幾原邦彦監督アニメ『さらざんまい』は「カッパがいそうな浅草を舞台に少年たちがつながり合う作品」AGF2018ステージレポ

『少女革命ウテナ』『輪るピングドラム』『ユリ熊嵐』など数々のヒット作を生み出している幾原邦彦監督の新作オリジナルTVアニメ『さらざんまい』が2019年4月よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送。

11月11日の『アニメイトガールズフェスティバル2018』(AGF2018)で実施されたスペシャルステージで、あらすじとキャラクター設定を初解禁! そして、声優の諏訪部順一さん、幾原邦彦監督が登壇し、謎めいた作品内容について語られました。イベントでは、少年役のメインキャストからのビデオメッセージも!

『さらざんまい』イントロダクション
舞台は浅草。
中学2年生の矢逆一稀、久慈悠、陣内燕太の3人はある日、謎のカッパ型生命体“ケッピ”に出会い、無理やり尻子玉を奪われカッパに変身させられてしまう。
『元の姿に戻りたければ“ある方法”でつながり、ゾンビの尻子玉を持ってこい』ケッピにそう告げられる3人。
少年たちはつながりあい、ゾンビの尻子玉を奪うことができるのか?!
同じ頃、新星玲央と阿久津真武が勤務する交番でも何かが起ころうとしていたー。

・矢逆 一稀 やさか かずき(CV:村瀬歩)
中学2年生。かつてはサッカーが好きな明るい少年だったが、今は「あること」に夢中である。

・久慈 悠 くじ とおい(CV:内山昂輝)
一稀のクラスに転校してきた少年。悪い噂があり、クラスでも孤立している。

・陣内 燕太 じんない えんた(CV:堀江瞬)
一稀の幼馴染。一稀がサッカー部にいたころ、2人は“ゴールデンコンビ”だった。

・ケッピ(CV:諏訪部順一)
カッパ王国第1王位継承者を自称する謎のカッパ型生命体。人間の尻子玉を抜いてカッパにしてしまう。

・新星 玲央 にいぼし れお(CV:宮野真守)
交番に勤務する警官で真武の相棒。

・阿久津 真武 あくつ まぶ(CV:細谷佳正)
交番に勤務する警官で玲央の相棒。

作品のテーマは「つながり」

諏訪部さんから「個性の塊みたいな人」と表現されるほど、独特の世界観を持つ幾原監督。「ここに居て良いのかな」と思うようなキャラクターや異物が好きで、「そのギャップが生み出す空気が好き」と語ります。

そんな幾原監督が手がける今作のテーマは「つながり」。

幾原監督:今は、スマホでいろんなアプリを使って、つながりが日常的になっている時代で、それが何を意味しているのか、どうしたいのか、そういったところが作品のテーマになっています。つながりたいという欲求と、つながりがうっとおしいという気持ちが混在している。それが現代だと思うんですよ。そのままつながっていたらどこに行くのか、つながりを失ったらどうなるのか、つながりが必要なのか必要じゃないのかを描いてみたかったんです。

浅草が舞台のカッパの作品を作りたかった

幾原監督:実は、カッパの作品をつくろうと思ったのが先にありました。カッパで企画を作っていて、いろんなカッパ伝説を調べる中で浅草にたどり着きました。浅草の昔からの風景と現在が混在するなかで、ここならカッパがいるんじゃないかと思って。隅田川があるという環境もあり、命を感じる場所で、少年たちがつながり合う作品にしたかった。

諏訪部:浅草は子供の頃から行くことが多かったです。よく浅草界隈で映画を観たりしていました。ボーリングでパーフェクトみたいなスコアを出したことや、花やしきもよく行きましたし、馴染みのある場所ですね。観たことある風景ばかりなので、場所の設定だけでもときめきました。

今作で諏訪部さんが演じるのは、カッパ型生命体の「ケッピ」。幾原監督が最初から諏訪部さんに声を担当してほしいと考えていたそうで、「ケッピ」の発音は前が上がるのではなく、「カッパ」と同じアクセント。そして、幾原監督はアフレコ前に「今回はNGなしでお願いします!」と諏訪部さんに頼んだと言い、“限界を突破したNGのない諏訪部順一”が見れます、と期待を煽りました。

尻子玉が重要なモチーフ!

幾原監督:前々から、男の子の物語を作りたいと思っていました。カッパ伝説はいろいろありますけど、本当にカッパを見たことがある⼈はいない。この作品に出てくるカッパが本物のカッパです!と言いたいです(笑)。今まで妖怪が出てくるアニメたくさんありましたけど、僕に言わせると子供騙しです。これが本当の大人の妖怪モノです!

