猫の魅力が写真から溢れ出す!猫写真家・沖昌之さんの驚くべき人生の旅

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春の風物詩 さくらにゃんこ。 #ねこ #cat

A post shared by Masayuki Oki 猫写真家 (@okirakuoki) on Mar 29, 2016 at 11:17pm PDT


外猫オンリーの写真家である沖昌之(おき まさゆき)さん。猫のユニークな瞬間をおさえた躍動感のある写真で、愛猫家の中でも有名です。そんな沖さんが、2月22日に行われた、女性の幸せをあらゆる角度からサポートするイベント「Happyフェス(ハッピーフェス)」のゲストとして登壇。猫写真家になるまでの道のりを包み隠すことなく、話してくれました。猫写真と共に沖さんの人生の旅をお伝えします。

大の写真嫌いだった沖さんが写真撮影を楽しむようになるまで

沖昌之さん
ZUCCAと沖さんがコラボしたコレクション「#ZUCCATS」のシャツを着た沖さん

実は沖さん、もともとは大の写真嫌いで、写真にうつることすら嫌だったそうです。使い捨てカメラ「写ルンです」の時代に青春を送った沖さんは、撮影大会が始まると、さり気なく逃げ出していたとか。

しかし、アパレル会社に入社し、その会社の社長に沖さんの仕事用のブログを開設されてしまったそう。

「最初はいやいや写真を撮影していましたが、社長にダメ出しされつつ、2〜3年撮影を続けていくうちに、次第にカメラの楽しさを知ることになりました」と沖さん。また、沖さんがSNSで使っているID「okirakuoki」は、当時、勤めていたアパレル会社の社長が考案したIDなのだとか。

ぶさにゃん先輩。
ぶさにゃん先輩。(C)Masayuki Oki

そんな中、沖さんは仕事の休憩中に「ぶさにゃん先輩。」という猫に出会います。「外猫なのに家猫ヅラをしていて、ふくよかで、公園の道のど真ん中でのほほんとしていた」というぶさにゃん先輩。

そのとき、沖さんは「この子はどのように生きているのだろう?」と疑問に思ったのだそう。この猫との出会いがキッカケとなり、猫の写真を撮り始め、毎日2〜3枚の猫写真をインスタグラムにアップするようになったとのこと。

すると、海外のインスタユーザーから「素晴らしい」「これはどんな瞬間を撮影したの?」といった素敵な反応が!

それを見た沖さんは「毎日、猫の写真をアップすれば、世界にいる2〜3人のテンションを上げることができるのでは?」と思い、本格的に写真を学び始めます。富士山の写真家として著名なテラウチマサト先生の教室で月に1回、1年間、写真を習ったそうです。

写真が大嫌いだった沖さんが、仕事で写真を撮ることになり、さらにぶさにゃん先輩。と出会い、インスタグラムに猫写真を毎日アップするまでに至るプロセスは「偶然」という言葉では決して片付けられない、運命の導きを感じますよね。

会社を辞め、facebookで猫写真家と名乗ってみたところ・・・

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ひょっこり。 おはようございます。 Good morning from Kobe Japan #cat #ねこ

A post shared by Masayuki Oki 猫写真家 (@okirakuoki) on Feb 12, 2019 at 2:08pm PST


あくまで趣味として、インスタグラムに猫写真をアップし続けていた沖さんでしたが、2015年4月に、人生の転機が訪れます。

いつものように店頭に立っていた沖さんは、突然、魔が差したかのように「会社を辞めようと」と思い立ったそう。「その日のうちに会社にある自分の荷物をまとめ、辞表の書き方をネットで調べ、お昼には社長に会いに行き、辞表を提出した」と言う沖さん。社長は理解のある方で、沖さんの退職を止めつつも最終的には承諾してくれたそうです。

ですが、沖さんは10分後には冷静になり「この先どうやって暮らしていくんやろ?」「次の職もなんも考えていなかったな」と不安になったと言います。

会社員という肩書きを失くした沖さんは、まずはアパレルのお客様に心配をかけたくないという思いからfacebookで「猫写真家」と名乗ることにしたそう。

ところがその後、ミラクルな展開が起こります。沖さんが5月に猫写真の合同写真展に出展したところ、出版社から声がかかり、初の写真集『ぶさにゃん』を出版することになったのです。

