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亀田誠治「小さな変化にどんどん挑戦…」“J-POPのイノベーション”を語る

亀田誠治「小さな変化にどんどん挑戦…」“J-POPのイノベーション”を語る
J-WAVEで放送中の番組『INNOVATION WORLD』(ナビゲーター:川田十夢)。5月25日(金)のオンエアでは、音楽プロデューサー、ベーシストの亀田誠治さんをお迎えして、「J-POPのイノベーション」をテーマにお届けしました。

亀田さんは、椎名林檎さんをはじめとする、さまざまなアーティストのプロデュースや編曲を手掛けています。川田は、いつかお会いしたいと思っていたと話します。

■音で明るさがわかる

まずは、番組のAIアシスタンのTommyに、亀田さんの性格分析の結果を訊きました。

Tommy:芸術への理解があるタイプです。集団を統率できます。また、哲学的なタイプで、新しいアイディアに興味をそそられ、自主性があなたの行動に大きな影響を与えています。最高の成果が得られるよう、自分自身で目標を設定する傾向があります。

亀田:一生分褒められたような気持ちになりますね。
川田:亀田さんは、編曲や、いろんなアーティストをプロデュースするとき、無限に音の可能性がある中で「これだ」というものを提案する際に、筋が通ってないとできないものですか?
亀田:そうですね。主体性のある提案をしないとアーティストも納得しないし、そもそも主体性のないところから始まったものは根っこが弱いので、強いものになっていかないんです。必ず「よっしゃ、コレだ!」と思えるものを提案するようにしています。
川田:音楽は感覚的なもの。それを「トラックがいい」「このピアノの音がいい」という説明をするのは、すごく難しくないですか?
亀田:難しいです。でも音って不思議で、たとえば明るいコードを弾くと「明るい」と思うし、マイナーコードを弾くと「暗い」と思う。Tommyも「これは暗く感じます」「とても明るい方向に向かっていますね」とか、たぶん言うと思うんです。説明で心を砕くというよりは、正直な気持ちをキャッチボールするのが、一番の近道かなと思います。

■ヒットとスタンダード

川田:先週のゲストが前田裕二さん(SHOWROOM株式会社代表取締役)で、秋元 康さんの言葉を引用して「ヒットは公式とか計算で作れるけど、スタンダードは難しい」という話をしていたんです。そういう感覚って亀田さんの中にありますか?
亀田:この場合でいう「ヒット」とは瞬発的に人気が出ることで、「スタンダード」は長い時間をかけて愛されて、何年経っても「名曲」と呼ばれることですね。ヒット曲はただ狙って作るのでは、見透かされてしまう気もするし、難しいところですけど、スタンダードになるためには時間を経て、いろいろな人、いろいろな世代の思いが重ねられる要素が必要になってくるので、 スタンダードを作るというのは難しいですよね。
川田:なるほど。
亀田:僕は、あんぱんにたとえるんですけど、あんぱんといってもいろいろな種類が出るじゃないですか。「さくらあんぱん」とか。 あんぱん自体は昔からある形でスタンダードなんです。でも、その中のあんこを変えたり、もっちり感を変えたりして、時代にフィットしていったりする、そういうものだと思うんです。
川田:確かに。
亀田:フィットというのは「フラペチーノあん」みたいなのが「うまい!」と大ヒットになるかもしれないけど、それがスタンダードになるかはわからないんです。
川田:僕、最近「フランスあんぱん」というのを食べたんですけど、うまかったです。
亀田:それはヒットですね。
川田:でも、これが日本人の食生活に残るかというと、ちょっと違うかなと思うんです。そういう違いですかね?
亀田:そうだと思います。
川田:専門家にこういうことを訊くのはアレなんですけれども、亀田さんは音楽の公式的なものとか、ルールとかに詳しいというか、きちんと積み上げるものがありながら、感覚的なものにいく瞬間があるじゃないですか。 音楽にせよ何にせよ。それが本当に不思議です。
亀田:いつも自分の中で、小さな変化にどんどん挑戦してるんだと思います。僕はバンドだったりソロアーティストだったり、10代のアーティストから70代のアーティストまで、一緒にアルバムを作ったりしてるんです。多種多様な音楽に対応するためには、イノベーションのスイッチがたくさんないといけないんです。ひとつのことだけにこだわって、自分を通していくだけでは、全く相手が“共振”してくれないんです。だから、イノベーションのスイッチは、どれだけ相手とのチューニングが合うか、周波数が合うか、というところをボタンで選んでいけるか。もしくは、ボタンではなくダイヤルみたいなものかもしれない。

