すぐ枯らしていない? お部屋の環境に合った観葉植物の選び方を教えて!
お部屋に観葉植物がある生活、憧れますよね。インテリアとして観葉植物を飾るだけでお部屋が華やかになります。
でも、日当たりが悪かったり西日が強かったりすると、植物はうまく育つことができません。最悪の場合、枯れてしまうことも……。せっかく観葉植物を置くのであれば、上手に育ててあげたいですよね。そこでお部屋の環境にぴったりな植物や上手な育て方を、観葉植物の専門店であるグリーンインテリアの真下悦洋(ましも・よしひろ)さんに教えてもらいました。
初心者でも安心して観葉植物を育てるために、そろえておくべきグッズは?
まずは、観葉植物を育てたことのない方がそろえておきたいグッズと上手な使い方についてうかがいました。観葉植物専門店グリーンインテリア バイヤー 真下悦洋さん(写真撮影/近藤宏美)
「最初に準備したほうがいいものは、じょうろ・霧吹き・栄養剤の3点ですね。じょうろは鉢の中の土が乾いていたときの水やりに使います。お水をあげないと枯れてしまいますが、実はあげすぎるのもよくないんです。土の状態をチェックして最適な量をあげることが長持ちのコツ。表面の土が乾いていても、中が湿っていたら水やりをする必要はありませんので、指や割り箸などで中の土の状態を確認してからお水をあげてください」(真下さん、以下同)観葉植物に水やりをする親子(写真/pixta)
じょうろだけなく、霧吹きも必要なのはなぜでしょうか。
「霧吹きは葉っぱにお水をかけるときに使うんです。空気が乾燥しているとハダニが発生しやすいので、葉っぱに適度な潤いを与えてハダニ予防をしたいですね。春先以降に育てる場合は栄養剤を使用すれば、より元気に育ってくれます。栄養剤には即効性のある液体のものと、緩効性の固形タイプのものがあります。栄養剤はあげすぎてしまうと逆に弱ってしまうので、用量を守って使用してくださいね」
観葉植物が成長してきたら、植え替えるための大きな鉢や、虫が発生したときには専用の薬剤を用意することも必要になります。
初心者でも育てやすい「おすすめの観葉植物」は?
じょうろや霧吹き、栄養剤をちゃんとそろえて観葉植物を育て始めたとしても、お世話を忘れてしまったり、忙しくてなかなか手がかけられなかったりして、うっかり枯らしてしまった……なんてことにならないようにしたいもの。観葉植物初心者でも育てやすい、生命力の強い観葉植物を真下さんに教えていただきました。
●サンスベリア
サンスベリア・レディチャーム(写真撮影/近藤宏美)
「『サンスベリア』は、観葉植物初心者でも育てやすい植物のひとつです。水やりは月に1回程度でもOKですし、気温が10度以下になる12月から2月までの冬の間は生長がストップして休眠に近い状態になるので、断水でも大丈夫なほど。光があまり入らない暗い場所でも頑張って生きていくことができる植物なんです」
●ポトス
ポトス・エンジョイ(写真撮影/近藤宏美)
「『ポトス』も強い植物のひとつです。頻繁にお水をあげる必要はなく、土が乾いていたらあげる程度で大丈夫。暗い場所で育てることもできます」
●ソテツキリン
ソテツキリン(写真撮影/近藤宏美)
「乾燥にも寒さにも強く、暗い場所でも育つ植物です。パイナップルのような可愛らしい形なので女性に人気です」
寒さに強い観葉植物は?
いくら育てやすいと言われる観葉植物であっても、お部屋の環境や気候のせいでうっかり枯らしてしまう可能性もあります。そこで、真下さんに、寒さや暑さ、日差しの強さや日陰や湿気など、それぞれの環境に強い観葉植物についても教えていただきました。
まずは、寒さに強い観葉植物について。真下さんいわく、寒さに強い観葉植物は比較的葉っぱが細長いものが多いのだそうです。 ユッカ(写真撮影/近藤宏美)シェフレラ(写真撮影/近藤宏美)
「『ユッカ』や『シェフレラ』などは比較的寒さに強いですね。ユッカは中南米などの乾燥地帯原産で、シェフレラは熱帯アジアが原産です。主な産地である八丈島では、防風林に使われることもあるくらい寒さには強いですよ。
日当たりの良くない部屋や外出が多くて暖房がついていない時間の短い部屋でも、上手に育てることができます。もちろん光合成をしますので、なるべく窓際やベランダの近くに置いてあげるのが良いのですが、寒さに強い観葉植物は比較的暗い場所にも強いです」
暑さに強い観葉植物は?