第一線で活躍している写真家の共通点を見つける

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自由気ままなお外ねこの写真集。 サイン入りの ねこ写真集 ぶさにゃん。 ご希望でしたら 国内に限り送料込みで1600円でお送りいたしますので、気軽にメッセージください。 お待ちしております。 #cat #ねこ #ぶさにゃん

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しかし『ぶさにゃん』は沖さんが思っていたほど売れなかったそうです。「出版社からすると成功だと思える数字を出していましたが、僕の周りには重版している方がいっぱいいたので、自分も淡い感じで重版できるのでは? と思っていたのに全然できませんでした」と沖さん。

そのときに沖さんは「人のせいにしてしまい、出版社の担当者にもなぜ僕の写真集を出したんですか」と言ってしまったとか。

それに対して出版社の担当者は「沖くんだったら成功すると思って、この世界に引っ張ってきたんだけど、ごめんね」と謝られたそうです。

その言葉を受け、沖さんは「一番応援してくれる人に対して、こんな失礼なことをよく言えるな自分と思い、もっと真剣に考えないといけない、何が大事なのだろう?」と自分を見つめ直し「動物写真家として著名な岩合光昭さんや写真家の梅佳代さんが、どのように第一線で活躍する写真家になったのか調べた」と言います。

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明日発売! 必死すぎるネコ ご予約お済みですか???? 今日、1日早くお会いできるので かなり緊張してます。 ずっと待ち望んだコにやっと会える。 たくさんの方に愛されたらいいなぁ。 #必死すぎるネコ #cat #ねこ

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その結果、発覚したのは、お二方は「木村伊兵衛写真賞」の受賞者だということでした。そこで沖さんは「木村伊兵衛写真賞を受賞した作品に関わっている人に本を作ってもらったらどうなんだろう? 」と思い、二作品目の写真集『必死すぎるネコ』を木村伊兵衛写真賞をとった梅佳代さんの写真集『うめめ』でアートディレクションをされた山下リサさんの協力の元、制作したそうです。この写真集は4万部売れて、大成功をおさめます。

まるで何かに導かれるようにして、猫写真家としての人生を歩み始めた沖さん。自分の直感を信じて行動するパワーはすごいものがあります。なかなか突然「仕事を辞めよう」と思い立っても、その日中に辞めることは難しいですよね。

じわじわとくる面白さ! 見ているだけで和む沖さんの猫写真

「実際に猫を撮ってみると、猫はすごく喜怒哀楽があって、個性的で、猫のグループにも社会があると気づき、面白いと思いました。そこも猫の可愛さですが、本当の猫の可愛さは外見だけではなく、内面にあると思います。ワンチャン好きな方も僕の猫の写真を見て、猫ってこういう一面もあるんだな、可愛いなと思っていただければ」と沖さん。

仲の悪いオス同士
(C)Masayuki Oki

沖さん:仲の悪いオス同士の写真です。柵に手をつけている子が泥水でぺちゃぺちゃ遊んで、落ち着いたところで、上にジャンプした瞬間、すごく仲の悪いオスに鉢合わせてしまい、睨みつけられています(笑)。人間も会いたくない人に会うとこういう顔になりますよね。

蛇を咥える猫
(C)Masayuki Oki

沖さん:蛇を咥えている猫の写真です。東京の霊園で、草むらに猫がバシバシ飛び込んでいました。僕は望遠カメラを構えていたんですが、紐を咥えているのかな? とレンズをズームしてみたところ蛇を咥えていました。よく見ると、猫の周辺には小さな蛇がいっぱいウネウネしていました。

ブロック塀にのぼる猫
(C)Masayuki Oki

沖さん:誰が見ても落ちそうに見えますが、これはブロック塀にのぼっている瞬間の写真です。この猫を近くで撮影していたら、(猫が)僕のことを嫌になったのか、トコトコと離れていったんです。それで2メートル近い壁の高さを考えることもなく「お前(沖さん)が嫌い」という気持ちで飛んだので、距離感がつかめていなくて、ぶら下がってしまったんですね(笑)。結局、腕の力でのぼっていましたが、パッと見ると「助けて〜!」という感じに見えますね。

