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日中の強い眠気…うつ病と間違われやすい「ナルコレプシー」とは

日中の強い眠気…うつ病と間違われやすい「ナルコレプシー」とは
睡眠の質や睡眠負債など、睡眠に関するテーマが話題になることが多くなってきましたが、睡眠障害という睡眠がうまくいかないことで苦しみを抱えている方も多くいらっしゃいます。

その中でも、眠ってはいけないときに突然眠気に襲われたり、金縛りが起こったりなど、眠気をコントロールできない「ナルコレプシー」という病気があることをご存知ですか?

今回は、このナルコレプシーについて、精神科医の井上智介先生に解説していただきました。

ナルコレプシーとはどんな病気?

運転中眠くなる男性 

ナルコレプシーは、短い時間のなかで耐えられないほどの睡眠欲求が何度も続く疾患です。仮眠を取ると一時的に眠気がさっぱりしますが、ナルコレプシーでは2時間もすると再び強い眠気が襲ってきます。

もともとは1880年にフランス人医師によって提唱された疾患で、ギリシャ語の「眠気(ナルコ)」と「発作(レプシー)」を表す単語を合わせて作られた疾患名です。

この疾患の割合は、世界では2000人に1人前後と推定されています。しかし、人種によって差もあり、日本人では600人に1人(0.16%)と言われております。
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ナルコレプシーの症状・原因

脱力する男性

ナルコレプシーには以下の代表的な4つの症状があります。

1. 急な強い睡眠発作が繰り返される症状:
時と場所を選ぶことなく強い眠気に襲われることがあり、重要な会議など緊張する場面でも本人の意志に関係なく眠り込んでしまう症状です。

2. 情動脱力発作:
大笑いしたり興奮した際やその直後に、急に全身や体の一部の筋肉に力が入らなくなり、ひどい場合には崩れるように倒れてしまう症状です。

3. 入眠時幻覚:
怪物が部屋に入ってくるなどの幻覚が、現実のように感じられてしまう幻視を認める症状です。

4. 睡眠麻痺:
入眠時幻覚による不安を感じたとき、全身が金縛り状態となって身動きできず、声も出ない症状です。

ナルコレプシーの原因はまだはっきりとしたことは分かっていませんが、現在は自己免疫疾患の影響からオレキシン受容体の遺伝子が傷つくことが原因ではないかといわれています。

ナルコレプシーかなと思ったら? 

金縛りにあう女性

自分もしくは周りの人がナルコレプシーかもしれないと思ったら、セルフチェックをしてみてください。

セルフチェック項目

・朝の眠気は一般的でも、昼前後から強い眠気が繰り返される

・寝てしまう時間が10分程度であり起きた後はスッキリするが、2時間くらい経つとまた強い眠気が襲ってくる

・怒ったり、大笑いしたときやその後に、全身の力が抜けるようなことがある

・1分以内の体の一部や全身の脱力がある

・寝始めたときに、すぐ夢を見る感覚がある

・寝始めのときに、金縛りにあったことがある

ナルコレプシーの治療方法は?

病院での診察を受ける男性

治療としては、居眠りしないように中枢神経を刺激する内服薬が使用されます。

現在はモダフィニル、メチルフェニデート、ペモリンの3種類あります。ただし、依存性を避ける意味で、モダフィニルを一番最初に使用することが多いです。

また、日常生活でできる治療としては、生活リズムを整えて夜間も十分な睡眠を確保することも大切になります。もし可能ならば昼に短時間でも積極的に昼寝するのも推奨します。

ナルコレプシーはうつ病と間違われやすい?

うつ病の女性

うつ病や躁うつ病のうつ期であれば、抑うつ気分や不安などの症状のほかに夜間不眠があるため、日中に強い眠気を感じることがあります。

そのためナルコレプシーであっても、うつ病の症状と間違えられて漫然とうつ病の治療を受けている方もいらっしゃいます。この場合はもちろん症状は改善せずに長期間続いてしまいます。

日中の眠気以外に情動脱力発作などの症状がないか自分の中で振り返ってみましょう。またこのような誤解がないように、受診する前には、直近の2週間くらいの睡眠状況(就寝時間、起床時間、中途覚醒時間、日中眠気に襲われた時間など)をまとめた睡眠ノートを記載することをおすすめします。

最後に井上先生から一言 

眠そうな女性

ナルコレプシーは症状の程度によっては、自動車などの運転に非常に危険を伴うことがあります。治療により改善するまでは車両運転を控えるべきとされるなど、生活に様々な制限がかかる可能性もある極めて影響力の大きな疾患です。

まずは上記のチェックリストで心配なところがあれば、睡眠外来や精神科などを受診して、必要なら早期に治療を開始しましょう。

参考

*日本睡眠学会 ナルコレプシー クリニカルクエスチョン

【監修:医師 井上 智介】

プロフィール)

島根大学を卒業後、様々な病院で内科・外科・救急・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学び臨床研修を修了する。

平成26年からは精神科を中心とした病院にて様々な患者さんと向き合い、その傍らで一部上場企業の産業医としても勤務している。

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