GW前に予習!超簡単な日本庭園の楽しみ方ガイド

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GW前に予習!超簡単な日本庭園の楽しみ方2ステップ
旅先で日本庭園を楽しむ機会は、意外に多くありませんか? 金沢の兼六園や京都・龍安寺の石庭など、庭園そのものが観光の目玉になっているような場所もありますし、神社仏閣、お城、旅館、美術館、古民家カフェなどで日本庭園を目にするケースも多いです。

しかし、これだけ日本庭園を目にしながら、ほとんど日本庭園について知らないという人も多いのではないでしょうか。せっかく日本人として日本に暮らしているのであれば、ほんの幾つかでも知識を学んで、今よりもちょっとだけ日本庭園を深く見られるといいですよね。

そこで今回は基礎中の基礎、「これだけ知っていればもっと楽しめる」という庭園鑑賞のポイントを、2ステップでチェックできるように絞り込んでみました。

 

ステップその1:日本庭園には3種類(三大様式)があると覚えておく!

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茨城県の偕楽(かいらく)園

まずは大まかな日本庭園の種類から。日本中には名園と呼ばれる日本庭園がたくさんあって、素人には何が何だかよく分からなくなってしまうかもしれませんが、実はたったの3種類に分類できるようです。

1. 池庭(池泉式庭園)→庭に池や川がある

2. 枯山水→庭に池や川がなく、庭の構成は石が主体になっている

3. 露地庭(茶庭)→茶室がある

といったポイントを押さえればいいみたいですね。もう少し覚えられそうな人であれば、

・池庭(池泉式庭園)→古代から日本庭園の主流

・枯山水→石で水を含む自然の景観を象徴的に表現

・露地庭(茶庭)→飛び石、石灯籠(とうろう)、つくばいなど、茶事に必要な景物がある

といった点も併せて頭に入れておきたいです。

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龍安寺の石庭

例えば日本三名園の兼六園(金沢市)、後楽園(岡山市)、偕楽園(水戸市)は全て池庭(池泉式庭園)、京都の龍安寺の庭は枯山水、同じく京都の仁和寺にある2つの茶室周辺には、露地庭が作られています。もちろん、特徴がミックスされたような庭も少なくないですが、池や川があるか、石を主体に自然を表現しているか、茶室があるかどうかで、大まかに見極められるみたいですね。

 

ステップその2:四大要素に一通り目を向けてみる

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庭の大まかな種類が分かったら、今度は庭を構成する四大要素に目を向けてみると、庭園の見どころを押さえられるようになるそう。四大要素とは、

1. 水

2. 石

3. 植物(植栽)

4. 人工の景物(飛び石、石灯籠、つくばい)

になります。水と石、植物と景物が庭園でどのように使われているか、それぞれがどのような意味を持たされているのか、自分なりに目を向けてみる、パンフレットがあれば四大要素の意味をチェックしてみるだけでも、感じ方が深まるはず。

後述する通り、結局庭園の見どころとされるポイントは、大抵が四大要素に集中しています。専門的な知識がなくても、とりあえず庭の水、石、植物、人工の景物に注目してみるといった見方は、大きく間違ってはいないと言えそうですね。

 

兼六園で庭の見方を練習してみよう!

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兼六園の雪吊りのライトアップ

庭園のスタイルを知り、その上で四大要素に目を向けるといった庭園の楽しみ方を、日本三名園の1つにして国の特別名勝である兼六園で試してみましょう。

兼六園の主要な入り口である桂坂口や真弓坂口から入ると分かりますが、園内には瓢(ひさご)池や霞ヶ池があります。庭に池や水があるのですから、普通に考えて池庭(池泉式庭園)だと予想できますよね。

「兼六園って池泉式庭園なのかな?」

などとつぶやけると、ちょっとかっこいいかもしれません。「池庭」よりも「池泉式庭園」の方が、ちょっと専門用語風でオシャレかも。実際に調べてみると、池泉式庭園の一種で、池庭の中を歩いて見てまわれる(回遊できる)池泉回遊式庭園とされています。予想的中ですね。

 

兼六園の四大要素は?

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園内にある根上松

次に兼六園内にある四大要素、水、石、植物(植栽)、人工の景物(飛び石、石灯籠、つくばい)に注目してみましょう。

園内を歩いてみると、あるいは地図を眺めてみると、水に関しては最も大きい霞ヶ池が真っ先に目に飛び込んできます。もちろん人工ですが、大海を見立てた池で、中国の伝説では不老不死の仙人が住むと言われる蓬莱(ほうらい)島が造成されています。その狙いとしては、

<長寿と永劫の繁栄を庭園に投影した>(兼六園の公式ホームページより引用)

といった背景があったのだとか。実際に園内に足を運ぶと、多くの観光客が霞ヶ池の前で足を止めて写真撮影を行っていますから、やはり兼六園を代表する見どころと言って間違いがなさそうですね。

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蓬莱島と亀に見立てた立石

他の四大要素で言えば、上述した蓬莱島にも(亀の頭、亀の尾っぽに見立てた)立石があると分かりますし、植物(植栽)に目を向けると、霞ヶ池沿いに植えられた園内一の枝ぶりと言われる唐崎松、根が地表の高さ2mまで露出している値上松が目に留まるはず。実際に目に留まるよう立札もありますから、見どころだと分かります。

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霞ヶ池に面した内橋亭

また、兼六園は池庭(池泉式庭園)でありながら、

<土地の広さを最大に活かして、庭のなかに大きな池を穿ち、築山(つきやま)を築き、御亭(おちん)や茶屋を点在させ、それらに立ち寄りながら全体を遊覧できる>(兼六園の公式ホームページより引用)

とあるように、園内に夕顔亭、時雨亭などの茶室も目立ちます。茶室があるのですから、露地庭(茶庭)に特有の人工の景物(飛び石、石灯籠など)も取り込んでいるはずで、実際に歩いて見ると、茶庭の近くには飛び石もつくばいもあると容易に確認できます。予想通りですね。

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ことじ灯籠

人工の景物で言えば、2本脚の大きな灯籠(ことじ灯籠)が霞ヶ池の目立つ場所に置かれています。「これも見どころかな?」と予想した上で公式ホームページや観光ガイドブックを見ると、案の定、兼六園の見どころとして紹介されていますし、腕利きの写真家が熱心にことじ灯籠を撮影しているとも分かります。写真家の感性に響く何かがあるのかもしれませんね。

ことじ灯籠の脇からは、上述した唐崎松、霞ヶ池、蓬莱島の立石と、四大景物が一望できるようになっています。「見どころがぎゅっと詰まったベストアングルかな?」と予想してみると、案の定、プロのカメラマンが有料で団体の写真撮影をしているスポットだとも分かります。やはり、見どころ、目の付け所は四大景物なのですね。

 

以上、今日から日本庭園をちょっと深く楽しむポイントをまとめてみましたが、いかがでしたか? それぞれの要素が何を意味しているのかまでは分からないかもしれませんが、今まで素通りしていた庭園の中で、目を向けるべきポイントが分かるだけでも、少しだけ味わいは深まるはず。その視点を持ちながら庭園を繰り返し眺めているうちに、それぞれの庭園が持つ独特の味わいを楽しめるようになっていけるかもしれませんね。

 

[庭園に関する主な用語一覧 -京都市文化観光資源保護財団]
[兼六園]
[よく分かる 金沢検定 受験参考書 – 時鐘舎]
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