基本的に観葉植物は暑い場所で育っているので、どの品種も暑さに強いものが多いのだとか。なかでも「ガジュマル」や「ベンジャミン」「エバーフレッシュ」などは、特に暑さに強いと真下さんは言います。 ガジュマル(写真撮影/近藤宏美) ベンジャミン(写真撮影/近藤宏美)エバーフレッシュ(写真撮影/近藤宏美)
ただし、暑さに強いからといって、日差しに強いわけではないので注意が必要なのだそう。
「外に出したり直射日光を浴びせたりすると、葉っぱが焼けて黒く色が変わってしまいます。日焼けしたとしても、観葉植物の命に影響を与えるようなものではないのですが、できれば急に外には出さずに室内に置いておくのがよいでしょう。西日が強く当たる間取りや全面窓でも室内に置いて窓越しに光が当たる程度であれば問題ありません」
暑さに強い観葉植物はお水が大好きなので、乾燥しないように気を付けることが大事。また、換気も必要だと真下さんは言います。
「閉め切って空気が流れていない場所に長時間置いておくと、弱ってしまうことがあります。朝と夜に換気をしていれば昼間は多少空気がこもっていても問題ありません。
旅行や帰省などで、数日間家にいないような場合は要注意。24時間換気の設備がついている家ならスイッチをつけておいてはいかがでしょうか。サーキュレーターや扇風機などで風を送るのも良いと思います。ただ、直接風を当てないように気を付けてください。換気孔が備わっている住宅では開けてから外出するとか、防犯的に問題がないようなら網戸にしておくなど、風が通る工夫をしておくとよいでしょう」観葉植物のことを「ペットのように世話をしてあげてほしい」と語る真下さん(写真撮影/近藤宏美)
日差しに強い観葉植物は?
全面ガラス窓のリビングに置いても問題ない日差しに強い観葉植物や、ベランダや玄関の外に置けるような植物はあるのでしょうか。しかし、どの観葉植物でも基本的には直射日光は苦手だと真下さんは言います。
「直射日光を当て続けると、葉っぱが焼けて黒いシミになってしまうんです。でも、植物は与えられた環境に適応しようとする力が強いので、日焼けした葉っぱが落ちても、次に生えてくる新芽からは日差しが当たっても大丈夫になることもあるんです」
「オリーブ」や「シマトネリコ」といった外で育てられる観葉植物は、日焼けなどの心配がないのだそうです。 オリーブ(写真撮影/近藤宏美)シマトネリコ(写真撮影/近藤宏美)
日陰や湿気に強いグリーンは?
日当たりのあまり良くない部屋や、水まわりなどの湿気の多いところなら、シダ系の植物がおすすめと真下さんは言います。 アスプレニウム・クリーシー(写真撮影/近藤宏美) アジアンタム・ぺルビアナム(写真撮影/近藤宏美)ネフロレピス・ドラゴンテール(写真撮影/近藤宏美)
「シダ系の植物は、幹がなくペタっとしていて葉っぱが多いのが特徴です。高めの空中湿度が好きなので、こまめに霧吹きをしてあげると元気に育ちますよ。逆に乾燥には弱い植物が多いので、窓の近くよりは少し暗い場所に置くのがおすすめですね。洗面所やキッチンに置くのも良いと思います。リビングであれば窓から離れた暗い場所に置けるので、レイアウトの幅が広がっていいのではないでしょうか」
さまざまなお部屋の環境にあわせて、ベランダや窓の近くには暑さに強い植物、キッチンや洗面所には湿気に強い植物を置くことを意識するだけで、ぐっと育てやすくなるのではないでしょうか。
ちなみに、観葉植物からはリラックス効果のある成分が分泌されているのだとか。日々の仕事や家事などで疲れているときでも、観葉植物の鮮やかなグリーンを目にするだけで、穏やかな気持ちになれるでしょう。
これまで観葉植物を育てたことがないという方も、以前観葉植物を育てて失敗したという方も、お部屋に飾る生活を始めてみませんか?●取材協力
・観葉植物専門店グリーンインテリア
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