3Dプリンターで出力可能!脊髄損傷の機能回復に役立つバイオデバイスが開発される

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米ミネソタ大学の研究チームは、2年間にわたる研究期間を経て、2018年8月、損傷した脊髄の機能回復につながるバイオデバイスを開発した。

脊髄が損傷した部分に移植することで、損傷部分の上下にある正常な神経細胞との橋渡しをするのが特徴だ。

・3Dプリンターで出力し、脊髄損傷の機能回復を助けるバイオデバイス

このバイオデバイスは、独自の3Dプリンティング技術を活用し、まず、シリコン製の“足場”を出力した後、この“足場”にヒト成人から採取した複数種の細胞を出力することで生成される。

“足場”によって保護された細胞はやがて神経細胞に変化し、正常な神経細胞とつながることで、限定的ながら、脊髄損傷によって失われた機能の回復や改善につながるのが利点だ。

一般に、繊細な細胞を傷つけることなく3Dプリンティングすることは至難の業とされているが、研究チームでは、独自の3Dプリンティング手法を考案。

3Dプリンティングの過程での細胞の生存率を75%に維持し、生存した細胞を正常な神経細胞に変えることに成功した。

・バイオエンジニアリングと3Dプリンティングの融合で医療が進化!?

バイオエンジニアリングと3Dプリンティングを応用したこのバイオデバイスは、脊髄の損傷部分をまたいで神経信号を伝達することで失われた機能が改善することを示しており、脊髄損傷や神経疾患の治療に新たなアプローチをひらく成果としても注目されている。(文 松岡由希子)

University of Minnesota

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