誰でも”イケボ”になれる? 女子アナが声優にもらったアドバイスとは
大勢の人の前で話すということは、多かれ少なかれ緊張が伴うもの。会議での発言やプレゼンテーション、結婚式のあいさつなどで「もっと上手に話せれば……」と感じたことのある人も少なくないのでは。そんなときはプロのテクニックを学んでみるのも、ひとつの手かもしれません。
『人前で輝く!話し方』は、元ニッポン放送アナウンサーで、現在はフリーアナウンサーとして活躍する五戸美樹さんが、自身が試行錯誤して身につけたという、話し方のコツを紹介した一冊。
アナウンサーといえばしゃべりのプロなので、最初から話すのが上手だったのでは……と思いきや、実は五戸さんはニッポン放送入社当時、緊張しすぎて放送中にパニックになり泣き出してしまったり、先輩から叱られて落ち込んで泣いてしまったりと、”泣き虫ダメアナウンサー”だったのだとか。それが今では、フリーアナウンサーとしてラジオ番組出演やイベント司会を務めるほか、アイドルらにトークレッスンを行うまでになったと言います。
とはいえ、五戸さんも上達のためにかなり試行錯誤したようで、ボイストレーニングレッスンに通ったほか、先輩に研修をしてもらったり、共演した声優さんにみてもらったりして、ようやく現在のようなトーク技術を手に入れたのだそう。同書で五戸さんは「できなかったからこそ、うまくなる方法をたくさん考えました。できなかったからこそ、苦手な人の気持ちがよくわかります」とつづり、自ら苦労して身につけたトークのテクニックを紹介しています。
同書では、トークの要素となる「内容」「話し方」「メンタル」「声」の4つの側面から、上達のコツを紹介。五戸さん自身の経験や失敗談などを交えてつづられているので、親近感を感じつつ、興味深く読み進めることが出来ます。
中でも興味深い内容のひとつが、「あなたもイケてるボイス=『イケボ』になれる」というタイトルの「声」がテーマの章。イケボといえば、男性の素敵な声「イケメンボイス」の略ですが、同書では性別問わず、素敵な声のことを「イケてるボイス=イケボ」とし、男女どちらにとっても美しい「イケボ」の出し方をレクチャーしています。
声優人気も手伝って、声というのは人の大きな魅力のひとつとなっていますが、16歳~75歳の男女1000人に行った調査によると、8割の人が「自分の声が嫌い」と答えたのだそう。さらに、自分の声を録音して聞いたことがある人で調査を行うと、9割以上に上ったといいます。
そんな声のコンプレックスを克服するために、同書では「その人が本来持っている声=オーセンティックボイス」を見つけて磨くことが大切だと指摘します。自身の声が苦手だと、つい無理をした声を作ってしまいがちですが、実は自身の最も出しやすい声をきれいに響かせることが、イケボへの近道なのだそう。
そして、そのオーセンティックボイスを見つける第一歩が、「自分の声を録音する」こと。家族と話している時や、お店で注文をするとき、会社で先輩と話している時など、様々なシチュエーションで自身の声を録音してみると、「緊張感がある時」と「気を抜いている時」とで声のトーンが違うことに気づくことができます。そして五戸さんによると、自分の録音した声を聴いて嫌だと感じるのは、多くの場合がこの緊張感がある声を聴いている時なのだそう。そして、もしこの時に自分が作り声になっていると感じたら、気を抜いている時の声を繰り返し聞くことで、本来の声を耳に覚えさせるトレーニングがおススメだと言います。
実は五戸さん自身、仕事で原稿を読む時だけ「わざとらしい声」になってしまうことを悩んでいたのだそう。そんな時に、声優の岡野浩介さんに「普段の声を録音して聞いてみて」とアドバイスをもらったと言います。これをきっかけに、自身が原稿を読む時に力んでいることに気づいた五戸さんは、それまでの「ちゃんと読まなきゃ」から、「力まずに読もう」という風に意識を変えることができたと言います。
このほか、同書では「筋膜リリース」「顔筋肉トレーニング」といったフィジカルへのアプローチや、「腹話術発声法」という発声トレーニングなど、イケボになるための様々な方法を掲載。もちろん、会話のテクニックや、語彙力を増やす方法など、トークの内容に関する項目も多数盛り込まれています。具体的なテクニックやトレーニング法が詰まっているので、話し方にコンプレックスのある人は参考にできそうな一冊です。
■関連記事
嫌われ続けの人生を克服した著者が教える「人を惹きつける方法」とは
「子どもの幸福度1位」のあの国の”目からウロコ”な子育て法とは
元GUCCI店員が明かす、「一流の男の身だしなみ」とは
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。