生活保護に関する統計を見てみる(暮らしの経済手帖)

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不正受給の発生件数や被害金額の割合を見てみましょう。

不正受給の状況

上の表によれば不正受給の平成27年における発生件数は約4万4千件です。被害金額は約170億円にのぼります。ただし1件あたりの38万7千円でした。表には書かれていませんが、不正受給に伴う保護の停廃止は1万0587件。悪質性が高いとして刑事告発に至ったのは159件でした。

参考 yomiドクター 原昌平編集委員 
「貧困と生活保護(46) 生活保護の不正受給率はごくわずか 未然に防げるものが多い」2017年2月3日『yomi Dr.』
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170202-OYTET50054/

不正受給発生件数・被害金額そして刑事告発レベルの159件にも及ぶ悪質な不正受給件数は看過できるものではありません。保護費の総額に対する不正受給額の割合は平成27年の場合ですと170憶円/3兆7786億円(予算ベース)で0.45%。要保護者世帯全体の中で不正受給を行った世帯の割合は4万4千件/160万2551世帯で2.7%。36.5世帯に1件の不正があったことになります。
この数字を多いと捉えるか少ないと捉えるかは判断が割れますが、世界の中でも日本の不正受給率はかなり低い方です。とくに近年の不正受給傾向は被害金額が大きく悪質性の高い不正受給よりも、小さいものでは100円単位という細かく悪質性が高くない不正受給の割合が高くなっています。それこそ重箱の隅をほじるように、たとえ1円の不正受給も見逃さないといった行政の姿勢が反映されたものと見ていいかも知れません。

日本のGDP(国内総生産)と生活保護費の比率に関するグラフです。引用元は「生活保護と就労支援」からです。
https://www.kwansei.ac.jp/s_economics/attached/0000067000.pdf

生活保護費の比率

やはり生活保護費総額と共にGDP比の方もだんだん上がってはいます。2012年では約0.7%です。
ただし他の国と比較しますと日本の生活保護費対GDP比はUK・アメリカ・ドイツ・フランスよりも低いです。

生活保護費対GDP比

引用元 【日本の生活保護費は先進国最低 保団連2/6】『全国保険医団体連合会』
https://hodanren.doc-net.or.jp/kenkou/1302seikatu-hogo/130206seikatu-hogo.html

総人口に対する生活保護の利用率は日本ですと2010年の数字で人口比のわずか1.6%です。100人に1人を超える程度の割合です。生活保護が必要な生活水準の人が保護を受けている捕促率もわずか15.3~18%でかなり低いです。日本は貧困者を見放し放置しているといっていいでしょう。
ドイツ・フランス・UK・スウェーデンと比較すると

ドイツ     利用率9.7%   捕促率64.6%
フランス    利用率5.7%  捕促率91.6%
UK       利用率9.27% 捕促率47~90%
スウェーデン 利用率4.5%  捕促率82%

とかなり低いことに気づかされます。

日本の生活保護費は先進国最低

引用元 日弁連「データで見る生活保護の今」より
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/seikatuhogokijyunhikisage.pdf

公的扶助の給付額についても他国と比較した表がないか探してみましたが、財務省主計局が作成した図表を載せておきます。

公的扶助の給付額

この表を単純に見ただけですとこの公的扶助の所得保障水準(日本の生活保護の生活扶助に相当)が他国に比べ、日本は高い額の給付を行っているように見えます。他国が3~4万円程度でアメリカに至っては1万5千円程度しかないのに、日本は6~8万円支給されていることになっています。ただし日本の生活扶助については光熱費まで含まれており、ドイツ・スウェーデン・UK・アメリカでは別途支給となっています。
よく日本の生活保護費は他国に比べ給付額が高いと云われますが、光熱費などの補助も合わせると他国と変わらない給付額かも知れません。

このように諸統計を確認していくと、日本の公的扶助による支援状況は極めて薄く、低い水準であるということが見えてくるでしょう。相当生活状況が逼迫しても簡単に生活保護を利用できないものだと思っておいていいかと思います。

次回から順に生活保護制度の様々な問題点を取りあげていきます。

~お知らせ~
今後日本の政局や北朝鮮問題についての論考は下記ブログで掲載していきます。

「にゃんまるらぼ ミキスト」 経済・政治
https://blogs.yahoo.co.jp/bonjinoyamada/folder/1563500.html

「お金の生み方と配り方を変えれば 暮らしが変わります」

サイト管理人 凡人オヤマダ ツイッター https://twitter.com/aindanet

 
執筆: この記事は凡人オヤマダさんのブログ『暮らしの経済手帖』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2019年2月14日時点のものです。

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