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創造性が爆発する『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』パノス・コスマトス監督インタビュー 「映画でやれることはまだまだあると思う」[ホラー通信]

チェダー・ゴブリンのCM部分はキャスパー・ケリーという監督に撮ってもらいました。『グーリーズ』(1985年のモンスター映画)とチーズのCMなんかを見せて、「こんな感じで」と……まあ、僕『グーリーズ』が全然好きじゃないんですよ(笑)。アハハハハハ! その嫌な感じを活かしてもらいました(笑)。そうやって生まれたチェダー・ゴブリンも今やセレブですよ! アハハハハハ!!


※↑ チェダー・ゴブリンのTwitterアカウント。なぜか映画の公式アカウントよりもフォロワーが多い

今までやってきた様々な表現の集大成が僕の映画

――設定や物語に多くの謎があるのがとても印象的です。そういった部分は観客のイマジネーションを刺激する意味合いがあるのですか?

コスマトス:どこで見たのか僕も思い出したいんだけど……“見せない部分も見せる部分と同じくらい重要だ”という言葉があったんですね。特に前作『ビヨンド~』を作ったときはそれを強く意識していました。映画の大きな要素を見てもらって、描かれていない部分に関してもそこからイマジネーションをふくらませる。観る人がそういった“映画との関わり方”をすることでより満足度が得られるそうなんですね。それに関しては僕自身も観客として感じていることなんです。

――謎の多い物語もそうですが、監督の作品はとにかく独特の世界観を持っていますよね。その創造性はどこから来ているのでしょうか。

コスマトス:そうだなぁ。僕も映画を撮り始める以前に、自分の作りたいものや、自分のスタイルを模索していた時期がありました。色々な美術やコラージュ、写真、実験的な音の制作にもトライしてみたんです。ただ、そういった様々な表現欲求を統合してできるものが映画だったんですよ。自分の持つ興味を集約できるものとして、僕は映画を作りたいんだという結論に至ったんです。

あとは自分の映画言語を突き詰めていく作業ですね。1作目を作る前に自分のビジョンを見せるためにミュージックビデオを一本撮ったんですね。そこで僕の今のようなコンセプトが詰まっていたと思います。なので創造性のために何かをやるというより、今までやってきた様々なことの集大成として今の僕のクリエーションがあると思います。映画に登場するマンディも絵を描きますが、創作や表現をコミュニケーション手段として使うと、より人生が豊かになると思うんですよね。


※↑ コスマトス監督が2007年に制作したMV(Handsome Furs『Dumb Animals』)

映画表現はやり尽くされてなんかいない

――今作には監督の好きだったカルチャーが様々なところに散りばめられているそうですね。好きなものを詰め込んで新たなものを創作するのが監督のスタイルという感じでしょうか。

コスマトス:そうなるでしょうね! 特に今作に関しては。自分の若いとき・幼いときに持っていた感性を呼び覚まして、それを爆発させたのが今回の映画なんです。

――お父様が映画監督であることはよく紹介されていますが、お母様は彫刻家だそうですね? お母様からもやはりクリエイティブ面で影響を受けていらっしゃいますか。

コスマトス:父は映画監督ですから実践的な映画製作を学ばせてもらいました。そして僕の創造性を育み、それを伸ばしてくれたのが母です。母はオープンで実験的な彫刻家でした。僕のスタイルは80年代のアクション映画を撮ってきた父と、自分の内面を見つめて実験しながら創作する母、その両方がミックスされたものだと思っています。

――なんだかとても納得しました。

コスマトス:それはよかった! ハハハハ!

――前作と今作で、ご両親の死から生まれた創作が完結したと思いますが、そこである種満足もしておられるのかなと思うんですね。今後は映画作品は作っていかれるのでしょうか。

コスマトス:僕はジャンル映画というものが大好きなので、一生作っていくと思いますよ! ただ、前作と今作は本当に陰と陽、対を成すような関係性をもったものです。なのでその創作については完結したと言えます。だけども今後の作品については、映画の限界を押し広げるような実験的なものに取り組んでいきたいと思いますね。「映画はもう死んだ」とか、「映画の表現はすべてやり尽くされた」と言う人もいますけど、僕はまだやり尽くされたなんて思いません。まだまだやれることはあると思っていますよ。

作品概要

『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』
2018年11月10日(土)日本公開

監督:パノス・コスマトス
音楽:ヨハン・ヨハンソン 『メッセージ』『博士と彼女のセオリー』
出演:ニコラス・ケイジ『ゴーストライダー』、アンドレア・ライズブロー『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』、ライナス・ローチ『フライト・ゲーム』
2017/ベルギー/カラー/英語/121分 原題MANDY
配給:ファインフィルムズ  公式サイト:www.finefilms.co.jp/mandy

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記者:

デザイナーと記者の二足のわらじ。ふだんはホラー通信(http://horror2.jp/)で洋画ホラーの記事ばかり書いています。好きなバンドはビートルズ、好きな食べ物はラーメンと角煮、好きな怪人はガマボイラーです。

TwitterID: _reinus

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