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日本が人手不足なら、なぜ私たちの給料は増えないのか?(note)

特に大きく下落しているのは「宿泊・飲食サービス」です。とにかく人手が足りないのでしょう。一方で「繊維」「電気・ガス」「石油・石炭製品」などはDIが0を下回っているものの、リーマンショック以降ほぼ横ばいで推移しています。つまり特定の業種で人手不足が発生しているのだとわかります。

ちなみに、雇用人員DIがマイナスに下降している業種は、平均就業時間が減少している傾向がわかっています(図6-13)。2003年と2016年を比較すると、もっとも人手不足と言われている宿泊・飲食業で約6.8時間減少しています。一方で「電気・ガス」はほとんど減っていません。

平均就業時間

労働時間の減少は、ブラックな労働環境に対する批判が強くなったという理由で説明できると思います。

すると、人手不足の可能性の1つとして、人手が足りないのではなく、今まで10人必要だった仕事を2人少ない8人で対応していた仕組みに限界が現れた、と見えなくもありません。ワンオペ職場を脱するため人手が必要なのに人が集まらないのだと考えれば、今までの雇用抑制が間違っていただけで、その反動にすぎないとも言えます。労働法規の遵守を徹底させることで、さらに求人数が増えるかもしれませんが、景気が良くなったゆえの人手不足とは言いがたいので、給料はなかなか上がらないかも知れません。

企業がより多くの労働者を求めている=経済に活気がある、と考えるのが一般的ですが、データからみると、そうとは言えない業種も中にはありそうです。その場合、失業率が低いからといっても、必ずしも労働者が有利だとは限りません。

このような状況下での就職活動は有利か不利か、という話もよく聞きます。売り手市場の今こそ自分をもっと売り出したほうが良いとも言われます。しかし本来なら、マクロ指標を見比べて大きなトレンドを追うより、あなた自身がやりたい仕事に就けるか否かが大事なのではないでしょうか。やりたくない仕事を無理して我慢しながら続ける人生の、どこが楽しいというのでしょう。

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「データサイエンス「超」入門」には掲載できなかった漏れ話

くしくも、この本を刊行して以降、人手不足緩和による出入国管理法(入管法)改正案が審議されています。

本章では、本当に人手不足なら、まず私たちの給料が上がってしかるべきなのに何故上がらないのかに着目しました。「無理なオペレーションに限界が来ただけでは?」が松本の仮説です。

単に「猫の手も借りたい」だけで、給料を増やしてまでの話では無いよ、というのが実際ではないでしょうか?

本来であれば設備投資をして生産性を高めなければならないのですが、人件費を削ることしかしてこなかった日本の経営者は「ブラック企業」批判を受けて、対策として、とりあえず人手確保するしかできないでしょう。もちろんすべてが全てそうではないでしょうが。

日本の経営力って、こんなもんなんでしたっけ?

 
執筆: この記事は松本健太郎さんの『note』からご寄稿いただきました。
https://note.mu/jyaga0716/n/n6209e050b551

寄稿いただいた記事は2018年12月5日時点のものです。

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