Tsubasa Shimada(PrizmaX) presents『Wet Crate』 – 第31回 Mihai Pol –

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PrizmaXのパフォーマーでありながらDJとしても活躍する島田翼が、長年集め続けた珠玉のレコードコレクションの中からお気に入りを紹介する、偏ったエゴ満載の連載企画。この機会にぜひ、ループミュージックの世界観に浸ってみてはいかがでしょうか?
Tsubasa Shimada(PrizmaX) presents『Wet Crate』 (okmusic UP's)
島田翼です。あけましておめでとうございます!

昨日が今日になっただけなのに、すごく環境も気分も変わった気がしますね。新年です。どんとこい2019年。

今年はPrizmaXとしての活動はもちろんですが、DJセットでのギグが増えたらいいなと思っています。NFに出たい。僕ひとり、揺れるダンスフロアと対峙して音楽を奏でたい。

今さら去年のことを振り返るのもアレかもですが、去年もたくさんの音楽と出会いました。

僕は普段テクノとかハウスとかのレコードを中心に集めがちですが、じゃあ実際普段もそれ聴いてんの?って言われたらそうではないものです。

家なのか移動中なのか、朝なのか昼なのか夜なのか深夜なのか、晴れの日なのか雨の日なのか、心踊る夏の日なのかコートの襟をついつい立ててしまうような寒い日なのか、横浜なのか東京なのかミャンマーなのか、

そんないろんな重なる条件や自分を囲む空気、自分の心情、体調なんかによって左右されるものです。

そんななかで自分が過去に掘ったアーカイブ達や、たまたま出会った音楽なんかを織り交ぜて再生するわけです。真面目ぶって解説してますが、皆さんも音楽を選ぶ際、そういう思考だと思います。

以前仕事で札幌に行きました。超簡単に言うと最高でした。今年絶対プライベートで行きます。

仕事が終わって一人で飲みに行ったんですけど、たまたま隣に座っていた二人組がバンドやってて。あーだこーだと話をしていたら、音楽に対する向き合い方とかが僕ととても似てて何度も握手。

「最近新しいアルバム出したんです〜Spotify入ってますよ。」なんて仰るんで、さらっと聴いてみたら超カッコイイ。その場で本人からCD買いました。そういう出会いとかってやはりモノとして残しておきたいと思っちゃうのが僕の悪い癖なんです。

というより、実際に”盤”を買うという行為自体が、そのアーティストへの一番のリスペクトを示す形だと思っています。

アートワークやライナーノーツ、ジャケットの質感、Spotifyじゃわからないアーティストの価値観が100%刻まれているものなんです。正直制作にお金だってかかるし、音楽が情報として消費され続けるこの時代にCDなんてなかなか手に取らないもの。それでも作るんです。だから僕はいい音楽に対してそれに見合うお金を出して買います。そしてそれを時間をかけて聴くんです。

ちゃんと買ってるから僕えらいでしょ、とかじゃなくて、僕が思うことは、いま皆さんの手元にある音楽を大切に思う時間を、すこしだけ作ってみてほしいと。

小学生の頃にお年玉握りしめて買った大切なCD、友達から借りたまま返せてないCD、はじめてみたライブが楽しくてついつい買っちゃったPrizmaXのシングル(笑)。不意にその頃思い出したときでいいです。ジャケットを開いて、CDで聴いてみてください。

音楽は、出会ってからしばらく経って忘れることはあっても別れはないものだと思うんです。

なかなか取りづらい外装ビニールをやっとの思いで破いて、ジャケットを開いたときのあのにおい、ジャケ裏のあの写真、歌詞カードを追いながら家のコンポではじめて聴いたあの音。その感覚がたまらなくなるんです。

いつかの忘れていた記憶は更新されていくでしょう。
Tsubasa Shimada(PrizmaX)
シマダツバサ:幼少の頃よりダンサーとしてのキャリアを積み、高校生の時にニューヨークへ単身短期留学に発つ。現在はダンス&ヴォーカルユニット、PrizmaXのパフォーマーとしてステージに立つかたわら、DJや写真などのカルチャーに没頭する。縦横無尽にさまざまな音楽体験を経た中で、現在はダンスミュージックに着地し、ミニマルな繰り返しの中で独自のグルーヴを紡ぎ出すDJプレイで空間を彩る。ハウスミュージックの疾走感と共に、芸能界屈指のDJ/レコード・ディガーを目指し音の旅を続ける。

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