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さらばカブトムシ フォルクスワーゲン・ビートルが2019年に生産終了

さらばカブトムシ フォルクスワーゲン・ビートルが2019年に生産終了

 世界中に愛されたドイツを代表する車、フォルクスワーゲン・ビートルがついに生産終了です。2018年9月13日、フォルクスワーゲンは2019年7月に販売予定の特別仕様車「ファイナル・エディション」をもって、ビートルの生産を終了すると発表しました。

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 世界中に知られたフォルクスワーゲン・ビートル。その歴史は大きく2つに分けられます。まずは2003年まで生産されたリヤエンジン・後輪駆動(RR)の「タイプ1」、そして1998年から現在にいたるフロントエンジン・前輪駆動(FF)の「ニュービートル」、「ザ・ビートル」です。
さらばカブトムシ フォルクスワーゲン・ビートルが2019年に生産終了2018年夏のイベントで集合した歴代ビートル

 初代「ビートル」は、1933年にドイツ首相となったアドルフ・ヒトラー(翌1934年、ヒンデンブルク大統領死去に伴い大統領権限を個人で継承し総統)の大衆政策の一環で、「国民車(フォルクスワーゲン)」構想が打ち出されたことがきっかけで誕生しました。1920年代から高性能な小型車の案を温めていたフェルディナンド・ポルシェはこの構想に乗り、当時最もパッケージングに優れた形式だった空冷リヤエンジンの後輪駆動(RR)形式を持つ流線型の小型車を提案。ヒトラーに採用されて詳細設計に入り、1936年に現在の形となる試作車が完成、そして1938年から量産体制に入りました。

さらばカブトムシ フォルクスワーゲン・ビートルが2019年に生産終了1935年の試作車(VW3)
さらばカブトムシ フォルクスワーゲン・ビートルが2019年に生産終了1937年の試作車(VW30)

 ヒトラーにより「Kdf Wagen(カーデーエフ・ヴァーゲン。歓喜力行団車)」と名付けられたこの車は、現在の自動車ローンとは逆の積立金方式で毎月一定額を納めていき、満額になったら車が引き渡されるという方式で販売されました。しかし、直後に勃発した第二次世界大戦で経済情勢が激変してしまい、満額まで代金を納めて車を手に入れた一般市民は皆無。生産ラインも軍用車両用にほとんどが振り向けられ、実際の車を手にしたのは軍人や政権幹部など、ほんの一握りだったと言われます。モデルは通常のセダンタイプの「リムジン」、開閉式ソフトトップ仕様の「カブリオリムジン」、コンバーチブルの「カブリオ」の3種が設定されていました。

さらばカブトムシ フォルクスワーゲン・ビートルが2019年に生産終了1938年のKdf発表会。左からサンルーフ付きカブリオリムジン、カブリオレ、リムジン
さらばカブトムシ フォルクスワーゲン・ビートルが2019年に生産終了1938年の初代生産仕様(VW38リムジン)
さらばカブトムシ フォルクスワーゲン・ビートルが2019年に生産終了1938年の初代量産仕様(VW38カブリオレ)
さらばカブトムシ フォルクスワーゲン・ビートルが2019年に生産終了1938年、ベルリンを走るKdf(VW38)

 戦争中はこの車のレイアウトを応用して、様々な軍用車両が作られました。代表的なものがキューベルワーゲン(タイプ82)や、四輪駆動の水陸両用車シュビムワーゲン(タイプ166)です。戦争末期になると日本同様に燃料の枯渇に悩まされ、木炭ガスでエンジンを動かす木炭車仕様も製造されました。

さらばカブトムシ フォルクスワーゲン・ビートルが2019年に生産終了第二次大戦中の生産ライン
さらばカブトムシ フォルクスワーゲン・ビートルが2019年に生産終了四輪駆動の水陸両用車シュビムワーゲン(Typ166・1944年仕様)
さらばカブトムシ フォルクスワーゲン・ビートルが2019年に生産終了木炭車仕様のキューベルワーゲン(上)とKdf(下)

 戦後、ようやく民生用の生産が再開され、本当の意味での「フォルクスワーゲン(国民車)」となります。勘違いしがちですが、この車のモデル名は「フォルクスワーゲン」であり、これにエンジン排気量が付記されるのみ。「タイプ1」というのは、アメリカでフォルクスワーゲン社から他の車種が販売されるようになって便宜的につけられたもので、ビートルというのは工場を見学に来た人が形を見て「ビートル(カブトムシ。甲虫)みたいな車」と言ったことが発端とされています。

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