまとめてつくって、その後数日かけて“毎日がカレー曜日”状態になってしまいがちですよね。このグレイビーつくり置きのスタイルなら、そんなおひとりさま問題ともおさらばです。
それと、小麦粉を使わないスパイスカレーなので、糖質のとりすぎを気にしている人でも、ご飯の量さえ気をつければ安心して召し上がることができます。
ベイガンキーマに挑戦だ!【レシピ公開】
さて、グレイビーが用意できたら、いよいよ本番のカレーづくりです。
ここでは、この本で最初の実践として取り上げている、ひき肉とナスを使ったベイガンキーマのつくり方を紹介しましょう。
用意する具材は、ひき肉100グラムとナス1本を輪切りにしたもの。そしてベースとなる水分には、ヨーグルトを使います。もちろん、ベースは普通の水でも問題はありませんが、せっかくだからちょっと贅沢に行きましょう。なお、この本ではヨーグルトのほか、牛乳やココナッツミルク、生クリームもベースのバリエーションに挙げています。
まず、ひき肉をフライパンで油を敷かずに炒めます。油分は素材から出てくる油だけで対応し、肉が白っぽくなってきたら輪切りのナスを加えて、それぞれ両面を2分ずつ焼いていきます。油を余計に使わない分、素材の風味を大事にし、ヘルシーに仕上げられるというわけです。
具材に一通り火が通ったら、強火にしたまま、先につくっておいたグレイビーを1人前分(さっきつくった半分)を加え、具とグレイビーが絡まるように1分炒めます。
そしてこれに、ベースとしてヨーグルトを100ミリリットル加えます。ここでも火は強火のままで、全体を混ぜ合わせます。混ざったらフライパンにフタをして、弱火にして1〜2分煮ます。
塩加減はカレーの命
火が通ったらここで味見。ちょっと味が薄いかなと思ったら塩をひとつまみ加えます。ここの手順をおろそかにすると、今までの努力は残念な結果を迎えかねませんので、しっかり味見をしておくことが肝心だと、この本は強く指摘しています。塩はスパイスカレーにおける“第4のスパイス”といってもいいでしょう。
というわけで、味付けがうまくできたらこれでスパイスカレーは完成。いつものようにごはんにかけて召し上がるのもいいですが、たまにはインド風にナンとか、もっとお手軽にロールパンなどをつけて味わうのもよろしいかと。
ここで紹介したベイガンキーマのほか、この本では、牛や豚、鶏肉はもちろん、ゆで卵やサバ缶など様々な具材を使ったオリジナリティにあふれるスパイスカレーのレシピが多数紹介されています。しかも、どれもグレイビーさえつくり置きしてしまえばあとは短時間でつくれてしまうものばかり。ぜひ1度、おうちスパイスカレー、試してみませんか?
『ひとりぶんのスパイスカレー』
(山と溪谷社)著者:印度カリー子
定価:本体1,300円+税CONTENTS
Part1 つくりかたの基本
スパイスカレーの基本・グレイビーと、ナスとひき肉のベイガンキーマのくわしいつくりかたPart2 肉のカレー
トマトチキンカレー/卵カレー/レモンポークカレー/ビーフコルマ/ラムカレー/バターチキン、ほかPart3 野菜・豆のカレー
ひよこ豆カレー/ほうれん草とマッシュルームのカレー/ナスカレー/パンプキンカレー、ほかPart4 魚介のカレー
サバ缶カレー/シーフードカレー/ぶりのカレー/ツナ缶カレー、ほか
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(執筆者: 「山と溪谷社」の中の人) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか
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