グラフィックからファッション、工業製品、空間まで!デザイナーのお仕事
「デザインを考えるのが好き」「デザインの仕事に興味がある」と、デザイナーにあこがれている人もいるのでは?
デザインの仕事というと、グラフィックデザイナーやファッションデザイナーをイメージする人も多いけど、実は、ありとあらゆる業界で「デザイナー」が活躍している。
そこで、専門学校 桑沢デザイン研究所の進路支援セクション・就職担当の高橋清司さんに、デザイナーにはどんな仕事があるのか、どんな人が向いているのか、デザインの仕事をしたいと考えている高校生にアドバイスをしてもらった。
デザインにかかわる仕事は大きく分けて4つ
グラフィックデザイナー、ファッションデザイナー、インテリアデザイナー、アートディレクター、Webデザイナー、エディトリアルデザイナー、ゲームデザイナー、広告デザイナー、CGデザイナー、DTPデザイナー、パッケージデザイナー、インダストリアルデザイナー、エクステリアデザイナー、空間デザイナー、住宅デザイナー、スタイリスト、パタンナー、テキスタイルデザイナー、あなたはいくつ知ってる?
これは全部「デザイナー」と呼ばれる職業。
さらにアートな分野となると、イラストレーターやフォトグラファーなどもデザインにかかわる仕事のひとつ。
「野菜や肉・魚など、自然にそのままある食料品以外、お店で買えるモノのほとんどにデザイナーがかかわっているといっても過言ではありません。
一見、デザインされているとは思えない物でも、商品化される際に、わかりやすさ、使いやすさなどを考えるデザイナーが携わっているのです」
デザイナーの仕事は、とても幅広く、ありとあらゆる業界に存在しているが、大きく分類すると4つ。
広告や出版・映像関連、パッケージなどの「ビジュアルデザイン」、工業製品を作る「プロダクトデザイン」、店舗や住宅などの空間をデザインする「スペースデザイン」、アパレル業界の「ファッションデザイン」。
それぞれ具体的にどんな職業があって、どうすればその仕事に就けるのか、聞いてみた。
ビジュアルデザイン
【どんな仕事がある?】広告・ポスター・パンフレットをはじめ、雑誌や書籍のレイアウトなど、主に平面的な物をわかりやすく的確に見せ、美しく魅力的に伝えるためのデザインをする。
Webサイトをデザインするなど、CGを使った画像や動画の制作、商品の包装や容器などのパッケージが専門の仕事も。
●主な職業
グラフィックデザイナー/エディトリアル(ブック)デザイナー/アートディレクター/広告(アドバタイジング)デザイナー/Webデザイナー/ゲームデザイナー/CGデザイナー(クリエイター)/DTPデザイナー(オペレーター)/パッケージデザイナー/イラストレーター/フォトグラファー
【どうすればなれる?】
「ビジュアルデザインは、ポスターや雑誌、Webサイトなど、いろいろなところで日常的に目にしているものです。
これらをただ見過ごすだけでなく、何かを感じ取って、こういう物を作りたいとインプットできることが大切。
常にアンテナを張って、図書館や美術館などでも情報収集して、アイデアの引き出しを増やしておきましょう。
広告の場合は社内デザイン部のある企業・公共組織・広告代理店、書籍デザインなら出版社や編集プロダクション、パッケージデザインは社内デザイン部のあるメーカーや印刷会社などに、いずれも企画職やデザイナー職として就職。
それらの会社がデザインを発注しているデザイン事務所で働く道も。
さらにITベンチャー企業でも、Webデザインやアプリ制作などの社内デザイナーが必要とされています」
プロダクトデザイン
【どんな仕事がある?】ありとあらゆる工業製品を企画・設計する仕事。
おもちゃや文房具などの小さなモノから、生活雑貨、家具、テレビや冷蔵庫などの家電製品、車・バイク・自転車、さらには電車やバスなどの輸送機器まで。
機能性やデザイン性のあるコンセプトを考えて、企画から提案することもある。
●主な職業
インダストリアルデザイナー/プロダクトデザイナー/カースタイリング(インテリア)デザイナー/玩具・遊具デザイナー/雑貨・文具デザイナー/スポーツ用品・生活用品デザイナー/ファニチャーデザイナー/電機・通信・精密機器デザイナー/輸送機器デザイナー
【どうすればなれる?】
「まずは、身の回りの物をよく観察すること。
使いづらい道具を使いやすくしたり、あったらいいな、便利だなと思うような製品を作るために、デザインの美しさやカッコよさだけでなく、機能性やコスト、環境への配慮もできる広い視野と発想力が求められます。
商品の構造を理解したうえでデザインすることが大切なので、立体を把握できるよう、実際にものづくりをしてみるといいでしょう。
自社製品のデザイン業務に特化した社内(インハウス)デザイナーがいるブランド・製造メーカー企業にデザイナー職で就職するほか、デザイン事務所だけでなく、コンサルティングを行うブランディング会社や広告代理店、イベント企画会社でデザイナーとして働くこともできます」
