老舗BARのベテラン バーテンダーが教える!カクテルの基本と極旨レシピ5選!

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老舗BARのベテラン バーテンダーが教える!カクテルの基本と極旨レシピ5選! 店内の雰囲気 店内の雰囲気カクテルとはベースとなるお酒に違うお酒やジュース、シロップ、果物、クリームなどを混ぜ合わせて作ったお酒のこと。材料の組み合わせや作り方、味が幾通りもあるカクテルの中から自分の好みを探し、新しい美味しさを発見するのが魅力です。奥深いカクテルの基本と本格的なレシピやバーテンダーのアルバイトについて、日比谷Bar チーフディレクターの平澤拓也さんにお話を伺ってきました。

 

カクテル作りの基本道具を準備しよう

 

―カクテル作りに必要な基本の道具を教えてください。

シェイカー、バースプーン、メジャーカップ、この3つは揃えて欲しいです。東急ハンズにも売っていますし、インターネットでも手軽に手に入ります。値段もピンキリですが、3つ揃えても5,000円で十分お釣りが来る道具が多いでしょう。シェイカー、メジャーカップ、バースプーン写真右:シェイカー、左:メジャーカップ、下:バースプン

シェイカー

シェイカーに、氷とカクテルの材料を入れて一緒に振ります。シェイクの効果としては3つあります。

1 材料をよく混ぜる

比重が大きく違うお酒や、クリーム等の混ざりにくい材料をよく混ざった状態にします。

2 カクテルがよく冷えた状態にする

氷と一緒に振るので、瞬時に冷却されたカクテルが作れます。

3 味をまろやかにする

シェイカー内の空気が材料の中に取り込こまれるので、アルコール度数が高いお酒も、味がまろやかになり飲みやすくなります。

氷の温度、振り方、振る回数など、カクテルにあった使い方をするのがシェイクカクテルのテクニックです。また、シェイカーは3つの構造となっています。材料を入れる部分をボディ、ボディに被せる部分をストレーナー、ストレーナーの蓋のことをトップといいます。

バースプーン

柄の長いスプーンの反対側にフォークがついているもの。スプーン部分は主に氷と材料をかき混ぜるのに使用し、効率よく混ざるように柄が捻じれています。カクテルをバースプーンで軽く混ぜる技法を「ステア」といいます。

混ざりやすい材料のカクテルはシェイカーを使わなくてもステアで十分です。逆にシェイクするとカクテルが濁り、カクテルの味がまるくなり、美味しさが損なわれてしまいます。フォーク部分はフルーツやオリーブなどをカクテルに添える際に使います。

メジャーカップ

カクテルの分量を計量する道具です。30mlと45mlのカップが対になっているタイプが一般的。シングルと言われているお酒の量が丁度30mlです。45mmもお酒の計量によく使います。

 

ベテランバーテンダーが今おすすめする極旨レシピ5選はこれだ!

 

―おすすめのカクテルの作り方を教えて下さい。

道具が揃っていなくても、コンビニだけで手に入る材料で出来るカクテルやシェイカーを使った本格的なカクテルなど、一押しのカクテル5品のレシピを紹介します。

【ショートカクテルの王道!―ギムレット―】

ギムレット

シェイカーを使った本格的なカクテルの王道・ギムレットはいつの時代も人気の一品です。アルコール度数がかなり高いですが、強いお酒の香りやインパクトとフルーティーな飲みやすさをどちらも持ち合わせており、酔っ払いたいけど、ストレートは苦手という人にはおすすめです。 材料:ジン:45ml

ライムジュース(ライム果汁100%):15ml

カクテル用シロップ(ガムシロップ):5ml

計量はメジャーカップやご家庭にある大さじ、小さじなどをお使いください。

1. カクテルグラス(なければシャンパングラス)に氷を入れてグラスを冷やします。この時にバースプーンでかき混ぜるとより素早くグラスを冷やすことができます。予めグラスを冷蔵庫に入れて冷やしておいてもよいでしょう。ただし、冷凍庫で冷やすと霜がついて美味しさが損なわれるのでNGです。