猫ザイル
(C)Masayuki Oki

沖さん:これは猫ザイルと命名しています。僕のマンションの裏に廃屋があり、そこには猫が必ず一匹以上いました。それを朝撮影するのを日課にしていて、手前の子を撮影していたんです。しかし、廃屋から猫が5〜6匹ボトボトと下りてきて、僕の方に向かってきました。でも、僕は新しい高性能カメラに買い換えたばかりで、カメラの設定を変えようとアタフタしてしまい、それに気づいた手前の子が立ち止まってしまったんです。それで3〜4匹目は「何止まってんねん、いますぐ殴ってやろうか」と言う感じになり、この状態に(笑)。

チャンスは何の前触れもなく突然やってくる

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それぞれの枕。 #cat #ねこ

A post shared by Masayuki Oki 猫写真家 (@okirakuoki) on Oct 23, 2018 at 6:37pm PDT


最後に沖さんが人生における「チャンス」について印象的なことを言っていましたので、ご紹介させていただきます。

「その後、何回も廃屋に行ったんですが、猫ザイルのシーンには一度も出会えませんでした。きっと僕が高いカメラを買ったときに、猫神様がワンチャンくれたんだと思います。チャンスって自分が待っていたり、準備オッケーなときにはこなくて、自分が忙しくて、今何でそんなラッキーチャンスくるの? っていうときにくるものだと思います」。

可愛すぎる!沖さんが撮影した海外の猫写真

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イスタンブール デリカテッセンの看板ねこさん。 #cat #ねこ #istanbul

A post shared by Masayuki Oki 猫写真家 (@okirakuoki) on Mar 4, 2019 at 2:29am PST

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ぴょーん。 16時50分~17時20分 レフトステージ 「写真を1,000倍楽しむためのプリントテクニック」 富士山写真家 橋向 真さん @hashimuki と デジタルカメラマガジン 編集長 福島 晃さんと キヤノンのプリンタ XK80についてトーク予定。 脱線するのかなぁ。。 絶対、足を運んでほしいですー。 お待ちしております! ネットでCP+の入場事前登録すると無料になりますので面倒ですがご登録くださいませ。 #cat #ねこ #cpplus #cpプラス

A post shared by Masayuki Oki 猫写真家 (@okirakuoki) on Mar 1, 2019 at 4:05am PST


沖さんのインスタグラムには日本の外猫だけではなく、海外の外猫の写真もイッパイです。外猫の目線で海外を旅している気分を味わうのもいいでしょう。

沖昌之
猫写真家。1978年兵庫県生まれ。家電の営業マンからアパレルの撮影カメラマン兼販売員に転身。初恋のネコ「ぶさにゃん先輩。」の導きにより2015年に独立。「必死すぎるネコ」「ネコザイル」「無重力猫」など、独自の視点でネコを撮影し発表する。ナショナルジオグラフィック編集部もSNSで写真を取り上げるなど注目する、今いちばん目が離せない猫写真家。

ブログ:猫写真家・沖 昌之のブログ 野良ねこちゃんねる。
インスタグラム:https://www.instagram.com/okirakuoki/
ツイッター:https://twitter.com/okirakuoki
著書:https://amzn.to/2FfboTu
猫の魅力が写真から溢れ出す!猫写真家・沖昌之さんの驚くべき人生の旅

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TABIZINE(タビジン)は旅と自由をテーマにし、日常に旅心をもてるようなライフスタイルを提案します。覗き込めば、世界地図を拡げた時のワクワクがあるような、はたまた旅する非日常を感じ旅へ向かわずにはいられなくなるような、そんな夢見心地にするパワーがあるメディアでありたいと思っています。人生は一瞬一瞬が心の旅。皆さんが何にもとらわれることなく、自由で冒険に満ちた毎日になるような情報をお届けします。

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