幾原監督:そしてカッパ伝説といえば、カッパが人から尻子玉を抜くことも有名ですが、本作では重要なモチーフとして取り⼊れています。尻子玉って、たぶん奪われたらすごく痛いと思うんですよ。その痛みみたいなものが表現されていると思います。

諏訪部:尻子玉は糸を引きます。いい感じのシズル感があります。アフレコ収録現場では、尻子玉を抜かれる瞬間を監督が実演してくれていたのですが、それを見るのが毎回僕たちは楽しみでした。

また、この日はイベントに来ることができなかった村瀬歩さん、内山昂輝さん、堀江瞬さんからもビデオメッセージが届き、その中でも村瀬さんが「幾原さんは尻子玉の成分をけっこう気にするんですよ。苦しいが何%、恥ずかしいが何%、ちょっと気持ちいいもあるみたいな」と尻子玉トークを繰り広げ、物語の重要な鍵となっていることが伝わってきました。

幾原作品のアフレコは監督自らの前説で始まる!

すでに全話のアフレコが終了しているという、順調な制作スケジュールの本作。

ビデオメッセージでは、「アットホームな現場で楽しかったです。監督の話が面白かった! あの雰囲気でテンションが上りましたね」(内山さん)、「僕はそれまで内山さんはクールなイメージだったんですけど、めっちゃ笑う人という印象になりました」(堀江さん)など、アフレコ現場の様子も語られました。

諏訪部:幾原監督自らがアフレコ前に前説してくださって、場の空気を温めてくれました。監督がアフレコブースの中にいらっしゃって「本日のお話を説明をします」と毎回説明をしてくださるんです。正直に言うと、監督は、あまりにも個性の塊で(笑)、台本の字面だけだと、ここはどういう意味なんだろう?という部分が多いのですが、それを監督が説明してくれました。監督が遅刻しようものなら、始められないんです、みんな分からないので。イッツ・ア・幾原ワールドという世界観でした。監督の説明で「なるほどそういうことか!」と理解して、スタートするんです。

新しくも懐かしい素敵な作品

諏訪部:この作品に関して、オリジナルアニメですので、言えないことが多すぎますが、『さらざんまい』は2019年4⽉からスタートということで、元号を放送中にまたぎます。ふたつの時代を行き来する、新時代のとっても新しくも懐かしい素敵な作品になりますので、ぜひ、期待してお待ちいただければと思います。

幾原監督:今もスタッフが鋭意製作中です。この時代に、つながるとはどういうことなのか、僕たちはつながってどこへ行こうとしているのか、みなさんと共有したいと思います。

ビデオメッセージでは、「現代社会ではSNSとかで簡単につながれるんだけど、本当にそれで実際につながっているのか?と考えさせられる作品」(村瀬さん)、「僕は普段Twitterばかりいじっていて、心と心で全然つながっていないような生活をしているので、そういう人ほど観てほしいなと思います。普段見落としているかもしれないようなつながりを意識する作品になっていると思う」(堀江さん)と魅力が語られた『さらざんまい』。どんな作品になっているのか、期待が高まります!

諏訪部順一&幾原邦彦コンビでラジオレギュラー放送決定!

さらに! TVアニメ『さらざんまい』のラジオ番組が2019年1月より放送決定! 番組名は『ぷれざんまい』! 2019年4月からのアニメ放送とあわせて本放送がスタートするため、2019年1月~3月まではプレ放送となります。幾原監督がラジオMCで初レギュラー出演!

MC:ケッピ役:諏訪部順一、監督:幾原邦彦
放送局:文化放送と文化放送超!A&G+(プラス)
放送日時:毎週(土)21:00『A&G TRIBAL RADIO エジソン』内にて「ぷれざんまい」放送!

玲央と真武によるゆるふわ浅草勤務日誌twitter、11月11日より“ほぼ”毎日更新!

アニメの重要⼈物となる警察官コンビ、新星玲央と阿久津真武のほのぼのとした日常を描いていくスピンオフ漫画『レオとマブ〜ふたりはさらざんまい〜』(斎藤岬)が偶数月は「ルチル」本誌、奇数月はWEBサイト「ルチルSWEET」にて連載中!

また、11月11日より「玲央と真武」によるゆるふわ浅草勤務日誌Twitterが2019年3月31日までの期間限定で“ほぼ”毎日更新!

ツイッターアカウント:玲央と真武 @keeponly1luv

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TVアニメ『さらざんまい』
2019年4⽉よりフジテレビ “ノイタミナ”ほかにて放送
【STAFF】
監督:幾原 邦彦
チーフディレクター:武内 宣之
シリーズ構成:幾原 邦彦/内海 照⼦
キャラクター原案:ミギー
キャラクターデザイン・総作画監督:⽯川 佳代⼦
コンセプトデザイン:柴⽥ 勝紀/松嶌 舞夢
美術監督:藤井 綾⾹ スタジオPablo
⾳楽:橋本 由⾹利
原作:イクニラッパー
制作:MAPPA/ラパントラック
【CAST】
⽮逆 ⼀稀:村瀬 歩
久慈 悠:内⼭ 昂輝
陣内 燕太:堀江 瞬
ケッピ:諏訪部 順⼀
新星 玲央:宮野 真守
阿久津 真武:細⾕ 佳正

アニメ公式HP:
http://sarazanmai.com[リンク]

(C)イクニラッパー/シリコマンダーズ

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アニメや可愛いものが大好き。主にOtajoで執筆中。

ウェブサイト: http://otajo.jp/

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