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理系学習マンガは誰を先生役にし、誰を生徒役にしてきたか。-NHKキズナアイ騒動をうけて(銀河孤児亭)

集計およびまとめ

という訳で以上で終了。ブルーバックスの漫画書籍にしろオーム社の「マンガでわかる」シリーズにしろ、実際には私が持っていない本もいくつもあるのだが、ある程度の網羅にはなっているのではないかと思う。

さて、ではここから先生役と生徒役の性別集計に移る。まとめは以下の通りだ。

生役と生徒役の性別集計

(追記:コメ欄にて集計ミスを発見したので貼り直し)

見て分かる通り、2006年ごろまでは圧倒的に「男性が先生役、女性が生徒役」という配役が支配的だったが、2008年以降では男女比はほぼ同等か、若干ながら「女性が先生役、男性が生徒役」の方が多いと言える。(まあサンプル数的に誤差範囲ではあるが)
これは学習漫画に限らず一般の漫画読みの実感とも合うのではないだろうか? 女性に何かを教わる系の漫画がここ10年程で飛躍的に増加したように感じているのは私だけではないはず。さらに言えば、学ぶ系に限らずバトル物やミステリー物でもホームズ役を女性キャラ、ワトソン役を男性キャラが担う漫画がかなり増えてきたように思う(あるいはドン・キホーテとサンチョ・パンサか)。

また、「先生役も生徒役も同じ性別」というのが男女共に極めて少ないことにも少し注目したい。これに関しては、恋愛感情を生徒役の学習モチベーションにしているパターンがいくつか見られた。生徒役は勉強嫌いで当該科目に苦手意識を持っている状態からスタートするパターンが多いため、いわゆる「不純な動機」を与えてやることでスムーズに勉強の話へと展開できる訳だ。
ただ、個人的にはそれよりも学習の進度を男女関係の進展に同期させることがドラマの進行として極めて有効だからでは無いかと推測している。漫画として面白い学習漫画を描こうとすれば、学習の進行とストーリーの進行を同期させるための仕掛けが必要となり、初学範囲を一通り習得することが別の何かの達成に繋げることでストーリーが盛り上がる。そう考えると、それを男女関係の成就に結びつけるのはかなり手っ取り早い方法のように感じられる(ここで同性愛云々の話もできなくはないのだがまあそれは置いといて)。勿論男女関係に頼る必要は無いが、恋愛要素が絡まない作品の場合も学習と同期しうる何らかの仕掛けが求められるのだ(逆に言うとそうした仕掛けが弱い作品は理論や知識の説明が良くても、1漫画作品としてはどうしても魅力に欠ける)。

さて私個人の学習漫画論はこの程度にしておいて、とりあえず少ないサンプル数ながらにデータらしいデータの提示はできたのではないかと思う。このデータから何を読み取るも、どう利用するも自由なので、この記事を読んでくれた読者の方々には是非とも有効活用してくれれば幸いである。
加えて言うなら、上記の調査結果は所詮私が趣味で個人的に集めている数十冊程度であり、本来学習マンガ界全体に比べたらごくごく1部に過ぎない(冒頭に述べた通り、2005年以降「マンガでわかる」のキーワードにヒットする書籍は700冊以上出ているのだ)。ので、本記事を呼び水に「自分も手持ちの調べてみました」って人が集まってくれるのが一番良いのだと思う。

という訳で今日の所はこの辺で。(本当は連休中にアップしたかったんだけど)

追記(10/12)
・最後に一文追加(加えて言うなら~一番良いのだと思う)

・本記事を受けてid:bookroad氏が学研まんがについての記事を執筆されたのでリンク。本記事では手落ちの小学生向け書籍について語っておられるので興味ある人は是非以下参照。

「学研まんがを読んでた自分は「女の子が頭のいい役」に慣れてたって個人的な話」2018年10月11日『備忘録、データ集、或いは一時保管所』
https://bookroad.hatenablog.com/entry/2018/10/11/065123

執筆: この記事はあでのいさんのブログ『銀河孤児亭』からご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2018年10月16日時点のものです。

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