悪役令嬢の歴史・ルーツを、漫画やゲームから考察してみた。(青猫文具旅)

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悪い噂を流されるのは序の口で、ヒロインがうかうかしてると媚薬でヒーローを奪われる、という屈辱を味わうのですよ…!!でも、攻略対象を玉の輿に乗る手段としか思ってない感じの潔さが、一部女子から圧倒的支持を受けました。ヒロインも俄然強めで、手紙に小細工したり、誘いを断るライバルを「使えないヤツ」と毒づいたり。

ちなみにamazon絵はⅡの方です。Ⅱは、学園に中途編入したヒロインが、先輩の卒業式でヒーロー役が起こしたクーデーターに巻き込まれ、革命側か中立かレジスタンス側かを選ぶと言う。「え、私は乙女ゲーをやってるんだよね!?」と思いながらミニゲームで鉄橋の爆弾処理をしました。

また、アンジェリーク、アルバレアの乙女に次いで乙女ゲームの黎明期を飾った「ファンタスティック・フォーチュン」(1998年)、一部攻略キャラのルートのみ登場する貴族令嬢ミリエールが、暗躍する悪役令嬢です。 こっちはちょっとイレギュラーで、ヒーローを憎んでる系。

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そういえばミリエースも縦巻きロール(ポニーテールですが)なので、この時はすでに縦巻きロールが悪役令嬢アイコンになってたってことなんでしょーか。まぁ乙女ゲームの歴史自体、少女マンガに比べれば圧倒的に遅いですしね。少女マンガから輸入されたと考えるのが妥当なのかな。

 

余談。少女小説の悪役令嬢を求めて。

小説家になろうの悪役令嬢モノでは、前世で見た”ゲーム”か”少女漫画”をベースにすることが多いため、言及は少ないですが、少女小説、ライトノベルにも悪役令嬢っていそうですよね。少し調べて見ました…というか記憶を辿りました。

古くからある少女小説、コバルト文庫でお嬢様が登場する小説として有名なのは、久美沙織先生の「丘の上のミッキー」(1984年)。ただし、ライバルお嬢様はいても悪役令嬢的な立場の人がいたかというと…?むしろ、藤本ひとみ先生の「漫画家マリナシリーズ」(1985年)の方が、過激で意地悪な女性をよく登場させていた記憶です。

少女小説で悪役令嬢の源流に近いのは、さらに進んで1991年、学研レモン文庫から出版された森奈津子先生の「お嬢さま」シリーズの方でしょうか。正統派ヒロインよりも、悪役でありたいと自負するお嬢さまを中心にした学園ギャグコメディ。…というか気がついたら復刊されてる…!?

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正直、悪役令嬢というからには、貴族社会が舞台になっていないと活躍の場を作るのが難しそうですが、少女小説の主戦場は今も昔も学園のため、馴染みにくさがあるんですよね。舞台設定的に、ハーレクイン小説の方が悪役令嬢はいそう(ハーレクイン詳しくないので想像です)。

 

そんなわけで総括。

ガラスの城から数えると、なんと半世紀も前から悪役令嬢はいたことに。

これだと正直、作家の青春時代がいつかで、悪役令嬢のルーツは違ってそうです。まぁそもそも、小説家になろうの作家陣自体、年齢層は割と広範囲で、同じ文化・文脈(コンテクスト)を共有していると考えるのは無理があるのかも。

前述の「悪役令嬢後宮物語」や「謙虚、堅実をモットーに生きております!」から影響を受けた(オマージュ)作家が、悪役令嬢のイメージを再生産して、その成功例の幾つかがさらに再生産を重ね、今の小説家になろう的な悪役令嬢のイメージが出来上がった、と考えるのが妥当な気もします。

自分の肌感覚としては、キャンディキャンディのイライザで「悪役令嬢」のイメージが作られ、花より団子やメイちゃんの執事で悪役令嬢が活躍する「お金持ち学校」のイメージができた感じですが、小説家になろうの悪役令嬢モノが初めて見た悪役令嬢だ、て人も少なからずいそうです。

つまり、小説家になろうの悪役令嬢の原型は、たくさんの作家が集合知的に作り上げた、架空のオリジナルって感じですかね。もし「これがオリジナルだ!」てのが他に思い浮かぶ場合は教えてくださいー。

 

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執筆: この記事は三森さんのブログ『青猫文具旅』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2019年1月24日時点のものです。

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