■「ごっこ」の重要性

川田:亀田さんは新しいことに興味がおありですよね?
亀田:ありますね。常に探しているかもしれません。自分の波長に合うものというか、なにからなにまでというわけではないですけど。
川田:たとえば「Niantic」川島優志くんが地下鉄網を可視化するということを、自分でやってましたけど。
亀田:ちゃんと高低差もつけてましたよね。
川田:あれへの反応を亀田さんがしてくれたのが、僕らサイドはみんな熱狂的に喜んだんですよ。嬉しいし、「優しいな」って思って、亀田さんと話がしたいってみんな思ってると思うんです。テクノロジーと亀田さんの本業である音楽は、まだ今のところ、そんなに直接的には結びついてないかもしれないですけど、いろいろな可能性があるとは思いますね。
亀田:結びつき始めてることはたくさんありますし、時間の問題です。そもそもVR、AR、MRとの歴史はまだ浅いかもしれないけど、音楽自体が本当にテクノロジーの発達とともに、ここまできてるんですよ。もちろん、クラシカルな素晴らしい楽器には、昔ながらのよさもありますけど。常にレコーディング現場でもイノベーションが行われています。新しいものを導入していくことによって、新しい世代や、いろいろな世代が音楽を奏でられるようになったり、楽器ができなくても楽器ができるようになったり。音楽の裾野が広がるという意味では、テクノロジーのイノベーションがあったおかげで、音楽がここまできていて、それが今、加速度的にAR、VR、MRによってきてるなっていう感じはします。
川田:なるほど。
亀田:そもそもギターを弾くときも、最初は弾くまねをするという「ごっこ」から始めるんですよ。AR、VR、MRの技術って、どこかに「ごっこ」というか、遊びの要素があって、その要素があるからちょっとうまくいかなくても楽しいし、かえってそこにリアリティがある。だから、少年のような心に戻れるという。人類が調和していくためにこういう技術が進んでいくことは、本当に素敵な未来を生んでいくような気がしてならないですね。
川田:みんながカラオケを普通に楽しむようになったじゃないですか。でも、昔はベース専用のカラオケも短いスパンであったんですよね。音楽を聴いている側の要望として「この曲のベースを弾きたい」と思うんですけど、亀田さんは、今聴いている曲でやりたいというニーズはありますか?
亀田:そういうものを分解して聴けるようになったり、アバターになったり、「亀田誠治になってベースを弾いてみた」というように、あたかも自分ができてるかのような体験ができると、人生が豊かになるというか。
川田:ありかどうかお訊きしたいのは、あるアーティストの曲を預かって編曲をするとき、「ああでもない」「こうでもない」と何度も重ねて実験して、完成形が出るじゃないですか。ところが、ファンは実験の過程も聴きたかったりする。たとえば音を聴きながら時間軸みたいなのがあって、配信日の前日のバージョンが聴けたりとか。
亀田:「恥ずかし〜」っていう感じですね(笑)。
川田:ご自身とかアーティストは恥ずかしいと感じるかもしれないですけど、そういうのもリスナーとしては聴いてみたいですね。
亀田:そういうことにトライするアーティストが出てきてもいいんじゃないでしょうかね。発表の仕方って、僕は自由だと思うんです。でも練りに練って、最後の最後にだるまの目を入れて完成したものを聴かせたいっていう気持ちもわかります。僕は公開レコーディングをやったこともあって、そういうのもありだと思うし、遊びの要素がふんだんに導入されて、とにかく多くの人に音楽やアートなどを楽しんでもらえると、これが音楽のイノベーションになっていくのかなと思います。とにかく僕は裾野を広げたいです。

亀田さんは公開中の映画『恋は雨上がりのように』(主演:大泉 洋・小松菜奈)の主題歌を手掛けました。鈴木瑛美子さんが歌う『フロントメモリー』という曲です。「この曲は神聖かまってちゃんのカバーです。それを僕流にアレンジして、映画にピッタリで、非常に爽快感の溢れるサウンドです」と亀田さんは語りました。ぜひチェックしてみてください。

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【番組情報】
番組名:『INNOVATION WORLD』
放送日時:金曜 22時−22時55分
オフィシャルサイト:http://www.j-wave.co.jp/original/innovationworld/

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