脱出困難?居心地が良すぎてつい長期滞在したくなる世界の沈没地10選

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脱出困難?居心地が良すぎてつい長期滞在したくなる世界の沈没地10選
長期旅行をしているバックパッカーからしばしば繰り出される単語が「沈没」。これは、観光など本来の旅の目的から離れて、一ヵ所に長期滞在し、ダラダラと時間を過ごしてしまうことをいいます。

「沈没地」といわれる場所には、どのような都市があるのでしょうか。よく知られた古くからの沈没地に加え、注目度上昇中の世界の沈没地、10ヵ所をご紹介します。

「沈没」とは? 沈没地の条件って?

脱出困難?居心地が良すぎてつい長期滞在したくなる世界の沈没地10選
「沈没」とは、長期節約旅行をしているバックパッカーが、居心地の良さのあまりずるずると一ヵ所に滞在してしまうことをいいます。

俗語のため明確な定義はありませんが、観光や勉強など、これといった目的もなしに、長期間同じ場所にとどまっている状態を指し、物価の安い国では、一日中安宿でダラダラしているという「沈没者」も珍しくありません。

バックパッカーが長期滞在するためには、物価が安いことが必須。宿泊費や食費が安いからこそ、出費を気にせずのんびりと「沈没」することができるのです。

しかし単に物価が安ければいいというものではなく、長期旅行者が必要とする施設が一ヵ所に揃っていたり、他の旅行者と情報交換がしやすい環境が整っていたりすることも重要。

食事のおいしさもポイントで、暮らすように滞在して、どれだけ快適に過ごせるかが決め手となります。

バンコク(タイ)

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世界各国からバックパッカーが集まる沈没地の筆頭が、タイの首都バンコク。なかでも王宮の近くに位置するカオサン通りは「バックパッカーの聖地」としてあまりにも有名です。

近年はカオサン通りもずいぶんと様変わりし、それ自体が観光地となりつつありますが、今でも安宿や食べ物屋台、旅行会社、床屋などが並ぶバックパッカー街の光景は健在。

最近では、BTSやMRTといった公共交通機関の発達により、バンコクの郊外エリアにも安宿が増え、節約旅行者にとっての選択肢はさらに増えています。

世界のバックパッカーがタイを選ぶ理由。物価が安いうえに治安も比較的良く、食事もおいしい。しかも、観光地としての歴史が長いので、旅行会社や両替店、床屋、インターネットカフェなど、長期旅行者にとって必要なものが身近に揃っていることが挙げられます。

日本に比べ格安で予防接種が受けられるとあって、世界一周のスタートにバンコクを選び、現地で予防接種を済ませる日本人バックパッカーも少なくありません。

バンコクはバックパッカーデビューにぴったりの町であり、長期節約旅行のはじまりにも最適な都市なのです。

カトマンズ(ネパール)

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ネパールの首都カトマンズも、古くからの沈没地として有名。とりわけ繁華街のタメル地区はバックパッカー街として知られ、ありとあらゆる安宿や、欧米人旅行者が好むエスニック雑貨やエスニック衣料の店がひしめき合っています。

カトマンズの古い町並みを含む「カトマンズ盆地」はまるごと世界遺産。ダルバール広場周辺には、カトマンズ王国時代の歴史的建造物が並び、21世紀とは思えないような古色蒼然とした光景が広がっています。

バンコク同様、長期旅行者が必要とする施設が手近に揃っていながら、先進国とは別世界のエキゾチックな空気にふれられる点が、カトマンズの人気につながっているのです。

加えて、日本人旅行者にとっては嬉しいおまけも。日本人バックパッカーのあいだでは、「海外で、最もおいしい日本食が安く食べられる場所はカトマンズではないか」とささやかれています。

長期海外旅行をしていると、どうしても日本食が恋しくなるもの。本格的な日本食が手ごろな値段で食べられるかどうかは、意外と無視できない要素なのです。

ポカラ(ネパール)

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ネパール第2の都市ポカラも、バックパッカーが長期滞在しやすい場所。ペワ湖を中心に広が山あいの町で、すぐ近くに800メートル級の山々がそびえる風光明媚な町で、湖とヒマラヤの風景が自慢です。

