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脳内の「エラー」を愛そう/東京はみらいの実験場である

見られているということはストレスです。本音と建前の考え方もあると思うんですが、プライバシーを侵害されている感じがする。だから、わたしたちは企業のMTGスペースに、廊下で仕事ができるように、のれんで区切ったスペースをつくったんです。パブリックとプライベートの境目をちょっとだけつくることが大切だと思っています。オフグリッドも大事。

 

アストリッド・クライン(クライン・ダイサム・アーキテクツ)

わたしも、通信できない山奥に家をつくっています。だれもオフィスから連絡できないところです。そうすると自由を手にしているという感覚があるんです。一応緊急用の連絡先は用意していますけど(笑)。

 

ゲルフリート・ストッカー(アルスエレクトロニカ)

東京は、商業地と個人の場が曖昧ですよね。商業地も公共の場になっている。公と私の中間。それは個ではなく、自分がゲストとして公共の場に入れる状態。

SNSも同じです。商業スペースのなかにいるわけです。だけど、個でもある。これを搾取されていると見れば怒りを感じるけれど、私のことをわかってくれていると思えれば問題ない。

 

山中俊治(東京大学生産技術研究所)

スマホを見ることで、ネットを通して別のパブリックスペースに接続し直しているんですよね。それが日本の電車です。その重層的な場が、東京という過密都市では明快に展開されている。

パブリックとパーソナルの境界線が崩れ始めているんです。そこには身体的なものやインターナル(内面)も含まれているのですが、インターナルでさえパブリックに繋がり始めている。これもテクノロジーワールドなんだなと。

3Dプリンターはひとつの例で、プロダクトがもっとパーソナルなスペースに入り込んでくる。同じかたちの椅子に座っているけれど、本当にフィットしているのはごく一部。椅子に対して、身体の大小がある。でも、それが全部違う椅子であり得る。そのときにパブリックの概念は変わります。未来のパブリックスペースは、そうなるのではないでしょうか。

思い思いの椅子に座っていてもパブリックが成り立つ。我々は、量産というルールを勝手にしいているんです。大量につくると安くなるから。みらいを見ると、パブリックとパーソナルが違ってくる。

 脳内の「エラー」を愛そう/東京はみらいの実験場である© 2018 TABI LABO

アストリッド・クライン(クライン・ダイサム・アーキテクツ)

そうすると、エモーションにつながっていきますよね。もっとアートに近くなります。アートはすごくパーソナルな表現だから、そうなればいいですよね。

写真は、広場の階段に机を置いて、小さなワークスペースにした事例です。かんたんですが、みんなで働けます。エモーションは大事。ただ働くだけってつまらない。今日すごかったよって伝えたくなるような思い出がないと、心細くなるんじゃないかなと思うんです。

 

山中俊治(東京大学生産技術研究所)

アートはパーソナルワークだけど、共感を求めるんですよ。理解されなければ成立しない。パーソナルが共感を得てパブリックになるというのがこれからのプロセス。

だから、プロトタイプは重要です。たんなる実験機ではない。社会に重要性を訴えるメディアでもある。マーケットを刺激し、研究を支援するための予算を生み出すものでもある。テクノロジーと社会を繋ぐ役割もあります。だから、このイベントで、ぜひプロトタイプをつくってほしい。

 脳内の「エラー」を愛そう/東京はみらいの実験場である© 2018 TABI LABO

アストリッド・クライン(クライン・ダイサム・アーキテクツ)

ある美術館の外にあるベンチがとっても普通だったんです。多分、予算に合うもをいくつか買ったんだと思うんですよ。それがもったいないなって。

美術館ですよ? アートですよ? なんでもっと、アーティスティックじゃないんですか! って(笑)。

 

ゲルフリート・ストッカー(アルスエレクトロニカ)

産業革命が間違っていたのではないかという印象のある人はいると思います。いま、ワクワクするみらいについて考え直すいい機会だと思います。過去の間違いを改善するきっかけを探したい。

エラーは人類のイノべーティブの最先端。人間がロボットと違うところは、不完全なところだと思います。この35億年の歴史で、自然がどれだけのエラーを起こしてきたのか。じゃあ、この20万年の歴史のなかで人類は? これを考えなければいけません。それがエネルギーになっていきます。

 

マーク・ダイサム(クライン・ダイサム・アーキテクツ)

コワーキングスペースが非常に重要です。だれかが間違っているよと気づかせる何かがある。音があったり、おたがいにやり取りをする、いろんなモバイルが進化しているので、かんたんにいろんなことができるが、研究室はコピースペースではないと。

 

田中和子(博報堂)

エラーを礼賛するわけじゃなくて、それも含めて考えていこうというのがFISです。非常に多様な人たちを集めています。国籍も専門性もバックグラウンドも展示も多様です。何を聞いても認識自体から違う。そのなかで出てくるクリエイティブクエスチョンが価値。

いまもここには、騒音があったり、鳩が来ちゃったり、いろんなことがあります。ラボのなかにいるだけではわからないことがあるから、みなさんとやりたいと思うのは、どうやったら失敗を恐れずにチャレンジできる仕組みや実験場、環境がつくれるのかということです。もしかしたらFISがきっかけになるかもしれません。

 

ゲルフリート・ストッカー(アルスエレクトロニカ)

アルスエレクトロニカは、30年ほど前に、東京よりも小さな街で始まったアートとテクノロジーを結ぶ祭典です。FISは、プロセス自体がフェスティバルそのもの。都市で開催することで、コントロールされた安全な場所で、それが実用的なのかを見ることができます。

ラボという言葉は答えを出す場所ではなく、答えを探しに行く場所だと思っています。東京というエキサイティングな場所で、クリエイティブクエスチョンという結晶をつくりたいですね。

※このイベントはすでに終了しています。詳しくはコチラから。Top photo: © 2018 TABI LABOLicensed material used with permission by AETI

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