映画『ハロウィン』40年ぶりにブギーマンの恐怖再来! そもそも“ブギーマン”ってなに……?
1978年、ホラー映画の鬼才ジョン・カーペンター監督が生み出した『ハロウィン』は後世に語り継がれるホラーキャラクター”ブギーマン”と恐怖を煽る象徴的な音楽で全米を震撼させ、32万5000ドルの製作費で4700万ドルの興行収入を記録。世界的に脚光を浴び、以降のホラー映画に多大な影響を与えました。4月12日(金)新たな『ハロウィン』が日本公開。40年の時を経て、新たな恐怖が解き放たれます!
再びスクリーンに帰ってくるホラー映画界を代表するキャラクター・ブギーマンに注目し、民間伝承の視点から”ブギーマン”とはどんな存在なのか、”ブギーマン”をモチーフにしたキャラクターが登場する映画と共にご紹介いたします!
白いマスクに作業着という印象的な出で立ちと、感情を一切露にすることなく神出鬼没で襲いかかる姿により観客を恐怖で震え上がらせた『ハロウィン』(1978)のブギーマン。その存在はジェイソン(『13日の金曜日』シリーズ)やフレディ(『エルム街の悪夢』シリーズ)らと並び、ホラー映画を代表する恐怖のアイコンとして今もなお語られています。しかし、ジェイソン(・ボーヒーズ)、フレディ(フレッド・クルーガー)が人名であるのに対し、”ブギーマン”は殺人鬼マイケル・マイヤーズの通称。では、”ブギーマン”という呼び名はどこから名付けられたのか? その由来は世界的に広く語られる民間伝承にありました。
民間伝承における”ブギーマン”はスコットランドが発祥の地とされ、欧米の広い地域で語られる存在。地域によって容姿や特徴など様々に語られているが、共通するのは<悪い子供をさらってしまう>ということ。日本で「いい子にしていないと鬼がやってきて連れていかれちゃうよ」と言うように、海外では「いい子にしていないとブギーマンが~」と親が子を言い聞かせるときに用いられます、いわば子供に恐怖を想起させるための代名詞的な存在のようです。(ちなみに、スペインを代表する画家のフランシスコ・デ・ゴヤはブギーマンを白い布を頭から被ったような姿で描いており、『ハロウィン』(1978)のワンシーンでシーツを被って現れるマイケルがその姿を彷彿とさせている。)
『ハロウィン』(1978)ではクラスメイトのいじめっ子たちに「ブギーマンがさらいにくるぞ」と脅かされた少年トミーが、自宅の外に立つマイケルの不気味な姿を見てブギーマンと呼んだことからその呼び名が定着しており、アメリカの人々にとってブギーマンが恐怖の象徴として一般的に認識されていたことが伺えるが、同作に限らずブギーマンをモチーフにしたキャラクターが登場する映画は少なくありません。その人の一番怖いものの姿に化けて現れるという特徴やブギーマンの別称を名前に持つ『ハリー・ポッター』シリーズ(2001~)のまね妖怪 ボガートや、子供たちに悪夢を見せる『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(1994)のヴィラン ブギー・ウギー、狙った相手を山奥へ連れ去ってしまうという『来る』(2017)の正体不明の怪異 ぼぎわんなどはその一例。
このように様々に姿形を変えて世界中で恐怖の代名詞的存在として広く知られている”ブギーマン”。『ハロウィン』(1978)はその存在を動機不明の得体の知れない恐怖の権化として登場させ、皆が知るあの”ブギーマン”だからこそ生み出すことのできる、さらなる恐怖を喚起させることに成功し。その正当な続編となる本作で、果たして恐怖の権化・ブギーマンはどのように観客を震え上がらせてくれるのか? ぜひで劇場へ。
【ストーリー】
ジャーナリストのデイナとアーロンは、40年前のハロウィンに起きた凄惨な殺害事件の真相を追っていた。殺人鬼の名前はマイケル・マイヤーズ。彼は40年間、一言も話すことなく動機や感情は一切不明。あまりの恐怖に人々は彼を”ブギーマン”と名付けた。事件の被害者で唯一の生き残りローリー・ストロードにインタビューするも収穫はなかった。しかし、ローリーは再びマイケルが目の前に現れることを恐れ、いつ起きるか分からない非常事態に一人備えていたのだ。その予感は最悪の形で現実となる。ハロウィン前夜、精神病棟から患者を輸送する車が横転し、マイケルが脱走してしまう。娘のカレンはローリーの言うことを信じず、孫娘アリソンもパーティに出かけてしまっている。ローリーは再び街に解き放たれた”ブギーマン”と対峙することを決意。恐怖に満ちたハロウィンの夜が始まる―。
(C)2018 UNIVERSAL STUDIOS
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。