“東洋のナイアガラ”とラベンダーの絶景を満喫する、夏の群馬ひとり旅

“東洋のナイアガラ”とラベンダーの絶景を満喫する、夏の群馬ひとり旅

はじめまして。写真家の大村祐里子と申します。普段は写真を撮影したり、文章を書いたり、イベントで変わった格好をしたりと、さまざまな活動をしております。

最近は、プライベートで「ひとり旅」にハマっています。好きなカメラを持って、好きな場所を好きなように撮ることが、カメラ女子(女子という年齢でもないですが……)である私にとって最高の癒やしです。

今回はふと「絶景をめぐる旅をしてみたい」と思い、住まいのある東京からも気軽に行ける、群馬県の沼田を訪れてみました。もちろん、ひとりで!

絶景を目指してエンヤコラ

Maxとき

Maxとき。愛でたくなる、つるりとした滑らかなフォルム

大自然の絶景スポットを求めて。まずは、東洋のナイアガラと呼ばれる「吹割(ふきわれ)の滝」を目指します。

朝の9時前に、JR東京駅から「Maxとき309号」に乗車し、約1時間でJR上毛高原駅へ。上毛高原駅から関越交通バスに乗り換え、30分ほどするとJR沼田駅に到着。

少し時間があったので、沼田駅前のコンビニに入りました。お店の方に「どこに行くの?」と聞かれたので「吹割の滝です」と答えると、「じゃあこれを使ったほうがいいよ」と“沼田市周遊1日フリー乗車券”なるものを勧めていただきました。沼田駅と吹割の滝の間をバスで移動する方は、このチケットを使ったほうがお得なんだそうです。ありがたい情報!
関越交通バス

バスの中に降り注ぐ、夏っぽい光。いいお天気でよかった

先ほどのフリー乗車券を握りしめ、JR沼田駅から関越交通バスに乗り、揺られること約40分。だいぶ山の中に来たな……本当に、こんなところに滝があるんだろうか……と不安に思い始めたころ、「吹割の滝」に到着。
吹割の滝 看板

わかりやすい看板。これなら絶対に迷いません

バスを降りると、目の前に「吹割の滝」と書かれた看板が掲げられていました。私は極度の方向オンチなので、知らない土地での移動に常に不安を覚えているのですが、あまりにわかりやすい看板で安心しました。

大迫力!“東洋のナイアガラ”吹割の滝

吹割の滝に向かう道

滝に向かう道の途中には、気になるお店が軒を連ねていました。

入り口から2~3分ほど坂道を下っていくと、だんだん涼しげな水の流れる音が聞こえてきました。この先に大きな滝があるんだ……と、期待が高まります。
吹割の滝

大迫力!

ついに吹割の滝が姿を現しました! 高さ7メートル、幅30メートルの岩の上から、ごうごうと音を立てて流れ落ち、飛散する水の迫力といったら! 当日は30度を超える焼け付くような暑さでしたが、しばらくしてから、時間も気温も忘れ、無になって滝を眺める自分にハッと気がつきました。引き込まれるって、こういう状態をいうのでしょうね……。「東洋のナイアガラ」という異名は伊達じゃない。
吹割の滝 遊歩道

すぐ近くに滝を感じられます

雄大な自然美を体感しながら散策できるよう工夫された、滝の真横にある遊歩道を進んでいきます。 岩の亀裂に水が落下するポイントは複数あり、歩いていて飽きません。

滝というものは、上から落下してくる水を滝壷のほうから見上げるパターンがほとんどですよね。吹割の滝は、それと逆のパターン。ゆえに、一般的にイメージする滝とはまったく違う姿に衝撃を受けました。

観瀑台と……思ったより急だった山道

山道

先ほどとはまったく違った景色!

遊歩道の先には吊り橋があり、それを渡ると、先ほどの反対側から滝を眺められる道に進むことができます。
山道

めっちゃ、山

看板の指示通りに歩いていくと、完全に山道に。しかもだんだん斜面も急になり、あれ? 私、登山をしに来たんだっけ? と勘違いせざるを得ない状況に。息を切らせながら「観瀑台こちら」の看板を頼りに進みます……。なかなかにハード。
観瀑台からの眺め

観瀑台からの眺め

浮島橋(うきしまばし)から10分くらい山道を登り、ようやく「観瀑台」にたどり着きました。木々の間から見えたのは……先ほどの吹割の滝! しかもまったくの別アングルから! 滝の横の遊歩道からは観察することができなかった滝壺が、どのような仕組みになっているのか初めて理解できました。ようやく吹割の滝の全貌を把握できて、すがすがしい気持ちになりました。

由緒あるかやぶき屋敷「悠湯里庵」を存分に楽しむ

悠湯里庵

のどかな田園にたたずむ、かやぶき屋根の温泉宿

吹割の滝を後にして、再びバスで沼田駅へ戻ります。駅から別のバスに乗り換え、約30分の「川場温泉」で下車すると、目の前に悠湯里庵(ゆとりあん)というかやぶき家屋の旅館が。今回は、こちらの日帰り温泉プランを堪能させていただくためにやってまいりましたよ。私は食事と入浴がセットになったプラン(3,000円〈税別〉)を予約しました。
悠湯里庵 長屋門