2. シェイカーのボディに氷を山盛り入れます。その中にジン、ライムジュース、シロップを入れます。

氷

3. 1 でカクテルグラスに入れた氷を捨てます。材料を入れた2にストレーナーをはめた後で、トップで蓋をします。ストレーナー、トップと順に蓋をする理由は、シェイカーの中に氷を入れて振ると、中の空気が急に収縮し、気圧でトップが外れなくなるのを防ぐためです。

4. 3のトップを右手の親指で押さえて、左手の薬指と中指でボディの底を押さえます。右手の人差し指でストレーナーを押さえながら、ストロークを効かせて前後運動を40回繰り返します。(※下記写真参照)

シェイク方法01 シェイク方法01

5. トップを開けてカクテルグラスに液体を注いで完成です。カクテルグラスがない場合はロックグラスに注いで、氷をいれてもよいでしょう。

 

注ぎ方

【見た目よし!―アメリカンレモネード―】

アメリカンレモネード

赤ワインをベースに、二層に分かれた見た目が美しいカクテルです。アルコール度数も高くないので、お酒が苦手な人にもおすすめです。安価な赤ワインや、開封して時間がたって酸化した赤ワインでもおいしく飲めるので、飲みきれなかった赤ワインの活用にも◎。作り方がとても簡単なので、初心者の方にも作ってほしい一品です。 材料:赤ワイン:適量

レモンジュース(レモン果汁100%):30ml

カクテル用シロップ(ガムシロップ):10ml

水:適量

1. 背の高いグラスに氷と赤ワイン以外の材料をすべて入れて、バースプーンで良く混ぜます。よく混ぜることでグラスも冷えます。

混ぜ方

2. 1のグラスにマドラーをさします。赤ワインを氷の上からゆっくりと注いで行って完成です。マドラーをさす場合は、必ず赤ワインを注ぐ前にさします。

注ぎ方 注ぎ方

【本格的!-手の込んだハイボール-】

ハイボール

ウイスキーが苦手な人でも飲みやすく、老若男女問わず人気のお酒です。居酒屋でも、家飲みでもお馴染のハイボールですが、お店では炭酸とウイスキーの美味しさを最大限引き出すため、気を使って作っています。ひと手間加える美味しい作り方を覚えて、本格的なハイボールを楽しみましょう。 材料:ウイスキー:30ml

ソーダ:90ml

1. お店では10(テン)オンスタンブラーと呼ばれている長いグラスを使っています。1オンス=約30mlなので10オンス=300ml入るグラスになります。10オンスグラスに氷を上までいれてバースプーンで20回してグラスを冷やします。グラスが温かいと炭酸が抜けやすくなるので必ず冷やしてください。予めグラスを冷蔵庫で冷やすのもOKです。この場合も冷凍庫だと霜がついてしまい、炭酸が抜けるのでNGです。

グラスと氷

2. 1で溶けた水と氷を捨て、新しい氷を入れます。十分に冷えたグラスに新しい氷を入れることで、水っぽくなってしまうのを防ぎ、より冷たい状態にします。

3. 2の氷に当てながらウイスキーを注ぎます。氷にウイスキーをかけることで、氷の表面の霜や凹凸を溶かして表面がツルツルになり、より炭酸が抜けにくい状態になります。

ウィスキーの注ぎ方

炭酸をグラスの内側に当てて注ぎます。炭酸がグラスの内側を伝い、炭酸が抜けないように注くので、炭酸がより長持ちします。

炭酸の注ぎ方

4. 3にバースプーンを入れ、氷をひっかけて持ち上げ、ゆっくりと氷をおろします。ウイスキーは比重が軽く非常に混ざりやすいので、氷を持ち上げて下ろすだけで十分に混ざります。グルグルとかき混ぜると炭酸が抜けしまうのでNGです。

かきまぜ方

最後にアクセントとして、お好みでグラスの下から上に向かってレモンピールをシュッと搾ります。レモンの香味成分は上に行き、脂分は下に落ちるので、レモンの香味成分だけをハイボールに入れることができます。

レモンの絞り方

【女子に大人気!-贅沢!フレッシュフルーツカクテル-】

フレッシュフルーツカクテル

生の果物を丸々潰して、ウォッカ、シロップで作る、フルーティーで女性に人気のカクテルです。潰しやすいみかん、レモン、キウイフルーツなどがよく合います。色々なフルーツで試したり、シロップの代わりに蜂蜜を入れたりと、自分なりのアレンジができます。 材料:ウォッカ:※適量

