<ライブレポート>bonobosが奏でる瑞々しいバンドサウンドが美しく響き渡った一夜

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<ライブレポート>bonobosが奏でる瑞々しいバンドサウンドが美しく響き渡った一夜

 レゲエ/エレクトロニカ/ネオソウルなど、多様な音楽の表現を昇華し、多彩なアレンジを織り交ぜながら、進化を続けるハイブリッド音楽集団「bonobos」。オリジナルメンバーの蔡忠浩(vo&gt)、森本夏子(ba)に、2015年には田中佑司(key)、小池龍平(gt)、梅本浩亘(dr)が加入し、5人組として活動する彼らが、1年ぶりにビルボードライブ東京・大阪に登場した。今回もサポートメンバーに川崎太一朗(tp)、武嶋聡(flu, sax)の2人を迎えた7人編成でのライブとなった。今回はその大阪公演の模様をレポートしたい。

bonobos ライブ写真(全17枚)

 蔡忠浩の「ようこそ」という一言と共に幕を開けるステージ。昨年8月に現体制としては初となる東京・日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブを大成功に収め、10月には『FOLK CITY FOLK .ep』を発表したbonobos。序盤から新譜からのナンバーを織り交ぜつつ、お馴染みの「THANK YOU FOR THE MUSIC」はリアレンジバージョンで披露。ライブハウスで見るのとは一味違う、スロウでムーディで、それでいて穏やかな熱をはらんだパフォーマンス。伸びやかな歌声、軽やかなリズムの狭間に垣間見える濃密な世界に、会場中が一気に呑み込まれていく。

 立て続けに数曲を披露した序盤を経て、メンバー紹介を挟んで始まったのは「夏至にトカゲは」。近づく夏の気配、切なさと刹那さ、そして季節の変わり目ならではの高揚感を帯びながら、そのまま「Hello Innocence」へ。うねるグルーヴ、明滅するスポットライト、錯綜するホーンの残響。”イノセンス”の裏に潜む”闇”、bonobosの魅力は、その表裏一体の美しさを音で描き上げるところにもあると思う。

 パフォーマンスに魅入り、物音ひとつ立てないフロアに、「集中力半端ないっすね」と話す蔡。「みんな息を呑まずに、お酒を呑むんだよ~」という森本のMCにふっと頬が緩む。今回のステージへの緊張を口にしながら、それを微塵も感じさせない飄々としたMCに、フロアから笑いが起こる。

 後半は、ホーンを交えての「Gospel In Terminal」から「23区」へ。蔡の紡ぐ言葉、メロディの美しさ、それらを支える瑞々しいバンドサウンド。そして聴く人が心に描く風景までも彩る、bonobosの音楽が持つ優しい魔法。この場所で彼らの音楽に触れていることに喜びを感じて、ふっと泣きたくなる瞬間が幾度となくあった。本編ラストは「グッドナイト」。緩やかなリズムに乗せ、語り掛けるように、包む込むように広がるメロディ。ギターを置き、言葉ひとつひとつを噛みしめるように歌う蔡。最後の一音が消え、夜の帳が下りるように暗転する舞台。暗闇の中、鳴りやまぬ歓声と拍手。誰もが感情の中に秘める”静”と”動”、それらを情感豊かに描き上げた素晴らしいステージだった。

 今年の夏は様々な野外イベントへの出演も決定しているbonobos、ぜひライブ会場で唯一無二の彼らの音楽、世界観を体感して欲しい。そしてまたこの場所で彼らの音楽が体感出来る日を願って止まない。

Text by 杉本ゆかり
Photo by Yuico Taiya

◎公演情報
【bonobos】

ビルボードライブ大阪
2018年5月31日(木)※終了

詳細:http://www.billboard-live.com/

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