首都カトマンズよりもずっとのんびりとした空気が流れ、何をするでもなくリラックスするのにぴったりな環境であることから、ついつい滞在が長引きがち。人々の穏やかさも手伝って、「癒された」という声が聞こえてきます。

特になにかと手強いインドからやってきたバックパッカーたちは、ポカラの平和なムードに気分が緩んでしまうようです。

シェムリアップ(カンボジア)

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世界遺産アンコール遺跡群のお膝元、シェムリアップも有力な沈没地候補。カンボジア随一の観光地だけに、繁華街にはバーやレストラン、ショップなどが軒を連ね、とても賑やか。毎晩開催されるナイトマーケットも安くて可愛い雑貨が充実していると評判です。

カンボジア人の国民性がそうさせるのか、東南アジアでも屈指の観光地のわりに、あまりガツガツしておらず、どこかのんびりとした素朴な雰囲気が残っているのも魅力。

そうした居心地の良さも手伝って、遺跡めぐりをしているあいだに滞在期間が延びていくというバックパッカーが少なくないようです。

カンボジアというと治安が良くないというイメージを持たれがちですが、観光都市だけあって、シェムリアップの治安は比較的良好。首都のプノンペンなどに比べると、バックパッカー初心者にも滞在しやすい町です。

バンビエン(ラオス)

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一般的には無名でも、バックパッカーの世界ではよく知られた存在が、ラオスのバンビエン。首都ヴィエンチャンと世界遺産の町ルアンパバーンの中間に位置し、旅の中継地点として滞在する旅行者が多い町です。

バンビエンの売り物は、なんといっても雄大な自然。ナムソン川沿いに石灰石からなるゴツゴツとした山々が連なる風景は水墨画の世界を思わせます。

バンコクやカトマンズのように、大規模な安宿街があったり、たくさんのショップがあったりするわけではありませんが、自然に囲まれて羽を伸ばしたいバックパッカーにはうってつけの場所。

タイヤのような浮き輪に乗って川を下る「チュービング」や、カヤッキングなどが格安で楽しめる、アクティビティタウンとしても人気を集めています。

ルアンパバーン(ラオス)

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町全体が世界遺産に登録されている、ラオスの古都ルアンパバーン。 イギリスの旅行雑誌で、「満足度の高い観光地ランキング」第1位に選ばれたこともあるいま注目の旅先は、長期旅行中のパックパッカーにとっても居心地の良い町です。

ラオスきっての観光都市だけに、宿の選択肢が豊富なうえ、おしゃれなレストランやカフェも充実。個性的な山岳民族デザインの雑貨が安く手に入るナイトマーケットも高い人気を集めています。

ルアンパバーンの空気感は、東南アジアのなかでもきわめて独特のもの。ラオスの伝統的な建築様式で建てられたお寺や、オレンジの袈裟をまとった僧侶など、昔ながらの東南アジアの風景がある一方で、フランス植民地時代のコロニアル建築もあちこちに残っています。

それらが融合した町並みは、どこか幻想的でノスタルジック。東南アジアでありながら、東南アジアでないような、摩訶不思議な風景と雰囲気に心を奪われる旅行者は後を絶ちません。

バラナシ(インド)

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「バックパッカーの聖地」「バックパッカーの憧れの地」と呼ばれるインド。良くも悪くも奇想天外な別世界が広がるこの国は、「バックパッカーをするなら一度は行くべき場所」といわれます。

なかでも、「エキゾチックで混沌としたインド」を体現する都市が、「インドのなかのインド」とも称されるバラナシ。

聖なるガンジス川のほとりに広がるこの町は、古くからヒンドゥー教の聖地として特別な意味をもってきました。

ヒンドゥー教では、輪廻転生をするたびに、人は大きな苦しみを味わうとされていますが、バラナシのガンジス川付近で死に、遺灰をまかれた者はその苦しみから解放されると考えられています。

そのため、バラナシにあるガンジス川のほとりでは、インド各地からの巡礼者が沐浴する光景や、遺体が焼かれる光景が絶え間なく繰り広げられています。

インドでも有数の観光地だけあって、宿の充実度が高く、日本人バックパッカーにとっては複数の日本人宿があるのもポイント。

ただし、旅行者のバラナシに対する感想はバラバラです。

とても衛生的とはいえない環境やカオスな風景に、とある旅行者は「二度と行きたくない!」といい、とある旅行者は独特の雰囲気にハマり「すぐにでも戻りたい!」という。評価が極端に分かれるのも、インドという国と、バラナシという町の特徴といえるでしょう。

