ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう

体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]
ガジェ通制作ライブ
→ガジェ通制作生放送一覧

「戦争証跡博物館」で、日本もかかわった「あの戦争」を知る【ホーチミン旅行記】

戦争証跡博物館8
ベトナムの歴史を語るうえで、避けては通ることができないのがベトナム戦争。その現実を知るうえで一度は訪れたい場所が、ホーチミンにある「戦争証跡博物館」です。

館内には、世界各国のジャーナリストたちが命がけで切り取った真実が。目を覆いたくなる瞬間もありますが、直視しなければならない現実がそこにありました。

戦争証跡博物館

戦争証跡博物館1
サイゴン大教会や統一会堂からもほど近い、ホーチミン観光の中心地に位置する「戦争証跡博物館」は、おもにベトナム戦争の傷跡を今に伝える博物館。

1945年にホー・チ・ミンが出した独立宣言にはじまり、ベトナム戦争終結後も続く枯葉剤の被害まで、近現代のベトナムが歩んできた苦難の歴史を紹介しています。

戦争証跡博物館2
屋外には米軍の戦車や戦闘機が展示されており、館内には、9つの常設展と時期ごとにテーマが変わる企画展があります。建物は3階建てになっており、展示番号順に見学するなら、最初に2階(日本式3階)までのぼり、最後に1階に下りてくるコースをとるといいでしょう。

すさまじかったベトナム戦争

戦争証跡博物館3
冒頭の展示で、第二次世界大戦と朝鮮戦争、ベトナム戦争の規模を比較した一覧表がありました。ほぼベトナム一国を舞台にしたベトナム戦争と、第二次世界大戦の規模は比較にならないと思うかもしれません。

ところが、第二次世界大戦が3年8ヵ月で終結したのに対し、ベトナム戦争は17年と2ヵ月も続きました。その間、ベトナムに投下された爆弾の数は第二次世界大戦の3倍近い1430万トン。戦費も第二次世界大戦の約2倍にのぼります。

日本よりも面積の小さなベトナムに、これほどの大量の爆弾が投下されていたなんて・・・ベトナム戦争のすさまじさを示す事実に衝撃を受けました。ベトナム戦争によるベトナム人の犠牲者は、民間人を含め300万人以上ともいわれます。

戦争の悲惨さを雄弁に語る写真

戦争証跡博物館4
戦争証跡博物館の主役、それは「写真」です。米軍の武器や軍服なども展示されているものの、圧倒的な存在感を示しているのが、世界各国のジャーナリストたちが撮影した写真の数々。

戦争証跡博物館5
当時、米軍は報道陣に対し比較的自由な取材を認めていたため、子どもが泣き叫びながら逃げる様子や、虐殺された民間人の遺体、米兵が戦死した北ベトナム兵士の遺体を蹂躙する様子にいたるまで、ベトナムで繰り広げられていた「現実」が、そのまま世界各国に配信されることになったのです。

農民や小さな子どもも犠牲に

戦争証跡博物館6
どれだけ言葉で説明するよりも、一枚の写真のほうが、戦争の悲惨さを雄弁に物語ります。北ベトナム兵士と民間人の区別がつかなくなっていた米軍兵士は、まったくの非戦闘員であった農民や、時には小さな子どもでさえも容赦なく殺害しました。

博物館には、ベトナムの農村が米軍に襲撃された際、小さな子どもがその中に身を隠したものの、その子どもは結局米兵に殺されてしまったという、大きな土瓶も展示されています。

「死んだやつはみなベトコンと思え」。当時米軍内で言われていたというこんな言葉を目にしたとき、ベトナム戦争の狂気を感じ、背筋が寒くなりました。

戦争証跡博物館7
「どんな大義名分を振りかざしたところで、人間が殺しあう戦争、特に罪のない民間人が犠牲になる戦争は絶対に間違っている」― 理屈抜きの強い感情が、ごくごく自然と湧きあがってきました。

ベトナム戦争下で繰り広げられた地獄絵図を目にすれば、ベトナム介入の大義名分とされた「ドミノ理論(ベトナムが共産化すれば、ドミノ倒しのように周辺国も共産化するため、それを阻止せねばならないという主張)」など、何の意味もないことがわかります。

命がけで真実を伝えたジャーナリスト

戦争証跡博物館8
戦争証跡博物館では、ベトナム戦争の真実を各国に伝え、反戦の機運を高めたジャーナリストたちの功績に多くの展示スペースを割いています。インドシナ戦争で命を落とした世界各国の報道写真家の顔写真も展示されており、その中には、沢田教一氏や一ノ瀬泰造氏の姿もありました。

戦争証跡博物館9
1966年にピューリッツァー賞を受賞した沢田教一氏の「安全への逃避」は、ベトナム戦争下で撮られた最も有名な写真のひとつ。米軍の爆撃に追い立てられ、泥の川に胸までつかっている母子の姿は、「戦争は結局民間人を苦しめるのだ」という当たり前のことを、強烈に世界に知らしめました。

1 2次のページ
生活・趣味
TABIZINEの記事一覧をみる
  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。
スマホゲーム タラコたたき