沢村一樹、佐々木蔵之介、上川隆也……連ドラの顔は“アラフィフ”の時代に!?
現在放送中のさん主演の月9ドラマ『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜』(フジテレビ系)は視聴率が好調です。
またさんが10月スタートのフジテレビ系連続ドラマ『黄昏流星群』で恋愛ドラマ初主演することが発表され話題になりました。
この二人は、ともに1967年度生まれの同い年。51歳の学年となります。他にも最近連続ドラマの主演には50歳前後の俳優が続々。そんな“アラフィフ”俳優がドラマ界でモテる理由を探ります。
■4月クール、7月クールもアラフィフ俳優の活躍が目立つ
沢村一樹さんはこれまでも『DOCTORS~最強の名医〜』(テレビ朝日系)、『ブラック・プレジデント』(関西テレビ・フジテレビ系)、『レンタル救世主』(日本テレビ系)などの人気作品の主演を務めていますが、月9ドラマ”主演は今回が初めてとなります。
最近はジャンルの幅が広がったとはいえ、やはり“恋愛”“トレンディ”のイメージが強い月9に、50歳の沢村さんが主演というのは意表をつかれる感じで、沢村さん自身も「えっ、なんで?」「自分が月9主演のオファーを受けるなんて」と困惑したというほどです。
また、佐々木蔵之介さんは10月スタートのフジテレビ系連続ドラマ『黄昏流星群』で恋愛ドラマで初主演します。さんの人気漫画が原作で、さん、さんと大人の恋愛を演じます。
他にも、今クールでいえば『遺留捜査』(テレビ朝日系)で主演のさん(53歳)、『ラストチャンス 再生請負人』(テレビ東京系)に主演するさん(52歳)など、連続ドラマの主役には50歳前後の実力派俳優が続々です。
特に上川さんは前クールも『執事 西園寺の名推理』(テレビ東京系)で主演、さらの1月クールも『BG〜身辺警護人〜』(テレビ朝日系)で主要キャストで出演するといったモテモテぶりです。
■視聴率を左右する40代以上の視聴者に共感されることがポイント
連続ドラマの視聴率の低下が話題になり始めて久しくなります。特に若者では生活スタイルが多様化し、ドラマ離れだったり、観たいドラマがあっても、リアルタイムで観るのではなく録画や見逃し配信などで視聴するのが習慣になりつつあり、リアルタイムでドラマを観るのは40代以上の主婦や高齢者が中心になります。
視聴率自体は高くなくても、SNSで話題になり若者を中心に浸透度の高い作品もありますし、またマニアックな内容やキャストの作品など、放送終了後にBlu-rayやDVDが売れる作品もあります。そんな視聴パターンの多様化から、今後“視聴率”という尺度のみがドラマを評価する基準ではなくなってくると思われますが、ただ未だに視聴率の説得力が強いのは確か。
そうなると、内容もキャストも40代以上の支持を得るほうへ、という流れになります。内容より前にキャスティングありきでドラマが作られることが主流となり、アイドル性のある若手俳優や女優をメインに配し、その人気でドラマにも視聴者を呼び込もうという時代も長らくありましたが、今ではキャスティングが魅力的でも内容が面白くなければそれが視聴率に反映されませんし、若手人気俳優 & 女優のいろんなパターンの組み合わせのようなドラマ作りが、ドラマ離れの一因になったのではと言われます。
そんななか、40代以上の視聴者に求められるドラマは、しっかりとしつつ複雑すぎない脚本に加え、キャストには演技力、40代以上に共感されるキャラクターの魅力などになります。『絶対零度』で沢村さんが演じる井沢範人のキャラクターもどこか沢村さんの人間的な魅力が投影されているところがあります。
■主婦やビジネスマン対象の作品が増える中でアラフィフ俳優の活躍の場が広がる
上記で紹介したアラフィフ俳優はいずれも演技の実力があり、高い年齢層の人に人気が高いです。20〜30代でアイドル的な人気もある俳優の場合、どうしてもキャストの好き嫌いで観ないというケースもありますが、アラフィフ俳優だとフラットに内容ありきで観られるケースが多いです。
テレビ朝日系では『相棒』『科捜研の女』といった代表的なロングランのシリーズもののほか、上川さん主演の『遺留捜査』、東山紀之さん(51歳)主演の『刑事7人』、Season12まで続いた『警視庁捜査一課9係』は、井ノ原快彦さん(42歳)が主演になり『特捜9』として再スタートするなど、シリーズものが続々生まれ、いずれも視聴率が好調です。
仲村トオルさんが主演する『ラストチャンス』は4月から始まったテレビ東京の新ドラマ枠で、ビジネスの世界を題材にした作品をとりあげ、前クールでは江口洋介さん(50歳)が主演を務めました。こちらは23時から始まる経済ニュース番組『WBS』への流れも考慮した編成となっています。
こうした主に40代以上の主婦、高齢の男女やビジネスマンを対象としたドラマ枠やシリーズ作品が続々できることで、今後もアラフィフ俳優が重宝される時代が続くのではないかと思います。
文/田中裕幸
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