建物内保育園の入園を保証! 子育て施設が大充実の、賃貸マンションに行ってみた

建物内保育園の入園を保証! 子育て施設が大充実の、賃貸マンションに行ってみた

つくばエクスプレスの柏の葉キャンパス駅近くに、建物内保育園の入園保証(※)がついた賃貸マンションが誕生した。近年は職場と住まいが近い“職住近接”の重要性が認知されてきたが、共働き家庭の住まい選びにおいては、保育園などの育児施設が近い“育住近接”の視点も注目を集めつつある。マンション建物内保育園という、究極の育住近接を実現できる物件は、賃貸ではめずらしい。詳しく取材した。

※入園には条件があり、保育園の運営事業者・株式会社マザープラネットの入園審査により入園できない場合もあり。別途株式会社マザープラネットとの入園手続きが必要

保育園の距離が10分を超えると、送迎負担が深刻に

共働き家庭にとって、子どもがどの保育園に入れるかは死活問題。家から遠い保育園だと送迎の負担が大きいので、なるべくなら近場の保育園に入れたいのが本音というものだ。筆者が周囲の父母10人ほどに聞いてみたところ、特に保育園までの距離が10分を超える親は、送迎に大きな負担を感じているようだった。

子どもは大人のようには歩けないので、一緒に歩くとなれば徒歩10分の道のりが15分や20分以上になる覚悟が必要。特に雨の日は自転車も使えず、道路の危険も増すので神経がすり減るという声も。また保育園の広さや保育の内容は少し劣ると感じるものの、送迎時間短縮のために、家の近くの保育園に転園した家庭もあった。ただでさえ疲れる通勤に送迎の負担が重なると、仕事や家事を始める以前に疲れ切ってしまうことにもなりかねない。近隣保育園への転園は、現実的な選択だろう。

そんな背景もあって、近年敷地内に保育園を擁するマンションが注目されている。昨年2017年には保育園付き分譲マンションが1都3県で約20棟販売されるなど、供給数も増加している(リクルート住まい領域「2018年トレンド予想」より)。

賃貸マンションに入居すると、建物内保育園の入園保証がついてくる!

しかし保育園を併設している点に惹かれて分譲マンションを購入しても、必ずしも敷地内保育園に入園できるとは限らない。その保育園が国から補助金が出る“認可保育園”であれば、入園の可否の決定権は自治体にある。自治体の基準に照らし合わせた結果、同じ敷地内のマンションに暮らしながらも入園できないことがあるのだ。また認可園でない場合でも、同じ敷地のマンションに住む子どもの数が保育園のキャパシティーを超えた場合、入園できない可能性がある。

この点、2018年2月に新たに誕生した「パークシティ柏の葉キャンパス ザ・ゲートタワー ウエスト」では、そのような懸念が払拭されている。というのも、このマンションでは、入居者の入園を保証する認可外保育園が建物内に併設されているからだ。また、このマンションは全戸賃貸住宅となっているため、子育て期間中のみここで暮らすといった、柔軟な住まい方が可能となっている。柏の葉キャンパス駅から徒歩3分の491戸の大型マンションだ(写真撮影/蜂谷智子) 柏の葉キャンパス駅から徒歩3分の491戸の大型マンションだ(写真撮影/蜂谷智子)ホテルのような雰囲気がただようエントランス(写真撮影/蜂谷智子)

ホテルのような雰囲気がただようエントランス(写真撮影/蜂谷智子)

保育施設・温泉・ジム等の充実した共用部

『パークシティ柏の葉キャンパス ザ・ゲートタワー ウエスト』を訪れてみると、保育園などの子育て施設のみならず、温泉やジムも併設するなど、その共用施設の充実ぶりに驚く。このマンションに入居したら、どんな暮らしが待っているのか? 三井不動産柏の葉まちづくり推進部事業グループ担当者に案内してもらった。

子育て施設「チコル」があるのが、マンションの3階。隣接するショッピングセンター「ららぽーと柏の葉」直結の出入り口と居住者専用ゾーンからの出入り口がある。「チコル」は保育園・学童・シェアキッチン・総菜屋・遊具を備えた屋内遊び場・屋内遊び場を見ながら仕事ができる保護者用のワークスペース等。保育園はマンション入居者専用だが、その他の施設は入居者以外も利用が可能だ。

入居者と入居者以外が混在するフロアがマンション内にあることに、不安を感じる人もいるかもしれないが、その点は心配無用だと担当者は言う。「マンションのセキュリティはカードキーの有無だけでなく、フラッパーゲートも採用しているため、居住者がマンションに入る際に第三者がすり抜けて入ってしまう心配もありません」。保育園は駅前の「ららぽーと柏の葉」から直結している(写真撮影/蜂谷智子)

保育園は駅前の「ららぽーと柏の葉」から直結している(写真撮影/蜂谷智子)

保育園・学童・屋内遊び場――ワンフロアがまるごと、子育て施設に

大きな特徴である、入居者専用保育園は0歳児から入園でき、延長保育は22時まで。子どもが病気になったときは、同マンション1階にある365日対応の小児科医院や、保育園と同じ企業が運営する病児・病後児保育を利用できる。学童保育は保育園とひとつながりの部屋の一角にあり、小学校の1年生から6年生までをあずかる。

シェアキッチンと惣菜店は、昼夜の給食時には保育園や学童に通う子どもたちに食事を提供する場に。惣菜を予約すればテイクアウトが可能。夕食をつくる時間がないときには、ここで食事を購入すればよい。さらに大きな滑り台が特徴的な屋内遊び場は、中2階のワークスペースから見守りができて、子どもを遊ばせながら仕事をしたいという、働く親のニーズにも対応している。保育園は横長のワンフロアで、保育者の目が届きやすい(写真撮影/蜂谷智子) 保育園は横長のワンフロアで、保育者の目が届きやすい(写真撮影/蜂谷智子)1階には小児科と病児・病後児保育施設も(写真撮影/蜂谷智子)

