ガジェット通信 GetNews

見たことのないものを見に行こう

体験を伝える―『ガジェット通信』の考え方

面白いものを探しにいこう 本物を体験し体感しよう 会いたい人に会いに行こう 見たことのないものを見に行こう そしてそれをやわらかくみんなに伝えよう [→ガジェ通についてもっと詳しく] [→ガジェット通信フロアについて]
ガジェ通制作ライブ
→ガジェ通制作生放送一覧

アベノミクスで景気回復って言うけど、GDPって本当に実態に合った経済指標か?(note)

果たして、どちらの見方が正しいのでしょうか?  そして、なぜ「景気が良くなった」という言葉の解釈が人によって異なるのでしょうか?

そもそも「景気が良い」の定義とは……

中世において、和歌を批評する際に「景気」という言葉が用いられたのが語源だと言われています。言葉で表現された枠の外に込められた景色や雰囲気などを指していたと言われています。

それがやがて経済用語として使われるようになると、売買や取引など経済活動全般の動向や、人々から見た経済の雰囲気を指すようになりました。みなさん、私の地元大阪に行ってコテコテの大阪人に会う機会があれば、ぜひ「儲かりまっか? 」と聞いてみて下さい。「ぼちぼちや」という返事なら景気が良くて、「あかん、さっぱりや」だと景気が悪いという意味です。

ただし政府が経済を運営するにあたっては「ぼちぼち」「さっぱり」のような雰囲気で判断する訳にもいかないので、数値に落とし込む必要があります。そのための指標としてよく使われるのは、GDPと、GDPの伸び(経済成長率)です。

GDPとは、国内で生み出されたモノやサービスの付加価値の総額を意味しています。国内で使われたお金の総額とも言えます。計算方法は国連が各国に対して通知しているため、国によって数字の意味が異なることもほとんどありません。したがって、国の経済規模を測るために世界中で使われている指標と言っていいでしょう。GDPを見れば、その国の経済規模が分かるのです。

そして、経済が成長しているか否かは、そのGDPが増えているか否かで決まります。1年前と比べてGDPが伸びた分だけ、経済が成長した証なのです。一般的には、成長度合いは今年のGDPを去年のGDPで割った割合で評価され、その数字は経済成長率と表現されています。経済成長率がプラスであれば「景気が良い」と言えるかもしれません。

名目GDPと実質GDPの違い

ちなみに、GDPには名目GDPと実質GDPがあります。

両者の違いは、簡単に言えば、物価変動の影響があるか否かを指しています。ものすごくザックリ説明しましょう。たとえば、あるカフェを想像して下さい。1 杯100円のコーヒーが100杯売れました。「材料費も上がってるし、値上げせな商売にならへんわ」と判断した経営者が、次の日に110円に値上げした結果、それでも同じく100杯売れました。

名目GDP的に考えると、100円×100個で10000円、次の110円×100 個で11000円になり、1000円分の拡大が起きています。一方で実質GDP的に考えると、10円分は物価上昇分なので計算せず、両方とも100円×100個で10000円になります。

つまり名目GDPは物価変動が含まれる分、経済の成長度合いが把握し辛いと言われています。そのため一般的には、国の経済の成長を測るには実質GDPが重視されます。経済成長率を求める場合、実質GDPを用いる場合が多いでしょう。

ちなみに日本の実質GDPは、1994年から2017年にかけて以下のように推移しています。

1994-2017年の実質GDP

約450兆円台から緩やかに階段を登るようにGDPが高まっていますが、落とし穴のように大きく下降した年があります。2009年、リーマンショックがあった年です。

さらに、実質経済成長率で見てみましょう。以下のように推移しています。

1994-2017年の実質経済成長率

2012年~2017年にかけてプラス成長が続いています。たった1%程度かもしれませんが成長しているのは間違いありません。つまりGDPという指標を用いて景気の良し悪しを判断するのであれば、今は景気が良いと言えるでしょう。

では、なぜ経済成長を実感できていない一部の人たちが居るのでしょうか。全体で見るとOKだけど、1つ1つを細かく見るとNGというのは、データ分析として考えれば、どこかで矛盾が起きているのに、全体をOKだと錯覚していると考えられます。

そこで、GDPという指標を様々な角度から細かく考えてみましょう。

なぜ経済成長を実感できないのか?

GDPは成長し続けていますが、以前の成長に比べると、明らかに鈍化したと言われています。経済成長を実感できるか否かは、結局のところ過去と比較しなければ分かりません。成長が鈍化し過ぎて、もはや成長を実感できないという可能性があるかもしれません。

そこで、1956年以降の実質GDPで見た経済成長率を調べてみました。以下のように推移しています。

1956年以降の実質GDPで見た経済成長率

図3-4からも分かる通り、1955年から1973年まで続いた高度経済成長、そして1974年から1991年まで続いた安定経済成長、1992年から現在まで続く低経済成長、大きくこの3つの時期に分けて考えることができます。

10代・20代の皆さんに「景気は良い? 」と聞くのと、キャリア30年のタクシー運転手に「景気は良い? 」と聞くのとでは、参照するべき人生の長さが違う分、感じ方もそれぞれ違うでしょう。何と比較して景気が良い悪いと言っているのか、実に曖昧なのです。

バブルの頃は10万円払って貰ってお釣りは全部くれたけど今はねぇ……。なんて昔話をされても、個人の武勇伝としては面白いですが、景気を推し量る上では、何ら参考にならない体験談だと言えます。

では、景気が良くなったと実感できなくなった人たちすべてを、単なる「勘違い」で済ませていいのでしょうか。そうとは言えないデータがあります。

前のページ 1 2 3 4 5次のページ
寄稿の記事一覧をみる

記者:

ガジェット通信はデジタルガジェット情報・ライフスタイル提案等を提供するウェブ媒体です。シリアスさを排除し、ジョークを交えながら肩の力を抜いて楽しんでいただけるやわらかニュースサイトを目指しています。 こちらのアカウントから記事の寄稿依頼をさせていただいております。

TwitterID: getnews_kiko

  • 誤字を発見した方はこちらからご連絡ください。
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちらから
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。
スマホゲーム タラコたたき