スペースデザイン
【どんな仕事がある?】商業ビルや店舗、オフィス、住宅はもちろん、建物の外観やガーデンなど、さまざまなスペースの設計・デザインし、ディスプレイや素材の配置を考えるなどして、空間を作り上げる。
さらに、それらの空間を構成するための家具や照明などのデザインも手がける。
●主な職業
空間デザイナー/インテリアデザイナー(コーディネーター)/エクステリアデザイナー/ガーデンデザイナー/イベント(美術)デザイナー/住宅(リフォーム)デザイナー/ディスプレイデザイナー/店舗デザイナー/建築家(建築設計士)/家具デザイナー(家具職人)/照明(ライティング)デザイナー/舞台美術家
【どうすればなれる?】
「空間をデザインするためには立体的な思考が必須。
その空間を構成する家具や照明などのエレメント(要素)、インテリア、住環境を理解して、構造的に物を考えられることが求められます。設計・製図のスキルも身につけておきたいですね。
就職先としては、総合建設会社(ゼネコン)、建築設計事務所、ハウスメーカー、工務店、空間ディスプレイ会社、リフォーム会社、家具・什器メーカーなどがあり、企画職またはデザイナー職での採用を目指しましょう」
ファッションデザイン
【どんな仕事がある?】服飾全般だけでなく、帽子・靴・バッグなどのアイテム専門のデザイナーもいる。
さらに、布を作るテキスタイルデザイナー、デザイン画を立体化、製品化するパタンナー、服と小物のコーディネートを考えるスタイリストも、ファッション系デザイナーの仕事のひとつ。
●主な職業
ファッションデザイナー/靴デザイナー/バッグデザイナー/帽子デザイナー/舞台衣裳(コスチューム)デザイナー/テキスタイルデザイナー/スタイリスト/パタンナー
【どうすればなれる?】
「身体の構造や基本的な動き、素材の知識、色彩技法などの基礎をしっかりと身につけたうえで、オリジナリティのあるデザインができるようになること。
流行や社会に敏感で、次の次のシーズンを先取りして提案できる感性も求められます。
アパレルメーカーでは、デザイン・制作職での採用が少ないため、実際にブランドから委託されてデザイン画を制作している※OEM企業で働いている人も多いですね。
テキスタイルデザイナーとして働くことができる会社には、生地メーカーや繊維・糸メーカーなどがあります」
※OEM企業とは・・・他社ブランドからの注文を受けて、そのブランドの製品を製造する会社のこと
デザイナーの仕事を目指すには?
デザインの仕事には、とてもたくさんの職業があって、どんな道へ進めばいいか、迷ってしまう人もいるのでは? まずは、実際に自分の手を動かして、絵を描いたり、ものづくりをしてみよう。
「作品作りをして、どんなよろこびを得られたのか、美術館で『こういう物を作りたい』と感動できる作品に出会っているか、単純に『好き』という気持ちだけでやっていける仕事ではないので、自分はデザイナーに向いているのか、客観的に考えてみましょう」
デザイナーとして仕事に就くには、大学や専門学校などでデザインを学ぶのが第一歩。
オープンキャンパスでの展示や卒業制作展で、学生の作品を観て、その学校で何が学べるのか、どんな作品が作れるようになるのか、将来の自分をイメージしてみることが大切です。
現役で活躍しているデザイナーが講師を務めている学校では、どんな作品を作っている先生が教えてくれるのか、カリキュラムもチェック。具体的な分野が決められない人は、1年次はデザインを総合的に学び、2年次以降に専門コースに分かれる学校だと安心かも。
「企業やメーカーがすべて自社内でデザインしているわけではなく、多くのデザイン会社が業務を請け負っています。
グラフィックからプロダクト、建築まで幅広く手がけている会社もあれば、グラフィックのなかでも※エディトリアルだけを専門にしている事務所も。
※雑誌・書籍などの出版物のデザインのこと
デザインの一工程だけを担当するか、受注から納品まで全工程を自分ひとりで請け負うのか、業務内容もさまざま。
たくさんの可能性から、自分にピッタリの道をみつけてほしいですね」
美しい形や色彩で見る人を感動させたり、使いやすい物や暮らしやすい環境を作ってよろこんでもらえたり、職業の数だけ、さまざまな魅力とやりがいがあるデザイナーの仕事。
自分は、どんなジャンルで、どんなデザイナーになりたいか、しっかりと目的をもって、デザイン系の大学や専門学校に進んでみては?
【 Photo by Yohey Goto 】
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投稿グラフィックからファッション、工業製品、空間まで!デザイナーのお仕事は【スタディサプリ進路】高校生に関するニュースを配信の最初に登場しました。
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