【2019年版】今年の大学入試センター試験はどうだった!? 主要教科を振り返ろう

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2019年1月19日・20日に全国693会場で行われた「大学入試センター試験」。

 

受験生のみなさん、実力は出し切れましたか?

 

今回のセンター試験について、河合塾が発表した総括で振り返ってみましょう。

 

 

センター試験の出題内容について

まずは今年の出題傾向について。

 

高校生のみなさんもご存じの通り、大学入試センター試験は2021年から「大学入学共通テスト」という新形式に変わります。

 

導入前のプレテストでは、センター試験とは違って記述式の設問が登場。

 

ほかにも読解力が求められる内容や対話形式の問題などが出題されました。

 

昨年・今年のセンター試験でも、そのような内容を意識したと思われる対話形式での出題や図の読み取りから考察する問題があったようです。

 

今年のセンター試験、難易度&平均点は?

今年の大学入試センター試験の難易度はどうだったのでしょうか?

 

英語・国語・数学の主要3科目については、英語の筆記試験が昨年と同程度、英語のリスニング、国語、数学Ⅱ・Bが昨年よりやや簡単に、数学I・Aは若干難しくなりました。

 

理科系は物理・地学が昨年並み、生物がやや簡単、化学は昨年より難しくなっています。

 

社会系をみてみると、日本史Bと政治・経済は昨年並みですが、世界史B、地理B、現代社会、倫理は軒並み前年よりも若干難しい傾向にあったようです。

 

大学入試センター試験の難易度は?

※大学入試センター試験の難易度(河合塾調べ)

平均点については「5教科7科目(900点満点)総合での平均点は、理系で576点、文系で573点」(河合塾発表)の予想です。

 

では、主要科目の出題傾向をみてみましょう。

センター試験 振り返り【英語】

英語(筆記)

昨年と同様に、実践的なコミュニケーション能力を問うという現行課程の方向性を意識した出題で、難易度、分量、出題傾向に大きな変化はなかった。

 

第3問Bは昨年同様の出題形式で、生徒たちによる話し合いにおける発言の主旨を選ぶ問題。

 

昨年は発言者が7人と過去最多であったが今年は6人に減少。

 

本文の語数、設問の語数も減少したが、設問がやや難しくなった。

 

第4問の図表問題では、例年出題されることの多い図表中の項目を問う問題は出題されなかったが、本文をしっかりと読み、グラフや表に注意深く目を通し、各設問で求められている情報を素早く読み取ることが大切である。

 

第5問は、昨年はSF的な物語で日誌からの抜粋という珍しい設定であったが、今年は「ガーデニングの経験から学んだ教訓」に関する内容の典型的な物語文に戻ったので、受験生は昨年よりも解きやすかったであろう。

英語(リスニング)

分量、出題傾向に変化はなく、対話を聞き、質問の答えとして、最も適切なイラスト、数字、文字情報を選択する問題、対話に続く応答を選択する問題、3人の会話を聞いて質問に答える問題、複数の情報を聴き取り、取捨選択する能力が問われる問題などが今年も出題された。

 

対話の中で聴こえてこない単語で選択肢がつくられているものもあり、情報から類推をする力も求められている。

 

問題冊子に書かれた質問・選択肢の総語数は約70語増えたものの、選択肢に読み取りやすい工夫がされていたため、読み取りの負担増にはならなかったと思われる。

 

全体的に聴き取りやすい音声で、昨年よりも聴き取りのポイントが把握しやすくなり、正解の選択肢が絞りやすかったため、昨年よりもやや易化したといえる。

センター試験 振り返り【数学】

数学Ⅰ・A

必答問題の第1問、第2問[1]は易しくなったが、第2問[2]データの分析、選択問題の第3問、第4問はやや難化した。

 

昨年と比べて分野毎の難易度や分量の差が開いたので、例年以上に時間配分に気をつける必要があった。

 

誘導の意味を理解し活用する力が求められている問題や、設問のつながりに気づいて対応する力が求められている問題などやや難しい出題であった。

 

