シーズン3は“ビリー”がキーパーソンの予感! デイカー・モンゴメリー『ストレンジャー・シングス』インタビュー

access_time create folderエンタメ

昨年10月、米アトランタの撮影セットで、Netflixオリジナルシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3(7月4日より全世界同時配信)を撮影中のキャスト陣にインタビュー取材を行いました。

第4弾は、シーズン2から参加したイケメンマッショの暴れん坊、ビリー役デイカー・モンゴメリーのインタビューをお届けします。

――シーズン2で新しいキャラクターとして登場したビリーですが、新シーズンではどのような変化がありますか?

デイカー:今シーズンは出演シーンがいっぱいあるよ。ほかの登場人物たちとの交わりも増えて、いろいろな興味深い関係性が生まれる。演じるのがとても楽しいよ。まず、ビリー自体の存在感が大きくなっている。シーズン全体を通して、ビリーとイレブンの関係性も多く描かれるんだ。ミリー(・ボビー・ブラウン/イレブン役)とは前シーズンから共演しているけど、彼女は才能豊かな若い俳優で、セットに素晴らしい影響をもたらしてくれる。僕も同じような存在でありたいと、いつも思っているよ。

――名前がBから始まるキャラクターは死を迎える、というファンの間でのジンクスがありますが……。

デイカー:聞いたことがあるよ(笑)。ボブもバーバラも亡くなっているからね。

――ビリーにも当てはまるのかどうかについては……もちろん明かせませんよね?

デイカー:ノー(笑)。

――スティーブのキャラクターはシーズン2で大きく成長しましたが、ビリーにも同じような成長、または前向きな変化が訪れますか?

デイカー:最後の最後に。でも、そこにたどり着くまでに、シーズン2とは比べものにならないくらい悪い方向に振れていくよ。

――より暴力的に?

デイカー:さらに悪い方向だよ。もっとずっと邪悪で、最終的には美しい救済が待っているけど、良い方向に向く前に悪い方向に落ちまくる。シーズン終わりのエピソードは、明日から来週にかけて撮影予定なので、楽しみだね。

――前シーズンのビリーは連続殺人者のような雰囲気もあり、『レザボア・ドックス』のミスター・ブロンドや『羊たちの沈黙』のバッファロー・ビルを彷彿とさせました。役柄に人間らしさを出すために、どのようにバランスをとっているのですか?

デイカー:ダファー兄弟と僕にとって、シーズン2における究極の目標は、まさにビリーの人間味を出すことだった。僕は“善”や“悪”を演じる以前に、“人”を演じたいと思っているんだ。だから、リアルな感情を見せることを意識したよ。シーズン2の父親とのシーンでは、それが実現できたと思っている。でも今シーズンは打って変わって、とにかく悪なんだ。いい例を出してくれたけど、もっと言えば『シャイニング』におけるジャック・ニコルソンのキャラクターのように、とにかくカオスにまみれていて、暴力的で、まるで連続殺人行為に手を染めているような感じ。こういう役を演じられることは、俳優冥利に尽きるよ。とても不安定なキャラクターだけど、壮大で美しく描かれているから、演じていて、本当に楽しかった。

――イレブンとビリーの関係性が多く出てくるということですが、それは円満な関係性ということではないのですね?

デイカー:そうだね、紙やすりみたいなものだよ。シーズンを通して、ぶつかりあっている。でも最後には……美しい救済が待っているんだ。シーズン2では父親とのシーンがありつつも、悪役として定着したビリー。今シーズンは、さらなる悪が描かれるけど、その分の見返りが大きい。でも、そこに行き着くまでに、いくつものエピソードを通して、ありとあらゆるかたちで、ビリーとイレブンはぶつかり合うよ。

――そのあたりがシーズンの核となるのですか?

デイカー:どうかな? ネタバレしたくないからね(笑)。このシリーズの良いところ、そして成功している理由は、ストーリーラインが複数あるところだと思う。いろいろなキャラクターやグループがあって、登場人物ごとに、それぞれの物語があるんだ。ビリーとイレブンの物語は、興味深い多様な関係性の中のひとつに過ぎない。ダファー兄弟はチョークボードやホワイトボードいっぱいに登場人物図を描いているんだけど、どうやってこれをつなげて物語にしていくんだろうと、ときどき観察しているよ。二人は本当に素晴らしいクリエイターだと思う。

――シーズン2に出てきたビリーとカレン(マイクの母)の関係の続きを、楽しみにしているファンは多いと思いますが。

デイカー:(今シーズンは)まさに、そこから始まるよ。ビリーは、まるでメル・ギブソンのキャリア初期のイメージのようで、プレイボーイでカリスマ性があり、セックス・シンボル的なキャラクターになっているんだ。市民プールでライフガードをしていて、町のマダムたちを誘惑したりする。いろいろな面があるキャラクターだから、『アメリカン・ホラー・ストーリー』みたいに毎回違う世界や環境で、新しいキャラクターを演じることができるようで、とても面白いよ。

この投稿をInstagramで見る

SUMMER IS COMING 💥💥💥 #StrangerThings3

Stranger Thingsさん(@strangerthingstv)がシェアした投稿 –

――シーズン2で登場したビリーの外見はとても印象的でしたが、外見から役に入り込むのですか?