1階には小児科と病児・病後児保育施設も(写真撮影/蜂谷智子)

柏の葉スマートシティにフィットする、課題解決型の住まいを目指す

なぜこういったマンションがつくられたのか? 担当者に話しを聞いた。

「柏の葉キャンパスは“環境共生・健康長寿・新産業創造”という3つのまちづくりテーマを設定し、現代社会の課題解決型の街づくりを進めるスマートシティです。三井不動産は民間企業として、2001年7月から街のプラットフォームづくりに携わってきました。柏の葉キャンパスには、すでにいくつもの分譲マンションを開発・運営していますが、今回『パークシティ柏の葉キャンパス ザ・ゲートタワー ウエスト』を子育て施設の充実した賃貸物件にした理由は、この街にふさわしい“課題解決型のマンション”を目指したからです」(担当者)

『パークシティ柏の葉キャンパス ザ・ゲートタワー ウエスト』は、共働き家庭がぶつかる4つの課題を解決することを目指したそうだ。4つの課題とは“待機児童・37.5度の壁(子どもが熱を出すと保育園に預けられないこと)・小1小4の壁(小学生の放課後の預かり先がないこと)・女性の産後復帰”。

建物内保育園の入園保証、敷地内の病児・病後児保育、そして働きながら子どもを遊ばせられる屋内遊び場など、充実した子育て施設は、働く親の困りごとを解決するためのもの。マンションの側からここまで積極的な課題解決を提案している物件は稀ではなかろうか。子どもの給食がつくられる惣菜店では、家庭用にテイクアウトもできる(写真撮影/蜂谷智子) 子どもの給食がつくられる惣菜店では、家庭用にテイクアウトもできる(写真撮影/蜂谷智子)保育園の子どもたちは、シェアキッチンで並んで給食を食べる(写真撮影/蜂谷智子) 保育園の子どもたちは、シェアキッチンで並んで給食を食べる(写真撮影/蜂谷智子)屋内遊び場は、大きな滑り台が特徴的、保護者は中二階から見守りながら仕事もできる(写真撮影/蜂谷智子)

屋内遊び場は、大きな滑り台が特徴的、保護者は中二階から見守りながら仕事もできる(写真撮影/蜂谷智子)

柏の葉キャンパスは、公・民・学が一体的に開発に取り組む将来性のある街

「柏の葉キャンパスを住まいに選んだお客さまが、度々おっしゃるのが『この街には将来性がある』ということ。すでに公・民・学が一体となったさまざまな試みが動いていますし。三井不動産は今後もこの街の開発に積極的に取り組む予定です。そういった地域を選ぶ方は、住まいにもより具体的なコンセプトを求めていらっしゃるのではないかと考えて、ターゲットに合ったソリューションを打ち出しています」(担当者)

柏の葉キャンパスは、東京大学や千葉大学がキャンパスを置く学園都市の一面を持つ。公・民・学によって構成される「柏の葉アーバンデザインセンター」を中心に子ども向けのイベントを開催するなど、先進的な試みが多くなされている。

教育意識の高い家庭にピッタリの土地柄が背景にあり、マンションのターゲットの志向性にも一致する。地域の子ども向けイベントの様子(写真提供/三井不動産) 地域の子ども向けイベントの様子(写真提供/三井不動産)地域の子ども向けイベントの様子(写真提供/三井不動産)

地域の子ども向けイベントの様子(写真提供/三井不動産)

先進的な周辺環境と充実した共用施設を賃貸で得るなら、そのお値段は?

柏の葉キャンパスは、教育施設だけでなくショッピングやレジャーの施設も充実。駅前に大型ショッピングモールの「ららぽーと」があり、また駅から徒歩7分の場所に蔦屋書店を中心とした「柏の葉 T-SITE 」がある。東京大学に隣接した広大な柏の葉公園をはじめ、自然も豊か。マンションの共用施設も子育て向けにとどまらず、大人向けのスタディルームやパーティールーム、ジムや天然温泉まで併設されているのだ。

帰り道に買い物を済ませ、マンションの敷地内の保育園で子どもをピックアップ、夜は大浴場の温泉に浸かる。休日は公園で遊んだり、子どもを地域のアクティビティに連れ出したり……。快適な暮らしをイメージできる恵まれた環境だ。柏の葉キャンパス駅は東京駅まで34分、銀座駅まで36分と、東京方面に通勤するのに便利な点も見逃せない。

このマンションのおおよその月々の賃料は、1Kが9万円代から、2LDKが17万円代から3LDKが21万円代からだという。夫婦と小さな子どものいる家庭を想定した2LDK(写真撮影/蜂谷朋子)

夫婦と小さな子どものいる家庭を想定した2LDK(写真撮影/蜂谷朋子)

近年は待機児童の問題のみならず、病児保育施設の不足や、片親が育児を一身に担う“ワンオペ育児”の大変さなどが問題視されている。夫婦共働きが一般化したことで育児の課題があらわになり、解決方法を社会全体で模索している時代だといえるだろう。そんななか、育児の課題解決のためのソリューションを備えた賃貸マンションができたというのは新しい選択肢として心強い。

賃貸ならではの強みという点では、豪華な共用施設の将来的な維持管理費を考えなくて済むということがあげられる。「購入した住まいに生涯住み、不都合があっても我慢する」のではなく、「自分が今抱えている課題を解決する物件を住み替えていく」というライフスタイルは、先々の見通しが立ちにくい現代にフィットしているのかもしれない。●取材協力

・三井不動産株式会社
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