データの分析は変量を変換する頻出のテーマであるが散布図について考察する問題は標準偏差の深い理解が必要であり難しい。

 

選択問題では、第3問(確率)、第4問(整数の性質)はヒント、誘導を活用できなかった受験生も多かったと思われる。

 

一方、第5問(図形の性質)は図形と計量の知識を利用する設問が例年に比べて増加した反面、幾何的に考察する設問が減少したため他の選択問題に比べて解きやすかった。

数学Ⅱ・B

見慣れた設定の問題が多く、全体的に誘導も丁寧であり計算量も減少。

 

一方で微分法・積分法、ベクトルの問題は図形的な状況把握が難しい出題であった。

 

全体的な難易度はやや易化。

 

第1問は誘導も丁寧で易しかった。

 

第2問(微分法・積分法)は問題文に従って解き進めればよいが、設定されている曲線や直線が多く、図形的な状況把握がやや難しかった。

 

第3問(数列)は他の問題と比べて最も設定や表現が難しく設問の意図が汲みにくい設問も出題された。

 

また第4問(ベクトル)も図形的な把握が難しい設定であったが、計算量が少なくなるような設定工夫があるため計算で苦労することはなかったであろう。

 

空間ベクトルの問題は2016年度以来の出題であった。

 

第5問(確率分布と統計的な推測)は見慣れた設問が多く例年より誘導も丁寧で易しかった。

センター試験 振り返り【国語】

評論・小説

特に古文が解きやすくなり、国語全体でも易しくなった。

 

第1問(評論)は、翻訳について論じた文章からの出題。

 

昨年本文にあった図(写真)はなかった。

 

昨年同様に比較的読みやすい文章で分量も減少していた。

 

「生徒の話し合い」を踏まえた設問は今年も出題されたが、昨年のような空所補充ではなく、最も正しいものを選択する形式であった。

 

第2問(小説)はやや古い時代の小説だが、本文は平易で設問の難易度も全体的に易しめであった。

古文・漢文

第3問(古文)は「玉水物語」からの出題で近年のセンター試験の中でも易しい問題文、設問であった。

 

第4問(漢文)の本文は具体的な内容だが、人物の関係性が捉えにくい。

 

また(注)の項目数、文字数とも多く、制限時間内で本文を正確に読み解くのは容易ではない。

センター試験 振り返り【理科】

物理

第3問(波動)で、透明な壁を挟んで2人が向かい合ったときの見え方など、大学入学共通テストを意識したと思われる実験・観察に基づいた出題があった。

 

出題傾向では例年通り、選択問題の第6問は原子分野が出題されたが、第5問は、昨年の力学に代わり熱分野に戻った。

 

選択問題のうち1題は、原子分野が継続して出題されているが、もう1題は年により熱、波動、力学が出題されており定まっていない。

 

出題分量では組み合わせ問題の数は昨年11問と増加したが、今年は第5問を選択した場合は4問、第6問を選択した場合は5問と半減した。

 

全体の難易度は昨年並み。

化学

「化学」からの出題が大部分を占め、「化学基礎」の酸と塩基、酸化還元からは出題されなかった。

 

全体の出題構成は昨年から変化はなく、実験問題も例年通り出題された。

 

合成高分子化合物の平均分子量の関係を判断する問題、ジペプチドの構成アミノ酸を決定する問題は、いずれもグラフから必要な情報を抽出する科学的な思考力を重視した問題であり目新しい。

 

また複数の思考過程を要する計算問題も増加した。

 

難易度はやや難化。

生物

教科書の各分野から幅広く出題されたが、「生態と環境」と「生物の進化と系統」の分野からの出題が多かった。

 

知識のみで解答できる問題の配点の比率が昨年の約5割から約3割に減少し、図や表の数が大幅に増加し、与えられた文章と実験データなどから考察する問題が増えた。

 

一方、問題文の量、選択肢の総数は減少し全体の分量はやや減少した。

 

全体の難易度はやや易しくなった。

地学

地球、地質、大気と海洋、宇宙の分野からバランスよく出題された。

 