デイカー:いや、逆だね。もちろん、煙草、ガールズ、車、服装などは、役作りにおいて補助的な役割は果たすけど、それに頼ることはない。あくまでも内面から役作りをするなかで、外見で補う流れだよ。もちろん、セットに気になる小道具があれば、「このアイテムを使える?」「役作りに活用できるかな?」と提案することはあるけど。役作りは(胸を指して)ここからでないと、成立しないと思っているんだ。

――今シーズンが始まる前に、ダファー兄弟に特に質問したことはありますか?

デイカー:撮影1か月前の3月に、シドニーでダファー兄弟と長い話し合いをしたんだ。彼らが「ビリーをどうしたい?」と聞いてくれて、僕のほうは、「ビリーの母親について、まだ語られていない」とか、たくさんの物語のアイデアを用意したんだ。そのあと、ビリーの生い立ちのアイデアについて、Skypeでプレゼンしたりもした。僕の母がメンタルヘルスに関する仕事をしているので、いろいろな話を聞く機会があるんだけど、例えば、女性たちが人工授精によって子供を産み、その子供たちが自分たちのことを処女から生まれた神だと信じるケースが世界中にあるという話を聞いて、そういうケースを物語に入れたら面白いんじゃないか、とか。

(ダファー兄弟は)まだその要素を脚本に入れてはいないけど。入れていたとしたら、僕が全部ネタをばらしていることになっちゃうしね(笑)。ほかにも、若い俳優が12歳のビリーを演じて、母親との関係性が描かれるという、フラッシュバック・バージョンも考えたよ。こうやって、ダファー兄弟はコラボレーションに前向きで、こっちの意見も聞き入れてくれるんだ。セットでも、「これについてどう思う?」「どうしたい?」と意見を聞いてくれる。監督、脚本家、俳優という立場の間にバリアを作ることをしないんだ。そういうスペシャルなチームのなかにいられて、とても幸運に思うよ。

――デイカーさんはお若いですが、80年代との関係性はどのようなものですか?

デイカー:僕は1994年生まれなんだけど、母は1966年生まれで、ちょうど80年に14歳になった頃だから、80年代ファッションなど、当時のことをいろいろ話してくれたよ。義父はオーストラリアの音楽評論家だったので、音楽シーンのことをたくさん話してくれた。ただ、前シーズンは「80年代とは何か?」ということを常に考えていたけど、今シーズンはまったく意識していない。セットを見ればわかると思うけど、小物や背景、衣装、車などがここまで作り込まれていたら、意識して演技する必要はないんだ。たとえ80年代だって、人は人であって、いつの時代も17~18歳といえば青春期で、大人の階段を上る時期だということは変わらない。

もちろん、18~19世紀初期、60~70年代など、たくさんの年代物のコンテンツは観ているよ。父の恋人がオーストラリアの映画業界の衣装分野で働いていて、(米テレビドラマの)『エイリアニスト』を観て、「この衣装、最高だわ!」と興奮気味に話したりするんだ。そういう意味では、『ストレンジャー・シングス』チームも最高レベルの専門家チームで、最高のセットや小道具が揃っている。モール全体も、それぞれの小さなセットのディテールもみんな素晴らしい。小道具は、年代的に合うものがセットに持ち込まれるんだけど、小道具部屋に行ってみると、撮影に使われたことのない小道具も、いざというときのために机に並んでいたりするんだ。(僕みたいな)クレイジーなオーストラリアの若い俳優が使いたいかもしれないからってね(笑)。

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3 予告編(YouTube)
https://youtu.be/5bGKohuXkFg

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. シーズン3は“ビリー”がキーパーソンの予感! デイカー・モンゴメリー『ストレンジャー・シングス』インタビュー
access_time create folderエンタメ
よしだたつき

よしだたつき

PR会社出身のゆとり第一世代。 目標は「象を一撃で倒す文章の書き方」を習得することです。

TwitterID: stamina_taro

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。