フルーツ(みかん、オレンジ、キウイ、レモンなど):※適量

※ウォッカ:フルーツ=1:2

カクテル用シロップ(ガムシロップ):5ml程度(お好みで調整)

1. 氷が少し解けたぐらいが美味しいので、クラッシュアイスやなるべく細かい氷を用意します。コンビニやスーパーで手に入るので買ってきてもよいでしょう。お店ではアイスクラッシャーで氷を細かく砕きますが、自分で作る場合は綺麗な布巾に氷を包み、すりこぎなどのご家庭にある硬いもので叩くだけで細かい氷ができます。

氷の砕き方

2. ロックグラスに、刻んだフルーツを入れてすりこぎで潰します。もし、リンゴやナシなどの硬いフルーツを使いたい場合は、潰れにくいのでみじん切りにするか、すりおろしてください。

3. 2に1の氷を入れて、ウォッカ、シロップを入れてバースプーンでよく混ぜ合わせます。シェイカーで作っても美味しいです。

【純米酒の日本酒カクテル-SAKENICサキニック-】

SAKENICサキニック

カクテルベース専用の日本酒を、さらに専用に開発されたトニックウォーター(サキニック炭酸)で割ったカクテルです。すっきりと爽やかな味わいながら、日本酒本来のかすかな旨み深みがあり、日本酒スパークリングのように甘くないのでどんな料理にも合うのが特徴です。 材料:カクテル用日本酒 (写真は吉乃川 基酒 JUNMAI):60ml

トニックウォーター(写真はサキニック炭酸):60ml

オレンジピール:1片(お好みで)

1. グラスに氷を入れます。グラスはハイボールと同様に10(テン)オンスタンブラーと呼ばれている長いグラスがおすすめです。

2. 1にカクテル用日本酒を入れます。この場合もハイボールと同様に氷に当てながら注ぐとトニックウォーターの炭酸が抜けにくくなります。

3. 1にトニックウォーターを注ぎます。

4. 2にバースプーンを入れて、1~2回軽く混ぜます。混ぜすぎると炭酸が抜けてしまうので軽くまぜてください。

5. オレンジピールを絞れるとより、風味豊かになります。

カクテル用日本酒と専用のトニックウォーターは酒屋さんや、インターネッでも購入できます。お店では、新しい日本酒の飲み方として人気もありますね。

 

味わいがあるおつまみも!

 

―カクテルに合う極旨おつまみ一品を教えてください。

特にハイボールやウイスキーと相性がよい燻製をご紹介いたします。お店では専用の燻製機を使っていますが、実はフライパンで簡単に出来ます。スモークに使う燻製チップは安いものだと300~400円位から購入可能です。様々な樹木のチップが発売されており、食材によって使い分け、ブレンドすることで違った風味になるので非常に奥の深いおつまみです。ウイスキーの樽材と同じ、ナラを使った燻製チップもおすすめです。

燻製はチーズ、お肉、ベーコン、魚介類など、硬くて比較的高級な食材が向いていると思われていますが、はんぺん、シュウマイ、かまぼこなどの柔らかくて安価に購入できる食材もとてもよく合います。カクテル同様に奥深く自分なりのアレンジが効かせられる燻製を楽しんでみるのはいかがでしょうか。

 

―最後に、バーテンダーのアルバイトの実情を教えてください。

 

お店にもよりますが、カクテルが好きで、勉強したい!という人には非常にやりがいがあり、勉強できる環境だと思います。勉強して覚えていく必要があるので、興味がある人でないと難しいとは思います。混み合う金曜日に一人でカウンターを回せることがまずは目標ですね。将来飲食業界に就職を考えていない大学生でも、「今しかできない」という理由や、カクテルを学びたくてアルバイトの面接に来てくれることも多いですね。

 

美味しさを追及できるカクテル!

カクテルの美味しさは、見た目、匂い、味、冷たさ、口の中での感触など様々な要素で決まるため、知識とテクニックが必要です。まずは今回ご紹介させていただいた極旨カクテル5選を覚えてみましょう。家飲みはもちろん、バーベキューなどのパーティーで取り入れてみると、盛り上がること間違いなしです。 取材協力・写真提供:日比谷Bar http://www.hibiya-bar.com/

取材・執筆・撮影 水谷恵理子

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