2018年日本公開のホラー・スリラー映画をおさらい! あなたはいくつ観ましたか?
今年も色んな映画がありましたね。2018年に日本公開されたホラー・スリラー系映画を独断でセレクトし、駆け足で振り返っていきますよ。年間ベスト10に入れたい作品、冬休み中に観ておきたい作品、DVD発売や配信スタートを楽しみに待ちたい作品のチェックにお役立てください。
2018年日本公開のホラー・スリラー映画セレクト
※カッコ()内は公開月
ビッグな話題作
ホラー映画ファンもそうでない人も劇場に詰めかけた話題作といえばこの2作じゃないでしょうか。まぁどちらもホラー映画っぽくないのはさておき。
サメパニック映画の『MEG ザ・モンスター』はサメ映画の中でも規格外の予算150億円というスケールと、メガロドンVSステイサムというご機嫌な組み合わせが話題に。パクパクと人が食われますが全年齢向けなのでお子様のサメ映画デビューにもぴったり。
『クワイエット・プレイス』は“音を立てると死ぬ”という設定が2017年にヒットした『ドント・ブリーズ』を彷彿とさせますが、どちらかというとパニックものの趣。メリー・ポピンズ役では決して出さなそうなエミリー・ブラントの野太い叫び声が聞けます。
良作が多い“A24”作品
多数の良作を世に送り出している映画製作&配給会社“A24”からも、ホラー・スリラー系作品が沢山公開されました。
まず、『ヘレディタリー/継承』(11月)。“全てのシーンがラストの恐怖への伏線”という惹句どおり、見るからに怪しい“アレ”から何気なく見過ごしていた“アレ”まですべてが真実につながる伏線になっていました。凄かったね……。監督のアリ・アスターはこれが長編デビュー作。
疑心暗鬼に陥った人間の怖さを描く『イット・カムズ・アット・ナイト』(11月)。こちらはトレイ・エドワード・シュルツ監督の長編デビュー作で、“家族の話”であり“イヤな話”であるところも『ヘレディタリー/継承』と共通しています。本作に主演したジョエル・エドガートンは製作も兼任。
幽霊の物語ですが、ホラーというよりヒューマンドラマ、いや、魂のドラマと言える『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』(11月)。シーツをかぶった超クラシックなスタイルの幽霊が主人公。これを観たあとだと心霊系ホラー映画の見方が変わるかも?
2016年公開の『イット・フォローズ』で名を馳せたデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督の新作スリラーは、アンドリュー・ガーフィールド主演の『アンダー・ザ・シルバーレイク』(10月)。何度も観てあちこちに散りばめられた謎を確かめたくなる作品でした。
女性監督による少女ホラー・スリラー
心理面の描写が非常にリアルな、少女~若い女性が主人公のホラー・スリラー作が豊富でした。いずれも女性監督が手掛けています。
厳格なベジタリアンの少女が初めて肉を口にしたことから食人にめざめる『RAW 少女のめざめ』(2月)。
人を食べる人魚が陸に上がり、人間相手に初めての恋を経験する異色のミュージカルホラー『ゆれる人魚』(2月)。
思春期の少女が自身の変化に戸惑いながら予想外の“変態”を遂げていく『ブルー・マインド』(10月)。
レイプリベンジスリラー『REVENGE リベンジ』(7月)は、若さと美貌だけが武器だった主人公の精神的な成長をも描いた画期的な作品。
旅先で恋に落ちた相手に監禁されてしまう『ベルリン・シンドローム』(4月)は、危うげな被害者の心の揺れをテリーサ・パーマーが見事に演じます。
シリーズ作&リブート、リメイク作
人気シリーズの最新作、ありましたね。
トンデモサメ映画の人気シリーズ完結編『シャークネード ラストチェーンソー 4DX』(11月)。本来はテレビ映画なのに、なんと日本限定で4DXでの劇場公開。クールジャパンってこういうこと。
ジェームズ・ワンが生み出した『死霊館』ユニバースからは、顔が怖すぎる悪魔のシスター“ヴァラク”を描くスピンオフ作品『死霊館のシスター』(9月)。『死霊館』主演のヴェラ・ファーミガの実妹であるタイッサ・ファーミガが主演、顔がそっくりなのも色々胸アツ。
