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実用化が待たれる「自動運転車」のレベル4実験に乗車! 5Gが未来の社会を変える?

いろんな企業が自動運転。私たちの身近にも自動運転

こちら、KDDIの自動運転テスト車である。

縦列駐車を自動で行ったり、高速道路で一定の車間距離を保って前の車両を追ったり、アクセルとペダルを踏み間違えたらブレーキがかかったり、いまや市販車にも当たり前のように自動運転の技術は採用されている。

KDDIの自動運転テスト車

そして、クルマのメーカーだけでなく、GoogleやAppleなどの世界的IT企業も、非常に力を入れている。

自動運転のクルマのハンドルやアクセル、ブレーキをまとめて制御するにはOSが必要。運転中にさまざまな判断を下すのはAIが重要。さらに実際の運行に膨大な地図データは欠かせない。これらはGoogleやAppleなどのIT企業にとっては非常に得意な分野といえる。

KDDIも2016年から本格的に自動運転の研究に参入。昨年末にはパートナー企業と共に「レベル4」(運転先は完全に無人で、決められたコース内を自動で走るレベル)の自動運転の実証実験に成功。今年5月、福岡でそのクルマに実際に乗ることができるというデモがあったので、行ってみた。

福岡で無人の、自動運転のクルマに乗ってきた

デモが行われたのは「アジア太平洋地域ITSフォーラム2018福岡」。「ITS」とは、「Intelligent transport system=高度道路交通システム」のこと。自動運転技術を含む、アジアのモビリティ社会の未来についてのさまざまな展示や提案が、ここで行われた。

デモの会場は、福岡県大野城市の「西鉄自動車学校バス研修センター」。

トヨタ・エスティマをベースにしたKDDIの自動運転テスト車
天井に乗った「ツノ」が、自動運転のひとつのポイント「ライダー」。光で周囲の道路環境をセンシングする。いわば「目」である

自動運転車のトランクルームには自動運転用のソフトウエア「Autoware」と強力なスペックのPCをセッティング
「Autoware」にはあらかじめ、コースの地図がインプットされている

後部トランクルームには自動運転の「頭脳」たるソフトウェア「Autoware」を搭載。

ダッシュボードとドアミラーなど計5つのカメラは遠隔制御の「目」となる
ダッシュボードやドアミラーの上にはカメラ。自動運転のためではなく遠隔制御の際の「目」となる

なお、今回の自動運転「レベル4」とは……、

内閣官房IT戦略室が発表した「官民ITS構想・ロードマップ2017」の自動運転のレベルを基にKDDIが作成

運転席は無人で、ハンドルもアクセルもブレーキもすべて自動。それで「限定領域内」を走行するもの。この図は、内閣官房IT戦略室が「官民ITS構想・ロードマップ2017」で定めた自動運転の「レベル」の定義を基にKDDIが作成したものである。

日本でバスやタクシーなどが自動運転化する際は走行状態を監視するのが必須になるはずだ。そして、緊急時には自動運転を停止し、人が遠隔操作で車両を制御する必要があるという。乗っている人や周囲の道路状況を的確に把握し、人がリアルタイムでクルマを遠隔制御するためには、安定した通信ネットワークを構築する必要がある。

そして、こちらが今回のコース。

西鉄自動車学校バス研修センターに設定されたデモコース

スタート時は「自動運転」。クルマがあらかじめインプットされた「ダイナミックマップ」に従って、時速15kmで走行。踏切で一時停止し、坂を登り、S字カーブを曲がりきった先に、障害物が待っている。そこで自動運転は停止。約9km離れた「福岡国際会議場」からの遠隔制御に切り替わるのだ。

ではその模様を、まとめて動画でどうぞ!

コースを走る自動運転車の外からの映像

自動運転車の車内からの映像

時速は15kmだそうで、はっきりいって遅い……ただそれは外から見ていれば、の話。実際に乗ると、誰もいないのにステアリングが切られ、その通りに車が曲がる。超ミライだ! 興奮を禁じえない。ただ運転席に誰も座っていなくて、坂も難なく登ればカーブに差し掛かると的確にハンドルが切られる。いや、ちょっとカッコいい! で、目の前に障害物があると、きちんと止まる。

遠隔制御に切り替わると、正直、現場では全然変化はないのだが、「遠くで誰かが助けてくれてる!」みたいな気持ちになり、ほんのり心が温かくなるのだった。

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