プリー(インド)

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「バックパッカーの聖地」と呼ばれる一方で、詐欺やぼったくり、強引な客引きなど、なにかと手強いイメージのインド。「インド旅行は刺激的で楽しいけれど、疲れる」という人も少なくありません。

そんななか、インドの癒しスポットとして知る人ぞ知る町がプリー。東インド、ベンガル湾に面したこの町は、ヒンドゥー教の4大聖地のひとつで、ここに祀られている土着神に端を発する神様「ジャガンナート」は、インドで最も古い神様ともいわれています。

インド国内では巡礼地として知られるプリーですが、ビーチリゾートとしての側面も。新鮮な魚介類が食べられるほか、サーフィンなどのマリンスポーツも楽しめます。

アグレッシブなインドのイメージとは対照的に、プリーは比較的落ち着いていて、ゆったりと滞在できると人気。世界最古の日本人宿のひとつといわれる「サンタナ・ロッジ」の存在がその居心地の良さに拍車をかけています。

ヨガのレッスンやアーユルヴェーダの施術も手ごろな料金で受けられるプリーは、沈没せずとも充実した長期滞在ができる町です。

ダハブ(エジプト)

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「恋するダハブ」の異名をとる、エジプト東部のリゾート地ダハブ。世界有数のダイビングスポットとして知られ、世界最安級でダイビングのライセンスを取得することで人気を集めています。

日本では、「エジプト=ビーチ」というイメージはあまりありませんが、ダハブの海は抜群の透明度を誇り、美しいサンゴ礁や多彩な海洋生物が見られるため、世界のダイバー憧れのスポット。

景色が良く、物価が安く、食事もおいしいダハブは、世界一周旅行者にとってのオアシス的存在といえるでしょう。

この町が「恋するダハブ」と呼ばれるゆえんは、実際にダハブで出会って恋に落ちるカップルが多いため。同じ期間でダイビングのライセンスを取得する場合、長いあいだ同じメンバーで過ごすため、自然と距離が縮まるのだといいます。

旅先での恋の可能性も、長期滞在の魅力のひとつといえそうです。

リヴィウ(ウクライナ)

脱出困難?居心地が良すぎてつい長期滞在したくなる世界の沈没地10選
沈没地は「物価が安い」ことが前提になるため、どうしてもアジアに偏りがち。そんななか、ヨーロッパの新たな沈没地として注目を浴びているのがウクライナです。

ウクライナの物価はヨーロッパ最安といわれ、近年のウクライナの通貨の価値下落に伴い、外国人から見たウクライナの物価はさらに下落。クオリティを考えると、旅のコストパフォーマンスは世界一ではないかともいわれています。

ウクライナのなかでも長期滞在しやすいと評判なのが、歴史的な町並みが世界遺産に登録されているリヴィウ。かつてポーランド領だったこともある町で、中世の面影が残る可愛らしい町並みが魅力です。

最近リヴィウを訪れた日本人旅行者のあいだでは、「物価は東南アジア並みかそれ以上に安いのに、ヨーロッパクオリティでコストパフォーマンスが高い」と評判。ヨーロッパなら、「沈没」という言葉のイメージとは違う、ちょっと優雅な沈没ができそうです。

脱出困難?居心地が良すぎてつい長期滞在したくなる世界の沈没地10選
長期旅行中のバックパッカーがはまりがちな「沈没」。沈没地として名を馳せる町の多くは、バックパッカーではない短期の旅行者にとっても数多くの魅力がある場所です。

「こんなところなら沈没してみたい」と思う町はありましたか?

[All Photos by shutterstock.com]
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TABIZINE(タビジン)は旅と自由をテーマにし、日常に旅心をもてるようなライフスタイルを提案します。覗き込めば、世界地図を拡げた時のワクワクがあるような、はたまた旅する非日常を感じ旅へ向かわずにはいられなくなるような、そんな夢見心地にするパワーがあるメディアでありたいと思っています。人生は一瞬一瞬が心の旅。皆さんが何にもとらわれることなく、自由で冒険に満ちた毎日になるような情報をお届けします。

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