選択問題の出題分野は年度により異なる。

 

8択の問題が出題されるなど選択肢数の多い小問が増えた。

 

地質図など読図を必要とする問題も増加したが、文選択問題が減少し、基本的な用語のみを選択するような知識問題が増加した。

 

全体の難易度は昨年並み。

 

また会話形式の出題として金星、火星の大気に関する2人の会話文から金星と火星の気温の鉛直分布のグラフを求める出題があった。

センター試験 振り返り【地理歴史】

世界史B

昨年同様にオーソドックスな4文字正誤判定中心の問題で、2文の正誤の組み合わせ問題、地図やグラフを使った問題も出題された。

 

難易度はやや難化した。

 

時代的には先史時代から第二次世界大戦後まで幅広く出題されている。

 

昨年は近現代中心であったが、今年は前近代と近現代を比べると前近代が多かった。

 

地図問題では、地図で示された領域を支配した王家と、その時代が何世紀かを問う新しい形式での出題があった。

 

また昨年出題されなかった時代順配列問題と波線問題が今年は出題された。

日本史B

全体的には標準レベルの問題であった。

 

政治史が増加し受験生が苦手としている文化史が減少した。

 

図版・地図・統計資料(表・グラフ)を利用した設問がまったく出題されなかった。

 

これは本試験では1990年にセンター試験が始まって以来初めてである。

 

史料読解問題の出題は昨年と同じ4問であったが、昨年までの史料よりも難解であり、より丁寧な理解を求めている。

 

知識だけでは解けず、思考力・判断力を問う意図が伺えた。

 

また図版や地図は消えたが、歴史資料をもとに考察させようとする姿勢は今年も維持されている。

 

戦後史の設問が2問から4問に増加し本試験では初めて単独で1990年代を問う設問(日米関係)が出題された。

地理B

大問構成、出題分野などに大きな変化はなく、自然環境と自然災害、資源と産業、都市と村落・生活文化が出題され、地誌では地中海沿岸の総合地誌、ウクライナとウズベキスタンの比較地誌、宮崎県の地域調査が出題された。

 

目新しい表現の図表はなかったが統計表、統計地図、グラフ、地形図などさまざまな図表を用いて、それらの読み取りと基本的な知識を結びつけて解答する問題が多く、正答を導く判断の決め手を見出せるかどうかで得点の差がついただろう。

 

比較地史では、なじみの薄い国が問われたことと、図表が増加し読み取りに時間がかかったことで昨年より難しくなった。

センター試験 振り返り【公民】

現代社会

基本的な知識を重視する傾向に変化はない。

 

組み合わせ問題や図表問題など出題傾向は工夫されているが、昨年みられた写真を用いた問題や本文の内容の読み取り問題は出題されなかった。

 

時事的動向を踏まえた問題として、昨年はパリ協定やイギリスのEU離脱が取り上げられたが、今年もアメリカのTPP離脱や日本とEUのEPA妥結、GPS捜査など、教科書に記載されていないホットな時事問題が取り上げられた。

 

昨年に比べて倫理分野からの出題、やや踏み込んだ知識を問う政治分野からの出題が増えやや難しかった。

倫理

思想内容の理解や読解力を重視する問題構成は今年も変わらない。

 

倫理で学ぶ基本的な人物を中心とした出題となっている。

 

資料文読解問題やグラフ読み取り問題についても取り組みやすいものであったが、西田幾多郎の思想内容を深く問うなど難しい問題もみられた。

 

全体の難易度はやや難化した。

政治・経済

昨年と同様に基本事項中心の出題となっている。

 

いずれの大問も政治分野と経済分野の融合問題となり総合問題化の傾向も昨年同様であった。

 

需要曲線と供給曲線の図を用いた問題はほぼ毎年出題されているが今年も出題された。

 

計算問題として信用創造の額や購買力平価説に基づいて為替相場を求める問題が出題された。

 

時事的動向を意識した内容では、ふるさと納税やコンパクトシティなどが取り上げられた。

 

難易度は昨年並み。

 

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