ネットニュースの画像の分析結果 経済は男性ばかりで女性はエンタメに多く登場
米調査機関ピュー研究所が、大手メディアの配信するニュース記事に不随する画像を分析した結果、男性が女性よりも2倍の頻度で現れていることが分かった。
この調査では、CNN、ABCニュース、FOXニュースなど米国内17の主要報道機関が2018年の4月から6月までの3か月間に『Facebook』に投稿したニュース記事に付随する画像(記事の頭に配置されるイメージ画像など)を分析した。分析にはなるべく人種による顔識別精度に差がないよう訓練したAIを使用。画像の中から99.4%の精度で人の顔を認識し、さらにその中から95%の精度で男女の判別ができるという。
その結果、識別された5万3067人のうち、女性が33%、男性が67%を占めることが分かった。男性のみが写っている画像は53%、女性のみは22%、残りの画像は少なくとも男女とも1人以上が写り込んでいた。また、2人以上の人物が写った画像では、男性は女性よりも写り込む人数が多くなる傾向があり、男性の顔は平均的な表示サイズが女性の顔よりも10%大きかった。
記事の分類ごとに見ると、経済に関する記事では、男性のみが写っている画像が69%なのに対し、女性のみの画像はわずか9%しか使われていなかった。逆に、娯楽関連の記事では、女性のみの画像は27%で、男性のみは42%と、男女差は小さくなっていた。
経済、スポーツ、移民問題、エンタメ(テレビ、音楽、映画)の4分野ごとの分析結果では、経済分野における女性の扱いが顕著に小さい。
この研究結果は、経済やエンタメなど各分野における男女格差を如実に現したものと言えるだろう。また、情報を発信する側の構造や意識も無縁ではなさそうだ。先日、ある新聞の読者投稿欄で、一面に多く配置されるような“ハードニュース”の署名が男性記者ばかりに偏っていると指摘されていた。商業メディアである以上、消費者からの需要もあるのだろうが、少なくとも「(女の子は)頭からっぽでおバカでいい」「メイク上手ならいい」「ニュースなんか興味ない」というようなアイドルグループの歌を何の疑問も抱かずに垂れ流すようでは、男女共同参画を唱える資格などないだろう。
画像とソース引用:『journalism.org』及び『pixabay.com』より
https://www.journalism.org/2019/05/23/men-appear-twice-as-often-as-women-in-news-photos-on-facebook/[リンク]
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