不動の名作『悪魔のいけにえ』の前日譚『レザーフェイス 悪魔のいけにえ』(5月)。レザーフェイスの幼少期~青年期を描いていますが、登場人物の誰がレザーフェイスになるのかラストまで分からないというトリックがあるので要注意。筆者は思いっきり勘違いしながら観てました。
リブート作は、ハリウッド版『リング』を再映画化した『ザ・リング/リバース』(1月)がありました。サマラ(アメリカ版の貞子)が床に倒れた薄型テレビから這い出てきたり呪いのビデオが動画として拡散されたり色々奔放なことになってます。
観る人を選ぶゴアゴアなフレンチ・スプラッター『屋敷女』がスペインの監督&脚本家でリメイクされた『インサイド』(7月)。ゴア描写は少し優しくなっており(とはいえ相当痛いです)、ラストも大幅な変更が。ツッコミどころもあるので友だちとワイワイ観ると楽しいやつ。
あの監督の新作も
イーライ・ロス監督のリベンジスリラー『デス・ウィッシュ』(9月)。ブルース・ウィリスを主演に迎えたイーライ初のアクション作品でしたが、イーライらしいシニカルな笑いとヒネリの効いた殺し方で思わずニンマリ。
『ジグソウ・ソウ:レガシー』スピエリッグ兄弟の新作は、実在の幽霊屋敷を題材にした『ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷』(6月)。死者の魂を鎮めるために屋敷の増改築を続ける女主人を名女優ヘレン・ミレンが演じました。
ホラー監督ではありませんが、漢映画の巨匠ウォルター・ヒル監督が手掛けたリベンジスリラー『レディ・ガイ』(1月)なんてのも。ミシェル・ロドリゲスが男装で演じる殺し屋(男)が、狂った外科医に性転換手術をさせられてしまう衝撃ストーリー。コメディかと思いきや意外と骨太なリベンジもの。
今年もお疲れ様、ニコラス・ケイジ
とにかく多作のニコラス・ケイジはホラー・スリラー系にも多数出演。
一番話題となったのは、リベンジスリラー『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』でしょう。トゥーマッチなほどに泣き喚く・ブチギレるニコラスの演技が見事に映画のテンションと調和している凄い作品でした。監督はパノス・コスマトスです。今後の活躍にも期待。
『アドレナリン』シリーズのブライアン・テイラー監督とタッグを組んだ『マッド・ダディ』(6月)。すべての親が突如自分の子供を殺そうとする不条理スリラー。悪趣味王子ジョン・ウォーターズ監督もお気に入りのようです。
奇しくも『マッド・ダディ』と同時期の公開となってしまい、あまり話題になりませんでしたが、エロティック・サイコスリラー『ダークサイド』(6月)にも主演していますよ。
こんな良作もあるよ
幽霊否定派学者が怪奇現象に遭遇しまくる英国ホラー『ゴースト・ストーリーズ 英国幽霊奇談』(7月)。舞台が原作だけあってトリッキーな演出があり、ハマる人ハマらない人に分かれそう。筆者は見事にハマりましたね~。
北欧の少女ホラー『テルマ』(10月)。信仰や支配的な親によって自分らしくいることを許されなかった少女が、秘められた恐ろしい力を目覚めさせてしまいます。ちなみに本作のヨアキム・トリアー監督はラース・フォン・トリアーの甥とされていましたが、かなり遠縁だそうで面識もないそうです。
特集上映『未体験ゾーンの映画たち』で上映された、ジャンル映画愛の詰まったVFXカルトホラー『ザ・ヴォイド』(1月)。カナダの映像集団アストロン6のメンバーによる監督作。
韓国スリラー『殺人者の記憶法』(1月)。ソル・ギョング演じるアルツハイマーの元殺人鬼が、娘を守るために現役の殺人鬼と戦うストーリー。曖昧な主人公の記憶が観る者を翻弄します。2月には新たなシーンを大幅に追加した『殺人者の記憶法 新しい記憶』が公開されました。
以上!
あなたが観た作品はいくつありましたか? お気に入りの作品が入っていなかったらごめんなさいね。
2019年にはリメイク版『サスペリア』やシャマラン監督の最新作『ミスター・ガラス』、名作ホラーの正当続編『ハロウィン』などなど話題作が控えています。来年も、どうぞお楽しみに!
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