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Interview with jan and naomi x Salyu

jan「聞きたいです」

Salyu「それもコーラスの研究なんですけど。声というものが持っている響き、可能性、声と声が共鳴することの感動。そういうことをより自分の感性としても物理的にも研究していて。それで、アカペラアルバムを作りたいと思ってるんです」

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──アカペラアルバムを作りたいって数年前にもおっしゃっていましたよね。具体的に動き出しているんですね。

Salyu「いつまでやっているんだという感じでもあるんだけど(笑)。いつ作品をリリースできるかわからないんだけど、インストゥルメンタルの楽曲をアカペラで表現したいと思ってるんです」

jan「面白そうですね」

Salyu「本来、楽器のために書き下ろされた楽曲を、あえて多重録音した声で表現してみる。新しい声の世界が開かれていくような感覚があって。でも、何十トラックも重ねるから、だんだん人間としての挑戦にもなってくるんですね。人体をいかに機能させるか、とか」

naomi「ヒューマンビートボックスとかに近いものがあるんですかね?」

Salyu「そう、それで1回ヒューマンビートボックスにもトライしようと思って、AFRAさんに相談です」

naomi「めちゃくちゃ最高の相談相手ですね(笑)」

Salyu「2時間くらいレッスンしたんだけど、ダメだった。そこで、この研究はそこまで一人でやることにこだわらなくてもいいんだって気づけたの(笑)。ちゃんと人の力も借りようって。まぁ、最近の私はそういう感じなので、声の響きというものに今まで以上に敏感になってるんですね。だから、jan and naomiの新作を聴いて、その美しさが衝撃的だったんですよね」

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jan「ありがとうございます。アルバムの中で1曲だけどういうふうに歌っていいかわからない曲があって。それは7曲目の『City of love』という曲なんですけど。この曲の歌詞の世界観とアレンジがあまりにも自分の予想を超えていて。歌い方にすごく悩んだんです。結局、200テイク以上録って。貴重な経験でしたね」

naomi「歌えないんじゃなくて、これまでは何も意識せず歌っていたんだけど、今回のレコーディングでjanは意図的に誰かになってるみたいな歌い方をし始めていて」

──憑依するみたいな?

jan「いや、憑依というか、歌詞の内容が抽象的だったものに対して、わりとストーリー的な輪郭のあるメロディを書いたから。フワッと歌ってもストーリーテリングにならない難しさがあって。歌の説得力を増すために低い輪郭のある声で歌って、歌詞が伝わるように心がけたんですよね。途中で歌詞も変えたりして。今までは生々しい歌をぶん投げていた感覚だったんだけど、今作で歌に対してじっくり研究できたのはうれしかったです。だから、Salyuさんの研究のプロセスはすごく羨ましい。研究してるときってちょっと苦しかったりするけど、その瞬間に一番新しい細胞が生まれてると思うから」

Salyu「わかる。私もすごく楽しい。時間はかかりますけどね」

──その研究はポップミュージックのフィールドを超えたところにあるものじゃないですか。Salyuさんがそこに至ったのは興味深いですね。

jan「歌の研究として究極だと思う」

Salyu「私はポップの道に入ってよかったと思うんです。たとえば私が合唱団から音楽の道を選ぶときにクラシックや声楽の世界を選んでいたら、マイクを使わないからもっと特殊な発声をしていたと思うんですね。でも、私はポップの道に行ってマイクを使いながら日常会話程度の音量でも歌ってきた。それを今の研究に応用できるのは、自分だからこそできる試みだなと思って」

──そうですね。誰もができることではないですね。

Salyu「そこで密かに使命感が湧くんですよね」

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──jan and naomiにとってこの2年で一番大きな変化はどんなことですか?

naomi「この2年で制作の方法論が大きく変化しましたね。今まではギターを基軸にしてスタジオでセッション的に曲を作ることが多かったんですけど。jan and naomiとして昨年公開された映画『AMY SAID エミー・セッド』のサウンドトラックを制作して。それは毎回レコーディングスタジオに入って生音で録るという規模感でもなかったので、わりと自宅で制作を完結させなきゃいけなかったんですね。そういうやり方で何十曲も作らなきゃいけなかったから、自宅の制作環境とスキルを上げなきゃいけなかったし、その経験を経た恩恵が、今作に如実に出てますね。曲作りのアプローチがギターからシンセサイザーや打ち込みに変わったり」

jan「初めてトレーニングした感じでした(笑)」

naomi「5秒、10秒の効果音に近い曲もとかも作らなきゃいけなくて。しかもテクノっぽい曲とかジャズ系の曲も作ってほしいって言われて、その時点でjan and naomiっぽさはないじゃないですか(笑)。映画に出てくる吉祥寺のバーのBGMを作るという設定だったんですけど、そうなると確かにスウィングしている曲も必要だよなと思って。そこにトライするのもいい経験でした」

──今度はまたセッション的に曲を作ってもいいわけだし。

jan「今はこのアルバムを作り終えてそんなに時間が経ってないからより思うのかもしれないけど、やっぱり今度はまた生々しく制作してみたいですね」

──あと、Salyuさんの研究が実を結んだときにステージ上での共演も観たいですね。

jan「いいですね」

Salyu「私としてはぜひ楽曲提供をしていただきたいです。それをウィスパーボイスで歌いたい」

naomi「やりたいですね。じゃあ今日から作ろう!」

Salyu「やったぁ! Jan and naomiの新作を聴いてまたリリイ・シュシュみたいに歌いたいと思ったんですよね。キーもSalyuより低めにして、超ウィスパーボイスで歌ってみたいです」

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