フォトジェニックな長屋門

悠湯里庵の敷地内には、七棟のかやぶき家屋が点在しています。これらは、全国の由緒あるかやぶき屋敷・民家を2~3年ほどかけて丁寧に移築してきたものだそうです。玄関横にある「長屋門」も風情のあるたたずまいです。
悠湯里庵 昼食

豪華な昼食に舌鼓

おなかがいい具合にすいてきたところで、「豆腐とそば会席」をいただきました。季節の前菜と煮物、豆の味がしっかりと濃い川場産角田豆腐の“ざる豆腐”が、炎天下を歩き回った体に染み入るようでした。のど越しの良い手打ちそばも、さっぱりとしていて美味しく、夏にぴったりだなと思いました。上州麦豚と季節野菜の土鍋蒸しに、ご飯・お味噌汁も付き、ボリューム満点。木のぬくもりにあふれるお食事どころでいただく昼食は、内容も時間も格別でした。

驚きの連続!温泉宿の、もうひとつの顔

悠湯里庵 電動カート

こ、これは……?

食後、せっかくなので館内を見学させていただくことにしました。なんと! 宿泊棟へは、この電動カートに乗って移動するのだそうです。ご高齢のお客様にも安心してご宿泊いただけるようにと、オーナーがゴルフカートに着想を得て考案されたものだそうです。
悠湯里庵 モノレール

理解が追いつかない

しかし、驚くのはまだ早かったのです。旅館の方に「モノレールにお乗りになりますか」と尋ねられました。モノレール?? と理解が追いつかないまま全面ガラス張りの箱に入ると、箱がゆっくりと動きだすではありませんか。
悠湯里庵 モノレールからの景色

予想外の絶景

このガラス張りの箱がモノレールだったんですね。モノレールは、別館・悠山の2階から、5階のお部屋と展望台を結ぶもので、展望台からは、悠湯里庵の正面に広がる川場村ののどかな田園風景が一望できました。(※この日は取材のため特別に乗せていただきましたが、通常、モノレールの利用は宿泊者限定です)
悠湯里庵 館内

館内は、どこを歩いても飽きません

館内はとても広いのですが、お客様が飽きないようにと、階段や通路などのあらゆる場所に、さまざまな絵や古民具が展示されていました。まるで宝探しをしているような気分。私だったら館内散策で1日終わってしまいそうです。
わーい。温泉だー

わーい。温泉だー

ひと通り散策も終了したところで、日帰り温泉を堪能。今回入浴した「武尊乃湯(ほたかのゆ)」は、内湯と露天風呂の両方が楽しめます。源泉掛け流しのお風呂の温度は低めだったので、熱いお湯が苦手な私も、湯船で長時間のんびりとリラックスできました。明るいうちから温泉で汗を流すなんて、最高の贅沢ですね。

心身ともに満たされたところで悠湯里庵を後にし、バスで沼田駅へ。沼田駅から上越線に乗車し、上牧駅まで移動して、駅から徒歩約5分の「辰巳館」にチェックインし、1日目の行程を終えました。

関東最大級!たんばらラベンダーパークへ

たんばらラベンダーパーク

入り口付近からカラフル!

2日目は、さらなる絶景を求めて、関東最大級・5万株のラベンダーが咲き誇る「たんばらラベンダーパーク」を目指します。宿からタクシーに乗り、35分ほどで「たんばらラベンダーパーク」に到着。高原にあるので、真夏でしたが、空気が少しひんやりと感じられました。

入り口の目の前には、サルビアやマリーゴールドなど、鮮やかな赤や黄色で埋め尽くされた花壇が広がっていました。
たんばらラベンダーパーク リフト

ひとりリフトをエンジョイ

広大なラベンダー畑は、丘の中腹まで行ったところにあるため、リフトを使って一気に傾斜を登ります。
視覚だけではなく嗅覚にも優しい絶景

視覚だけではなく嗅覚にも優しい絶景

リフトを降りると、まるで紫色のじゅうたんが敷き詰められているように、ラベンダー畑が広がっていました。辺り一面にラベンダーの香りが満ち、なんて気持ちのよい空間なのでしょう。風に吹かれてラベンダーがサワサワと揺れるたび、心身ともに浄化されていくよう。
たんばらラベンダーパーク ラベンダー

爽やかな風が通り抜けるたび、心地よい気分に

私が訪れたときは、こいむらさき、ナナナリサワ、グロッソという種類のラベンダーが満開でした。個人的には、きゃしゃな雰囲気のグロッソが好みでした。
たんばらラベンダーパーク グロッソ

グロッソ

どんな味?大人気ラベンダーソフトクリーム

ラベンダーソフトクリーム

青空をバックに

園内では、いたるところで、紫色をしたラベンダーソフトクリームを食べている人を見かけました。どうやらこのソフトクリーム、シーズン中に6万個も売れる大人気商品なんだそう。それは食べずにいられない! ということでさっそく購入してみました。

食してみると、バニラよりさっぱりとした口当たりで、暑い日にぴったり。口の中に入れた数秒後に爽やかなラベンダーの香りが広がり、二度美味しい! 大満足の2日間を終えて、帰路に就きました。
ラベンダーとトンボ

シャッターを押せば必ず写り込むほど、トンボがたくさん

好きなカメラを持って、思う存分好きな場所を好きなように撮ることができて、これ以上ないほどに癒やされました。夏の沼田は、カメラ女子なら要チェックです!

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びゅうたび

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